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今回はこういうお題でいきます。少し前に「海のオカルト」という
記事を書いたばかりなので、ネタがないんだろうと思われるかもしれません。
たしかにそうなんですが、あのときは結局、幽霊船の話だけで
終わってしまったんですよね。今回はもう少し雑多な内容を
手広く書いてみたいと考えています。

さて、「海底人」という概念があります。いわゆる海の中に住んでいる
知的な生命体のことですが、意外に海底人をテーマにしたSFや
アニメ作品って多くないんです。これはおそらく、海底では人間の
主人公が自由に行動できないことが大きいんじゃないかと思います。

『ダゴン』


アクアラングをつけていても、そう大きな深度までは潜れません。
世界記録が330mくらいだったと思います。ですから、主人公は
潜水艇などに乗ってなくてはならず、ストーリーが制限されてしまう
わけです。そのあたりがネックになってるんじゃないかな。

それから、海底人には大きく分けて2種類あります。まず一つ目は、
海中でエラ呼吸などができる場合ですね。人魚、半魚人などというのが
この仲間に入るでしょう。もう一つは、われわれ地上の人間と同じで
空気がないと生存できないため、ドーム状の海底都市に住んでいるケース。

与那国島の海底遺跡とされる地形
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この場合は、ムー大陸やアトランティスの生き残りが、何らかの理由で
海底に逃れ、超技術によって海水から空気をつくりだして、
地上の人間から隠れるように生活しているとされることが多いですね。
しかし、なぜ隠れ住んでいるのか、あんまり納得のいく理由はないんです。

さて、日本で海底人というと、まず思いつくのは龍宮城の住人です。
日本神話の「山幸彦・海幸彦」の話では、兄にいじめられた山幸彦が、
なくした釣針を探しに「綿津見神宮 わたつみのかみのみや」
に行くことになっています。ただ、記紀の記述をみるかぎり
どうもこれは水中じゃないように思えるんです。

『古事記』では、山幸彦(火遠理命)は船に乗って行きますし、
綿津見神宮に着くと、海神の侍女が外に水を汲みに出てきます。
どっちかというと海中にある島のイメージが強いんですね。
「浦島太郎」でも、古いバージョンの話は、
太郎が行くのは蓬莱山であって、やはり海底じゃないんです。

竜宮城
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これは中国でも同じです。龍神が住んでいるのは、古くは海中にある
島だったのが、だんだんに海の中という形に変化していきます。
16世紀、明の時代に書かれた『西遊記』では、孫悟空が東海竜王を
おどして如意棒を手に入れますが、その住処である水晶宮は
海底にあるようで、エビやカニに守られていると出てきます。

さて、古典についてはこれくらいにして、もう少しオカルトらしい
話をすると、2011年、バルト海で、UFOの墜落跡ではないかと
される構造物が見つかったというニュースがありました。発見者は、
スウェーデンのトレジャーハンター、ピーター・リンドバーグと、
海底探査を専門とするオーシャン・エクスプローラー社のクルーです。

発見場所は、スウェーデンとフィンランドの間のバルト海の海底
80mの地点。そんなに深いところではありません。
たまたま難破船の調査をしていたところ、ソナーによって
海底の異常な地形が見つかったんです。海底探査の経験の深いクルーも、
誰一人こんなのは見たことがない、と証言しています。

UFO墜落跡ではないかとされる画像
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この画像の円形物体の大きさは直径が約70mで、ちょうど
ジャンボジェット機と同じくらいです。特異なのは、その後方?に
400mくらいの尾がついていて、胴体着陸でスライディングした
跡のように見えることです。このニュースはスウェーデンで話題になり、
新聞の一面を飾ったそうです。

ですが、ダイバーグループが、この部分からサンプルを採取し、
スウェーデン・ストックホルム大学に調査を依頼したところ、この物体は
氷河の堆積物であり、地形の変動による名残ではないかという結果が
出てしまったんです。うーん、たいへん残念です。

でも、世界の海は広いですからねえ。どこかにひっそりと、
古代に墜落した異星人の乗り物の残骸が残っていないとは言い切れません。
あるいは失われた古代都市遺跡とか。1996年、アレクサンドリアの
海岸沖で発見された遺跡は本物で、2000年前の海岸部の宮殿で、
通称「クレオパトラの宮殿」と言われています。

アレクサンドリアの海底遺跡
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遺跡のある深度は10m以下なので、初心者ダイバーでも潜れますが、
ナイル川からの土砂のために大変視界が悪く、それがこれまで発見を
妨げていたようです。この遺跡からはスフインクス像も発見され、
4世紀頃に起きた大地震により水没したと見られています。

さてさて、最後に現実的な怖い話をしますが、人類による海底(海中も)の
汚染は深刻です。下の画像は、日本の深海調査挺「しんかい6500」
が撮影した、日本海溝の水深約6280メートル付近で見つかった
マネキンの頭部です。こういったデブリはあちこちに堆積しており、
生態系にさまざまな悪影響をおよぼしています。

こういう海底ゴミは、もちろん船が投棄したものだけではありません。
川にゴミを捨てればそれが海に行き着き、海底デブリとなるわけですが、
深海底は陸上とは違って、ボランテイア活動で清掃することもできません。
ということで、今回はこのへんで。

日本海溝のマネキン頭部
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