今回は怖い話ではなく、前に書いた「アメリカの都市伝説」の続きのような

内容です。まず、「under your bed」で画像検索をしてみてください。
ずらずらっと怖い画像のオンパレードになるはずです。
アメリカには、「ベッドの下は怖い」という概念が強くあるようです。

ヘビイメタルのロックバンド、メタリカには「エンターサンドマン」という
大ヒット曲がありますが、サンドマンは前にちょっとご紹介したように「砂男」。
夜、子どもの目に砂をまいて眠らせる民間伝承の妖精のようなもので、
この曲のモチーフになっているのは「子ども時代の、夜や悪夢に対する恐れ」です。

 Hush little baby don't say a word
 And never mind that noise you heard
 It's just the beasts under your bed
 In your closet and in your head


あさsdfd

(幼い子よ、話すのをやめなさい

 言葉を発してはいけません
 あなたに聞こえている音は気にしないで
 それはあなたのベッドの下、クローゼットの中
 そしてあなたの頭の中にいる野獣のものなんだよ)

日本だと、ベッドで寝る人は増えましたが、
ベッドの下が怖いという話はあまり聞きませんよね。
これアメリカでは、なんでそんなに怖がられてるんでしょうか。
うがちすぎなのかもしれませんが、もしかしたら、

アメリカの家は広く、子どもには自分の部屋があり、映画なんかを

見れば、両親は1階の寝室でいっしょにダブルベッドで寝ていて、
子どもはかなり幼いときから、電気を消して2階の部屋で一人で寝る。
そんな幼児期に、夜を恐れた経験のある人が多いのかもしれません。



さて、アメリカの都市伝説で有名なのが「ベッドの下の男」というもので、
これもみんさんご存知でしょうが、いちおう紹介すると、
「マンションで一人暮らしをしている女性の部屋に友人が遊びに来た。
部屋にはベッドが一つしかないので、自分はベッドに寝て、
友人は床に布団を敷いて寝させることにした。夜も更けて寝ようとする女性に、
突然友人は外へ出ようと誘う。あまりにしつこく誘うので

しぶしぶ部屋を出ると、友人は血相を変えて彼女に、
「ベッドの下に包丁を握った男がうずくまっている」と言った。」

こんな内容です。この発祥がいつかはわかりませんが、
1912年に『ベッドの下の男』という映画が制作されていて、
かなり古いものであるのは間違いないようです。



この話にはバリエーションがいくつもあり、
その中で自分が怖いなあと思うのは、「なめるのは犬だけではない」という話です。
「The Licked Hand(なめられた手)」という題もあります。

「ある女の子が一人で寝ていると、ポタポタと水のしたたる音が聞こえる。
気になってしかたがないし、だんだん怖くなってきた。
ベッドの下には愛犬が寝ているので、女の子が手を下にたらすと、
愛犬がその手をペロペロなめ、それで女の子は安心した。

でもやっぱり音が気になるので、女の子は意をけっして起き上がり、
電気をつけて音のありかを探すことにした。
どうやら音はクローゼットの中から聞こえてくる。開けてみると、
愛犬が首を斬られて吊るされており、切り口から血がしたたって

いるのだった。そのとき、ベッドの下から「なめるのは犬だけではないよ」

という声が聞こえた。」

っっっっb

何者かがいつのまにか家の中にしのびこんでいる、というシチュエーションも
よくあって、「ベビーシッターと2階の男」というのが知られています。
「あるベビーシッターが仕事中に、見知らぬ男から電話を受けるように

なった。しだいに個人的なことを訊かれるようになり、
最後には、子供の様子をちゃんと確かめたか、という言葉を残した。

ついに彼女は911に電話し、警察が発信元をつきとめると、
なんとその不気味な電話は、その家の中からかけられていることがわかった。
警察が家に踏み込み、子供たちが眠っている二階に男が潜んでいるのを

発見したが、時すでに遅く、子供たちは残忍に殺されていた。」



これだとあまりに救いがないので、ベビーシッターが活躍して子どもたちを助ける
バージョンもあります。1979年の映画『夕暮れにベルが鳴る』が、
だいたいこの内容で、この話もかなり古くからあったもののようです。
ちなみに『夕暮れにベルが鳴る』は、2006年に『ストレンジャー・コール』
としてリメイクされています。

さてさて、アメリカの都市伝説には、ベビーシッター物というジャンルもあり、
ベビーシッターのアルバイトは10代の若者だけでなく、
英語があまりできない移民したての人がなる場合もあります。
そして様々な失敗をして、ときには赤ちゃんが死んでしまう、

そんな話が多いですね。アメリカでは、幼い子どもを置いて
夫婦だけで出かける場合もよくあるのですが、そういう個人主義的な
文化背景が、この手の都市伝説を生んでいるのかもしれません。
では、今回はこのへんで。