今回はこういうお題でいきます。映画のお話です。『メン・イン・ブラック』
の1作目は、1997年のアメリカのSFアクションコメディ映画です。
主演は若いころのウイル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ。
後者は缶コーヒーのCMで有名ですね。

この2人は、「メン・イン・ブラック」と呼ばれる秘密政府組織の
エージェントで、この組織は、地球上に住む地球外生命体を監督し、
その存在を一般の人間から隠し、宇宙人が起こす様々なトラブルを
解決している。現在シリーズで3作目まで出ています。

で、この映画、コメディ要素が強いんですが、何を笑い飛ばしてるかと
いうと、アメリカ人の中で信じられている陰謀論を題材にしてるんですね。
アメリカのトップ層は優秀ですが、貧しい移民やスラム、農場で

暮らす人も多く、そういう人たちは満足に学校にも行っておらず、

陰謀論を信じる傾向が強いと言われています。

 

宇宙人目撃者の記憶を書き換えるニューラライザー



これ、アメリカ社会で暮らしたことがある人はわかると思いますが、
じつに様々な陰謀論があります。そして、そのほとんどは政府が
かかわっており、庶民の目からは隠されているとするんです。

もしも、何かの具合で一般人がその秘密を見知ってしまった場合、
怪しい黒服の男たち(メン・イン・ブラック)がやってきて記憶を消去し、

証拠を抹消していく・・・こういう都市伝説がテーマとされているんですね。

では、アメリカの陰謀論ってどういうものがあるんでしょうか。一番
多く信じられておるのがUFO関係です。アメリカでは、日本ほど
心霊は信じられていないかわり、UFOを信じる人はすごく多いんです。

 

アメリカにも東スポのような新聞はいっぱいある



アメリカ政府は過去(ロズウェル事件が起きた頃)に宇宙人と
出会っており、何らかの密約をかわしている。また、政府には密かに
宇宙人関係のトラブルを処理する機関が存在する。NASA

(アメリカ航空宇宙局)が表の存在だとしたら、それらは裏の存在なんです。

 



「レプティリアン陰謀説」というのがあります。レプティリアンは、
トカゲが進化したような爬虫里型宇宙人で、姿を変えて人間社会の

特権階級にまぎれこみ、人類を支配しているという陰謀説です。

ときのアメリカ大統領はみなそのことを知っており、宇宙人は

大統領就任式にも姿を見せている・・・こんな感じです。

これ、日本ではあまり聞かない話ですよね。SNSなどで、自民党はじつは
宇宙人によって支配されている、なんて言っている人は見かけないです。
さすがに頭がおかしいのではないかと思われます。ところが、アメリカでは
本気で信じている人が、かなりの数いると見られています。

 

レプティリアン



この話の起源にはいろいろな説があるんですが、ファンタジーである
英雄コナンの作者ロバート・E・ハワードが書いた『影の王国』(1929年)
が元になっているのではないかという説が最も有力です。

これと関連して、軍事施設である「エリア51」には宇宙人が収容されており、
またUFOも隠されていて研究されている。アメリカのステルス戦闘機は
宇宙人の技術を応用したものである・・・こういう話はいくつもあります。

あと、陰謀論といえば、9.11テロ事件や、もっと古くはケネディ暗殺事件、
「新世界秩序」(世界のトップエリートたちが世界を統一し管理社会を
つくるという説)やオバマ元大統領の出生をめぐる陰謀論(オバマはじつは

アメリカ生まれではなく大統領になる資格がないとする説)などがあり、

このどれかを信じている人はアメリカ人の約半数に達するという統計もあるんです。

 

Qアノンの存在を信じる人

 

また、近年では「Qアノン」(エリートたちが牛耳るディープステイト(闇の政府)
が存在するという説)は、民主党支持者の3分の1が信じているとも
されています。これが本当だとしたらすごい数ですね。

さてさて、陰謀論が流行る背景には、現状に不満を感じている人が多い
ということがあげられます。自分は知らず知らずのうちに誰かに支配され、

搾取され、貧しい暮らしを強いられているのではないか。

また、上流階級には自分が知らない楽しみがあるのではないか・・・

 

こういう考えが出てきやすいんですね。やはりアメリカは強固な階級社会で、

日本でも「上級国民」のような言葉が出てきましたが、アメリカに比較すれば

まだマシなのかなという気もします。では、今回はこのへんで。

 

これは正式なシリーズではなく、スピンオフ作品