『ゴースト 血のシャワー』

今回はこういうお題でいきたいと思いますが、内容がいっぱい
ありすぎて、どれを書けばいいか迷ってしまいそうです。海のオカルト
というと、みなさんは何を思い浮かべられるでしょうか。幽霊船とかかな。
世界各国に幽霊船の話はありますが、まあこれは当然でしょう。

そもそも、船が誰も人を乗せずに漂っている例は別に珍しい
ことではないからです。沿岸から無人の船舶が波でさらわれたり、
航行中に乗組員が何らかの理由で船を放棄したり、
食中毒等で乗組員が全員死亡し、船だけになって漂流している
ケースは、現代でも普通にあることです。

また、海賊に襲われて、乗組員がすべて殺され積み荷を奪い去られて
船だけが見つかるといったこともあったでしょう。
ディズニー映画の『パイレーツ・オブ・カリビアン』ではソフトに
描かれていますが、実際の海賊は残虐無比で、
目撃者のほとんどは、証拠隠滅のために殺されました。

「北朝鮮の白骨船」
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無人で漂流している船なら、嵐や高波ですぐに沈没してしまう
だろうと思われるかもしれませんが、意外にそうでもないんですね。
「北朝鮮の白骨船」という話があります。旧態のエンジンを積んだ
ボロボロの漁船が、質の悪い燃料を積んで操業していたのが、

エンジンの故障等で漂流し、乗っていた漁船員は餓死し、
白骨を乗せた状態で日本やロシアの海岸、海域に流れ着くものです。
日本で発見されたものだけでも、5年間で300隻近くになります。
日本の漁師が見ればあ然とするようなボロ船ですが、
なかなか簡単には沈まないんですね。

北朝鮮の場合、沿岸、近海の漁業資源を捕りつくし、かといって、
遠洋漁業ができるほどの船もない。そこで、無理をして他国の経済水域まで
出てきているのが原因の一つでしょう。自分はこれをもとにして、
「白骨船の話」という怪談を書いています。  

「フライング・ダッチマン号」
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さて、幽霊船で最も有名なのは、「さまよえるオランダ人」の乗る船
でしょうか。船の名前は諸説あるんですが、
「フライング・ダッチマン号」と呼ばれることが多いですね。
でも、もともとはその名前ではなかったはずです。

これは、キリスト教における神の罰の話です。アフリカ大陸南端の
喜望峰近海で、オランダ人船長が神をののしったため呪われ、
船は幽霊船となり、船長はたった1人で、最後の審判の日まで
さまよい続けることになったという内容で、ワグナーのオペラでも有名です。

ただ、この船長がそれほどヒドいことをしているわけではないんですね。
風のために湾に入れなかったので、風をののしって、
「最後の審判の日までかかっても湾に入ってやる」こう言っただけです。
そのため、現在でも船はさまよい続け、悪天候の日には
喜望峰の沖合で見ることができるとされます。

あとは、昔のオカルト本によく載っていた「マリー・セレスト号」の話。
1872年、ポルトガル沖で、無人のまま漂流していたのを発見された船です。
約30m、280tほどの2本マストの帆船で、けっして大きい船
ではありません。沖合でアメリカから出港した船に発見されたんですが、
乗り込んでみると船はびしょ濡れで、浸水があるのが見つかりました。

「マリー(メアリー)・セレスト号」 かなり小さいですね
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それ以外、船には特別な故障等もなく、航行可能な状態でした。
あと、なぜか計器類が失われたり破壊されたりしていたんですね。
また、船の手すりからは3ヶ所の血痕が発見されています。
6ヶ月分の食料と水も残っていましたが、10人いたはずの乗組員は、
一人も船内にはいませんでした。

これが、海洋ミステリーとしてヨーロッパ・アメリカで評判になり、
船の中で何が起きたのかさまざまな推理が出されました。
後に、死体を乗せた救命ボートがスペイン沿岸に流れ着いたという話も
ありますが、確認されてはいません。

まあでも、常識的に考えれば、悪天候の航海で大波をくらったなどで
船内に水が入り、船底からの浸水と勘違いした船長はじめ船員たちが
船を捨て、計器類を持ち出してボートで逃げ出し、そのまま死亡した
とかですよね。オカルトとして、日本でそれほどウケたということもありません。

 



さて、日本の幽霊船の話では、幽霊船は2種類あるようです。
一つは、船自体は実体ですが、操縦しているのが幽霊とされる場合。
もう一つは、船そのものも含めて幽霊である場合です。出てくるのは
夜が多いんですが、昼でも霧の中から現れるという話もあります。

そして、幽霊船を見てしまった漁船は、獲物がまったくとれなくなり、
座礁したり、無事に浜に戻ることができても、乗組員は不幸な目に
遭ってしまう、こんなパターンが多いですね。あと「船幽霊」というのも
ありますが、これは、ひしゃくで水をくみ入れて船を沈没させるなどと
信じられた、妖怪に近いものです。

「船幽霊」
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さてさて、ということで、幽霊船の話を書いただけで
予定の字数がつきてしまいました。海のオカルトは、これ以外にも
「バミューダ・トライアングル」とか「海底に墜落したUFO」とか
いろいろありますので、またいつかの機会にご紹介できるでしょう。
では、今回はこのへんで。

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