『THE BERMUDA DEPTHS』


今回はこういうお題でいきます。みなさんの中で、子どもの頃に
亀を飼われた経験があるという方は多いんじゃないでしょうか。
昔はお祭りの夜店で、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が、
売られてましたが、外来生物でもあり、
現在は見かけることが少なくなってますね。

さて、亀は古来から霊獣とみなされてきました。これは、中国から
伝わったものと考えられます。もともとは東洋占星術なんですね。
天にある28の星座(二十八宿)を7つずつに分け、それぞれ、
つなげた形から4匹の霊獣が考え出されました。

四神
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これが青龍・朱雀・白虎・玄武の「四神」です。
四神は星座ですので、季節と方角をつかさどっています。
亀の話なので、ここは軽くふれるだけにとどめておきますが、
青龍は春で東、朱雀は夏で南、白虎は秋で西、玄武が北で冬。

ただし、中国には五行説がありますので、四神だけではおさまりが悪く、
中央に麒麟を置くという考え方もあります。
この中の玄武が亀なんですね。正確には足の長い亀に蛇が巻きついた形。
古代中国においては、亀は「長寿と不死」の象徴とされました。

玄武
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で、この四神の中で、龍は想像上の動物ですし、朱雀は不死鳥で、
やはり実際にはいません。虎は大陸にはいますが日本には生息して
いないので、実際にいる亀が、特に霊獣として尊重されたわけです。
玄武は、色としては黒、地形としては山を表しています。

また、「鶴は千年、亀は万年」ということわざもあり、
ここでも長寿のおめでたいイメージがありますが、
では、実際の亀の寿命ってどれくらいなんでしょうか。
上で出てきたミドリガメが40年くらい、よく川や沼で見かける
クサガメが60年ぐらいと推定されています。

 



あれ、人間より短いじゃないかと思われるかもしれませんが、
それは現代からみてのことで、日本の古代においては、
40歳まで生きられる人はそんなに多くはなかったんです。
近世の江戸時代でも、平均寿命は30~40歳と考えられています。

あと、亀の中には人間よりも長寿の種類もいて、
日本のものではありませんが、アメリカハコガメは100歳以上、
ワニガメは150歳以上です。過去に記録された亀の最高齢は、
ダーウインに飼育されたサンタクルスゾウガメの175歳。
長寿の生き物と考えて問題はないでしょう。

ということで、亀を尊重するのは中国由来の考えでしたが、
日本に仏教が入ってきて、さらにそれが強められました。
古代インドの世界観では、この世界は大蛇の上にいる亀、
さらにその上に乗る3匹の象によって支えられているとなっています。

2018年 中国で発見された甲羅のないカメの化石
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さて、次は生物学的な特徴をみてみましょう。
亀は爬虫類で、その祖先は約2億5000万年前に現れました。
人類の歴史よりもずっと長く存続してる生物です。
去年、中国において完全に甲羅のない亀の化石が発見されて
衝撃を与えましたが、初期の亀は甲羅が未発達だったようです。

それが甲羅を発達させることで外敵から身を護ることが
できるようになり、何度もの大量絶滅期を生きのびて現在にいたります。
最大の亀は、白亜紀(約7500万年前)に生息していた
アーケロンで、全長約4メートル、体重2トン以上と推定されています。

アーケロン 足が一本ありません
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ただ、残念ながらアーケロンは手足を甲羅の中に引っ込めることが
できなかったようで、発見される化石にはヒレの傷ついたものが多く、
同時期にいたモササウルス類に捕食されたためと考えられます。
アーケロンは海亀で、イカやアンモナイトを食べていたようです。

さて、現代でも、巨大な亀の姿をしたUMAの目撃例がありますね。
有名なところでは「ンデンデキ」。アフリカのコンゴ共和国で目撃される
淡水の亀で、体長は5m近いとされます。その正体は不明ですが、
巨大なスッポンの仲間である可能性もあります。
東南アジアには、1、5m近くまで成長する大型のスッポンがいます。

ベトナムの大型のスッポン
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下の画像はみなさんの中でご覧になられた方もいると思います。
アフリカのギニアで発見された漂着物で、4本の足と尾がある亀のように
見えると話題になりました。学者が調査しているということでしたが、
例によって、その後の続報はありません。

ギニアのUMA画像
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でもこれ、自分が見るところでは、クジラの一部分だと思いますね。
クジラの死体は体内に腐敗ガスが溜まって浮き上がり、
海面を漂う場合があり、そのガスが爆発するような形で抜けると、
上になった部分が、ちょうどこの画像のような状態になります。

腐敗ガスで膨らんで漂うクジラ


さてさて、ということで、身近な生物、亀についてみてきました。
自分も子どもの頃に亀を飼ってたんですが、冬眠を失敗すると
土の中で死んじゃうんですよね。今は器具が整って、
飼育は難しくないようです。では、今回はこのへんで。