今回は怖い話ではなく、映画の話になります。

当ブログでは、ネタバレになるのが嫌なので、

ふだんは映画の紹介はしていないんですが、たまたまこんな
ニュースを目にしまして、『ドニー・ダーコ』という映画を思い出しました。

 



23日午前。関西空港を離陸したオランダ行きの旅客機から、
重さ4キロ余りの部品が落下し、大阪市の中心部を走っていた
乗用車にぶつかっていたことがわかりました。けが人は
いませんでしたが、国の運輸安全委員会は事故につながりかねない
「重大インシデント」として調査を進めています。

国土交通省関西空港事務所によりますと23日午前11時ごろ、
関西空港を離陸したKLMオランダ航空の旅客機から、
落下した機体の一部が乗用車にぶつかったということです。
落下したのは右主翼の付け根付近の胴体部分にあるパネルの一部で、
縦およそ60センチ、横およそ1メートルで、重さはおよそ4.3キロです。

パネルがぶつかった乗用車は屋根がへこんだほか、後ろの窓ガラスが
割れましたが、運転していた人らにけがはなかったということです。
警察からの通報でパネルが航空機の部品と見られたことから、
国土交通省が当時の運航状況などを調査した結果、KLMオランダ航空から
関西空港を離陸した旅客機から部品が落下したとの連絡を

受けたということです。(NHKニュース)

 



怖い話ですよね。空から航空機部品が落ちてくるのは、
どんなに注意していても避けようがないじゃないですか。
まあこれは、航空機部品じゃなく隕石とかでも同じでしょうが、
ぶつかった乗用車の人にケガがなかったのが幸いでした。
これでもし死亡したりしたら、ものすごく珍しい死に方ですよね。

さて、『ドニー・ダーコ』は2001年のアメリカ映画で、
貸しビデオ屋ではホラーのコーナーに置かれていることが多かったですね。
作中には不気味なウサギの着ぐるみを着た怪人が登場しますし、
人も何人か死にます。ただし全体として見た場合、
自分は青春映画のカテゴリに入るんじゃないかという気がします。

まず登場人物ですが、多かれ少なかれ精神を病んでいて、
主人公のドニー・ダーコはさえない感じの男子高校生で、
過去に放火歴があり、現在も精神的なカウンセリングを受けています。
また、恋人役の女子高生はドメスティックバイオレンスの被害者で、
父親から逃れるためにドニーのいる学校に転校してきた設定になってました。

 



その他、ドニーの通う高校の教師もアブナイ人ばかりで、
生徒の信頼の厚いカリスマ教師が児童ポルノにかかわっていたり、
その高校の元教員で、今はキチガイ婆さんと呼ばれている女性が、
実はタイムトラベルに関する天才理論家だったりします。

自分は仕事柄、映画は試写会で見ることが多いんですけど、
この公開当時はアメリカにいたので、
普通に現地のロードショウで見たのですが、
映画館はガラガラで、なんとなくB級くさい感じもしました。

で、観終わった後の感想は「何がなんだかわけがわからない」
というもの。また同時に、低予算だったり、脚本が破綻しているために、
わけがわからないという映画はたくさんあるんですが、
どうもそれらとは違うようだとも感じました。

 



そして、この映画はカルトになると思いました。
なんでかと言うと、観終わった後、映画の内容について誰かと
議論したくてしかたがない気持ちになったからです。
そういう映画は、公開後に大勢のフアンがついて、
後々まで語りつがれることが多いんですね。

案の定、興行成績はふるわなかったものの、
その後この映画は「リバースムービー」
(何度もくり返して見なければならない映画)と呼ばれ、
発売されたDVDはヒットチャート第1位となっています。

あつかっているテーマは一口で言うと「時空の歪み」です。未来は
決定論的に定まっているのではなく、どこに行き着くのかは誰もわからない。
ドニーはそのことを未来から来たというウサギ服姿の怪人物
に教えられ、恋人が車に轢かれて死んだり、

母親と妹が飛行機事故で死んだりする未来(世界の終わり)
を回避するために、自分が犠牲になって死ぬことを決意します。
そうして、まだ恋人と知り合っていない過去の時点で、自宅の2階の部屋に
航空機の巨大なエンジンが落ちてきて事故死してしまうんですね。



このストーリーはDVDを3回見てやっと自分の頭に入ってきました。
それと同時に、映画の中に張られている伏線の意味も
なんとか理解することができたんです。しかしこれ、
かなり頭のいい人でも1回見ただけでわかるのはまず不可能でしょう。

そのあたりのことも監督はねらって作ったんでしょうねえ。わざといろいろな

解釈ができるようにして議論になるように図った。つじつまの合わない部分も

あるんですが、この項を読んで興味を持たれた方は、

おそらくいろいろなとこで見られると思いますので、
ぜひ、一度といわず何度もくり返して観ることをお薦めします。