今回は飛行機にまつわるお話をします。2014年3月8日、
マレーシア航空370便が消息を絶った事件は記憶に新しいところで、
陰謀説や拉致説、はては時空のゆがみ説までいろいろ出ていますが、
べつに海に落ちたと考えれば、自分は不思議でもなんでもない気がします。

こういう事件は過去にもたくさんあって、日本でも1979年、
成田空港発サンパウロ行きの貨物便が乗員6名とともに行方不明になり、
その後も消息は知れていません。
まあ、これが飛行機だから騒がれるのであって、
船舶が海で行方知れずになる事件は、1年間で膨大な数になるのです。

さて、飛行機に関する不可思議な話として有名なのは、
「サンチアゴ航空513便事件」ですね。
アメリカのタブロイド紙・ウィークリー・ワールド・ニュースは、
1989年11月14日号において、以下のような事件が発生したと報じた。
1989年10月12日、ブラジルのポルト・アレグレ空港に1機の

ロッキード・スーパーコンステレーションが、管制塔の許可をえずに着陸した。



機内を調べると、乗客乗員あわせて92名全員が白骨死体となっていた。
フライトレコーダーを調べてみると、同機は1954年9月4日、
西ドイツのアーヘン空港からポルトアレグレ空港に向かっている途中で
行方不明になっていたサンチアゴ航空513便だと判明した。


まあ、これは完全なフェイクニュースです。
サンチアゴ航空という航空会社はそもそも存在していませんし、
1954年当時に飛行機が行方不明になったという記録もありません。
事件を報じた「ウィークリー・ワールド・ニュース」は、
日本の東京スポーツよりも冗談がかったフェイク専門の新聞です。

さて、航空機関係の怖い話で有名なのは、オムニバス映画 『トワイライトゾーン』
の第4話「2万フィートの戦慄」ですね。原作は『地球最後の男』などを書いた
リチャード・マチスンの短編、『高度2万フィートの悪夢』。
飛行機の嫌いなセールスマンが飛行中にふと窓の外を見ると、
翼の上に何かがいる。そいつはエンジンを破壊しているようだ。

このままでは墜落すると思ったセールスマンは、
窓をぶち割って怪物に向けて発砲するが・・・こんな話でした。
昔の映画ですので乗客が拳銃を持っていたりするんですが、
今ではハイジャック防止のためにこの設定は不可能でしょう。

グレムリン
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この話の元ネタは「グレムリン」かもしれません。といっても、
映画の『グレムリン』シリーズではなく、
20世紀初頭にイギリスの空軍パイロットの間存在が噂された、
空中に住む妖魔のようなものです。

第二次大戦中は、日本に空襲をしかけにきたアメリカ軍爆撃機の乗組員が、
不思議な飛行物体を見たり、計器類に異常があったりした場合、
このグレムリンのせいにされました。現在でも、機械やコンピュータが、
原因不明でおかしな動作をすることをグレムリン効果と言ったりします。

あとまあ、飛行機に乗っていて、UFOを見た、龍を見た、魔法使いが
ほうきに乗って飛んでいるのを見たとか、そういう話はたくさんありますね。
ちなみに自分は、モンゴルのウランバートルに向かう飛行機の窓から、
雲が直径数百m以上のレンズ状にふくらんで、

っっl

その真ん中が漏斗のようになり、
ぐるんと裏返るのを目撃したことがあります。これはおそらく、
上昇・下降気流に関係した何かの気象現象なのでしょうが、
ものすごい壮大な光景で、今でも忘れることができません。

さて、飛行機をあつかった怖い映画はたくさんあるんですが、
その紹介はやめておきます。なぜかというと、
飛行機に関しては、現実にあった出来事のほうがはるかに怖いからです。
飛行機が墜落すれば死ぬ確率はほぼ100%です。

アメリカの9.11テロ事件では、4機の飛行機がハイジャックされ、
約3000人の人名が失われましたが、そのうちの幾人かは、
救助隊員の無線、携帯電話、航空機備えつけの電話でメッセージを
残していて、まとめたものを読むと胸に迫ってくるものがあります。

特攻専用機「桜花」
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さてさて、最後に胸クソの悪い話を書いて終わります。
「桜花」という特殊な飛行機をご存知でしょうか。これは第二次世界大戦中に
日本軍が開発した、特攻に特化した滑空機です。
ごくわずなな燃料だけを搭載し、爆弾を積んで乗員が操縦し、
敵戦艦などに体あたりする特攻専用兵器なんですね。

アメリカ軍はこれを「Baka Bomb(バカ爆弾)」と呼んであざけりました。
この発案者は「大田正一海軍特務少尉」で、
桜花の兵器としての採用を軍に熱心に働きかけました。
彼は敗戦後、茨城県の基地から零式練習戦闘機に乗り込んで離陸し、
そのまま行方不明となり、自決したものと考えられましたが、そうではなく、
名前を変え、無戸籍のまま家族を持ち、1994年まで生き伸びたんです。

チベット上空で飛行機から撮影された龍 

窓に映ったカメラの紐じゃないかと思うのは自分だけでしょうか