北海道紋別市のトウモロコシ畑で9月下旬、体重約400キロにもなる
雄のヒグマが射殺された。猟友会の男性は「40年以上ハンターをしているが、
こんなクマは見たことがない」と驚いている。紋別市によると、

8月ごろから、市内の畑や民家近くでヒグマの足跡が複数見つかり、
市や警察などがパトロールを強化。コーンの食害に悩んだ

農家が猟友会に依頼。9月26日にハンターが仕留めた。

旭山動物園(旭川市)もうじゅう館担当職員の大西敏文さんは
「駆除された中では過去最大級だろう。畑はクマにとって楽園。
冬ごもり前は食欲旺盛で、太ってしまったのでしょう」と話した。
北海道は5日、ヒグマの好物のミズナラやブナの実が今秋は不作で、
餌を求め市街地や農地に出没する可能性が例年よりも高いと発表。
事故を防ぐために生ごみの放置を避けるよう呼び掛けている。(日経新聞)




今回はこのお題でいきます。上掲の写真を見ると、たしかにでかいですよねえ。
これが近くにいるとわかったら恐怖でしょう。幽霊どころではないと思います。
「動物ものホラー」というのはジャンルとしてあります。


ここで言う動物は、空想上の生物ではなく、あくまで実在の生き物

ということです。それに襲われる恐怖を描いたのが、動物もの

ホラーなんですね。一番多いのが、『ジョーズ』などのサメものなんでしょうが、
これは海のものだし、前にも書いてますので今回はのぞくことにします。

日本だとまず思いつくのは、やっぱり熊でしょう。
それ以外の猛獣はほとんどいませんからねえ。
で。熊というと思い浮かぶのが、吉村昭氏の『羆嵐 くまあらし』ですか。
作者の吉村氏は、どちらかというと文学系の人なので、この作品を

ホラーと呼ぶのは変かもしれませんが、話自体はたいへんに怖いです。

『クージョ』


実際の事件、大正4年に起きた「三毛別羆事件」を元に取材して

書かれたもので、開拓民7名が死亡、3名が重傷を負い、巨大なエゾヒグマが、
討伐隊に射殺されて終息しました。これ、自分は北海道に行ったときに、
現地で熊の再現像を見たんですが、ちょっとありえないほど大きかったです。

それから、海外で動物ものホラーというと、自分の印象に残っているのは、
スティーブン・キングの『クージョ』ですね。忠実だった愛犬のクージョ

(セントバーナード 体重約90kg)が、狂犬病にかかって

人を襲い始めるというお話。映画にもなりましたが、自分はなかなか

よかったと思いました。特にカメラワークに迫力があったと思います。

さて、では実際に、世界にはどんな危険な動物がいるんでしょうか。
人食いワニ「ギュスターブ」の話はよく知られています。
東アフリカ、ブルンジのタンガニーカ湖に生息していたナイルワニの個体で、
全長は6m超。犠牲者は300人を超えると言われていますが、
この数字は眉唾で、実際は他のワニによる被害も、
ギュスターブのせいにされているんだと思います。

巨大ワニ


何度も駆除が試みられましたが、ギュスターブの表皮は固く、機関銃の弾

すら跳ね返したことになっていますが、これも本当かはわかりません。
結局、人間に殺されることはなく、2008年を最後に目撃証言が途絶えたと
いいますから、どこかで自然死したのだろうと思われます。
ワニを主人公にしたホラー映画はたくさんありますね。

それから巨大ヘビ、これも『アナコンダ』などの映画になってますが、
アマゾンに住むオオアナコンダよりも、アジアのアミメニシキヘビのほうが
危険だということです。最大種で約10mになります。小説だと、
『ジャングルブック』に出てくるニシキヘビのカーが印象的でした。

巨大ヘビ


あと、人食いナマズ「クノ」も有名です。これはヨーロッパオオナマズという
種類で、体長は最大で4m、400kg近くになります。
鹿を丸のみにした、人を何人も食ったなどという話がありますが、
さすがに伝説だと思われます。人間を飲み込んでも、
体の構造がヘビとは違っているので、消化できないでしょう。

巨大ナマズ


さて、世界で最も多くの人間を殺した動物は何でしょうか?
これは蚊やサソリなどの昆虫類、寄生虫やクラゲはのぞいて、
年間の犠牲者数を検索してみると、


1位 ヘビー5万人 2位 犬ー2万5千人 3位 ワニー1000人
4位 カバー500人 5位 ゾウー500人 6位 ライオンー250人
7位 スイギュウー200人 8位 シカー200人 9位 ヒョウー30人
10位 ウマー20人 11位 オオカミー10人 12位 サメー10人

こんな数値がネットに出ていました。けっこう意外ですよね。まあ、

ヘビの害のほとんどは毒によるものでしょうし、犬は狂犬病が多いでしょう。
カバやゾウ、スイギュウは、人間を食うために殺したわけではないでしょうが、
巨大な体重があるので、吹っ飛ばされれば人間は簡単に死んでしまいます。
また、サメの害って案外少ないんです。

さてさて、もちろん上記のランキングには入ってませんが、
人間を殺した数が最も多いのは人間です。2015年には、世界中で、
41万人が殺人で死亡し、17万人が戦争で死亡しています。
もちろんこの他、交通事故や死刑などもありますし、圧倒的多数なんですが、
人間の場合は動物ホラーとは普通は言いませんね。
ということで、今回はこのへんで。