今回も怪談ではありません。自分が某掲示板でコテをつけていたときの話。
久々の「心霊事件簿」カテゴリです。最初はニュース速報という
板じゃなかったと思いますが、1枚の画像が掲示され、某不動産屋のHPに
霊が写っているんじゃないか、という内容でした。

この頃もうすでに、オカルト板はだんだん人が少なくなってきていたんですが、
これはそれなりに盛り上がりました。場所は岡山県の一戸建てで、
築29年とかじゃなかったかな。屋根が瓦で壁が漆喰ふうですから、
蔵を改築したのかもしれません。外観はかなり古びていますが、
内装はぴっかぴかです。バス・トイレ付きで12畳のLDKと、6畳の洋室。



家賃は4万7000円でした。これ、岡山県の賃貸住宅の相場もたしか
調べたんですが、特に安いということはないようでしたね。事故物件というのは、
基本的に、そこの入居予定者の直前の入居者が、自殺したり、殺害されたり、
病死等でも長期発見されなかったりした(孤独死)場合、「心理的瑕疵」
とみなされて、不動産屋には告知義務があるということになっています。

でも、これってけっこうあいまいな部分があって、ほんの短期間でも
事件・事故との間に第三者がはさまっていれば、告知する義務はない
という噂もあったんです。 (実際は違います)ですから怪談本では、
怪しい業者に依頼されて、告知義務を消すために短期間そこに住む
アルバイトの話なんていう内容がけっこう書かれたものです。

 



しかし、実際にはそういうことはまずないようです。むしろ、
相場より家賃が極端に安い場合は人気になって、入居権の抽選に
なったりしたなどの報道もされていました。
とはいえ、実際に住むには勇気がいりますよね。

『首都圏に住んでいる20~30代の男女に聞いたところ「事故物件に
住んでもいい」と答えたのは18.7%、「住みたくない」が47.5%
であることが、オウチーノ編集部の調査で分かった。
「住んでもいい」と答えた人を男女別でみると、
男性25.0%、女性12.3%と差が出た。

ksksks

家賃がいくら安くなったら、事故物件に住んでもいいと思いますか? 

この質問に対し、「1万円」が6.3%、「2万円」が6.9%、

「3万円」が10.0%、「4万円」が4.0%、

「5万円以上」が14.5%、「いくら安くなっても住みたくない」が

48.4%だった。合計すると、40.8%の人が、家賃が安く

なるなら事故物件に住んでもいいと思っていることが分かった。』

じつは、事故物件専門の不動産関連団体がありまして、
これは民間企業もあるし、東京都の場合は公社としてもあります。
興味を持たれた方は、「JKK(東京都住宅供給公社)特定物件」
で検索してみてください。

ま、自殺だけに限ってみても、年間3万人を超える自殺者のうち、
半数以上の亡くなった先は自宅・自室ですので、
毎年膨大な数の事故物件が生まれているわけです。
その中には諸条件がいい場所もあるでしょうから、それで安いとなったら、
住みたいと考える人がいても不思議ではないと思います。

ただこれは、住居として買ったり借りたりする場合の話で、
店舗として使用する場合はまた違うかもしれません。幽霊が出る出ないの
問題ではなく、悪い評判が地域に広まっていて、そのために客がつかない
などのこともあるんですね。これは裁判になった事例もあります。
2008年の事です。埼玉県日光市でラーメン屋を営んでいた男性が、



店舗の大家を相手取って損害賠償訴訟を起こしました。訴状の内容は、
客や知人から、この店舗に幽霊が出ることを聞き、自分自身も白い影を見たり、
無人なのに足音を聞いたり、奇怪な現象にあった。契約の時に幽霊の話は
聞いていないし、聞いていたら契約しなかった。敷金や礼金などの
契約書経費と慰謝料、諸々含めて502万円払え、というものでした。

もちろん裁判では、幽霊が実際にいるかどうかの争いにはなりません。
それは法律になじむものではないからです。
もし幽霊がいて、人間と同じように感じ、考えることができるのなら、
そこに人権(霊権?)が発生して法の不備があらわになってしまうかも・・・

これは冗談ですが、不動産屋が客集めに不利な場所、
ということを知っていながら、それを告知していなかったとすれば、
損害賠償請請求が認められることもありえるでしょう。重要なのは、
借りた側が、そのことを知っていたら契約しなかったという点です。

さて、一般論が長くなってしまいましたが、某掲示板に出た画像は
これです。押し入れの中に髪の長い女性らしき人物がいるように
見えます。レスの中には、「ダンボールか布団の影が映って
そう見えるのだろう」という意見もありましたね。



そこで、自分が画像の明度を上げて拡大してみましたら、
これは人に見えますよねえ。やはり女性で、
笑顔で床に手をついているという感じがします。
この物件は内装が新品で、しかもしきり戸が中折れの観音開き、

押し入れの戸が3段スライドと、かなりこった造りをしています。
これを売りとしてアピールしたい。そこで押し入れに視線が集まるように、
写真のテクニックとして少し開けてあるのだと思われます。
そのときに従業員の女性が片付け・清掃等で中に入ったまま
撮影してしまった、というのはありえるかなと思います。

あるいは、スタッフたちがお遊びで心霊写真に見えるような
画像を撮った。もちろんホームページにはちゃんとした画像を
入れるつもりだったのが、編集時の手違いで、
ふざけたほうの画像をアップしてしまった・・・



この後、その不動産屋のHPをよく見ましたら、
従業員紹介のコーナーがあって、それらしき女性がいたようでしたが、
もちろん完全に特定することはできませんでした。
この画像は、現在は消去されています。

某掲示板では、物件の近くに住んでる人物が内部の写真を
盗み撮りしてあげたり、会社に直接電話して質問したりして、
この不動産屋にとってはかなりの騒動だったことでしょう。
では、今回はこのへんで。