モンスターパニックホラー

 

当ブログは自分では「オカルト・ホラー」のブログだと思ってます。
オカルトのほうがホラーよりも先にきてることに、特に意味はありません。
順番を逆にして「ホラー・オカルト」にすると、
なんとなく語呂が悪い感じがする程度のことですね。

さて、では「ホラー」とは何でしょうか? ここから書く内容は、
あくまでbigbossman流の解釈ですので、そのつもりでお読みください。
自分は、ホラーをもし定義するとすれば、

 

怪人ものホラー


「読者や観客に恐怖を感じさせることを主眼とした作品」だと思っています。
もっとわかりやすく言えば「へっへっへ、うんと恐がらせてやるから

覚悟しとけよ」みたいな意図で作られた作品のことです。

 

『エスター』ジャンル分けしにくいですが、あえて言えば

人怖ホラーになるのかな



例えば、戦争を描いた『プラトーン』のような映画があったとして、
内容には捕虜を虐殺するシーンや、弾丸が飛び交って人がバタバタ倒れてい

くシーンが入っており、そこだけ見ればすごい恐怖を感じるとしても、
映画の意図が、戦争そのものを描くことを主眼にしているのならば、
これをホラーと呼ぶのは難しいですよね。

 

これは戦争映画



それから、横溝正史原作の『悪魔の手毬唄』とか『犬神家の一族』
これらもおどろおどろしい雰囲気で大変怖いのですが、
作品の主眼は謎解きにあるので、やはりホラーとは言えないと思います。
ミステリー映画ということになるでしょう。

ただ、萩原健一が主演した1977年の『八つ墓村』、
「祟りじゃ~っ! 八つ墓の祟りじゃ~っ!」というセリフで

有名になりましたが、この作品に関しては、村での過去の落武者惨殺による

因縁が強調され、金田一耕助による謎解きは短く、そのぶん、
洞窟内での犯人との追いかけっこによる恐怖描写にたっぷりと時間が

とられていて、かなりホラー寄りの内容になっていたと思います。

 

おどろおどろしいですが、やはりミステリー映画



あと、三木卓氏の小説に『震える舌』というのがあり、
自分の娘が破傷風菌に感染して死の淵をさまよい、必死の治療によって、
やがて回復するまでを描いた作品なのですが、この映画化に

あたっては、予告編での惹句が「新しい恐怖映画」と銘打れており、
ことさら恐怖を煽り立てるような演出がなされていました。

 

本来はミステリー映画だが、わざとホラー色を濃くしてある



これなどは、制作側が観客に恐怖を感じさせることを主眼にしているため、
ホラーの範疇に含まれると思います。現実にあった事件を

モチーフにした『冷たい熱帯魚』や、貴志祐介氏原作の映画

『黒い家』なども、自分はホラー映画だと思っています。

 

あとはそうですね、アメリカ映画の『エイリアン』のシリーズがありますが、
あの1作目は、完全なホラー映画の作りになっていましたね。
未知の宇宙生物に乗員が次々に襲われる恐怖が重厚なタッチで描かれていました。
宇宙を舞台にしているので、SFホラーということになります。

 

怪物の正体をなかなか見せない、SFホラー


これに対し『エイリアン2』のほうは、主演は同じシガニー・ウィーバー

でしたが、エイリアンを地球に持ち帰るために植民地海兵隊が派遣され、
さまざまなメカが登場して、エイリアンとの戦いが中心に描かれた、
SFアクション映画と呼んだほうがいい内容に変わっていました。

 

人が怖い犯罪映画だが、ホラー面を強調して作られている



さて、ここまで映画を中心にして話を進めてきましたが、
「ホラー」のほうは比較的わかりやすい概念だと思います。それに対し、
「オカルト」のほうはかなり難しい。というのは、一般的に日本で

言われるオカルトと、小説や映画などの創作作品におけるオカルトとは、
その意味内容がちょっと異なるからなんです。

一般的に日本でいうオカルトの場合、その意味するところは、
「超常的なもの、この世にあらざるもの」くらいのものだと思います。
自分もふだんはこの意味でオカルトという語を使用しています。

 

病気の映画だが、これもホラーが強く意識されてる

 

これはかなり幅の広い概念で、オカルトのジャンルには、
心霊、UFO、UMA、超科学、神秘学、超能力、古代文明などがあります。
オカルト雑誌の「ムー」なんかを見てもそうですね。

ところが小説や映画の場合、UFOや超科学、超能力が出てくるのはSF・ホラー、
UMAが出てくるのはモンスター・ホラーということになってしまう場合が

多いんです。『キングコング』なんかは未発見の生物、UMAなんですが、
だからといってあの映画をオカルトと呼ぶことはないですよね。

 

モンスターパニック映画 ホラー要素は少ない



創作作品の場合、悪魔崇拝や魔術をあつかったものに特化して、
オカルトと呼ばれることが多いんです。映画で言えば、

『オーメン』 『ローズマリーの赤ちゃん』 『エクソシスト』
『サスペリア』などが典型的なオカルト物です。


近年だと『コンスタンチン』や『スペル』など。
つまり、一般的なオカルトの概念より、創作物におけるオカルトの

概念は、かなり内容がせばめられているわけです。

 

オカルトホラー映画



さてさて最後に、ホラーとオカルトはもちろん相反する概念ではありません。
オカルトでありながらホラーというような例はいくらでもあります。
ということで、このあたりに留意して当ブログをお読みいただければ幸いです。

 

まとめ 日本でいうオカルトは幅広い概念だが、欧米でいうオカルトは

悪魔崇拝などに特化している。これらをまとめて、怖がらせることを

目的としたものをホラーという。


悪魔との取り引きを扱ったオカルトホラー