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今回はこういうお題でいきます。オカルト論か怪談論か
まようところですが、後のほうで「ブルガリアンナンバー」
という話をご紹介しますので、オカルト論のほうがいいのかな。
さて、携帯電話は、もはや持っている人がいないといってくらい
普及し、それがない生活は考えられなくなってしまいました。

もちろん通信手段としての用途が一番ですが、それ以外にも
ゲームをやったり、動画を見たりなど、きわめて多機能になって
ますよね。画像や動画を撮ることもできます。で、この機能は
怪談にとっていろいろ難しいんですよね。



例えば心霊スポットに行って、不可解なものに遭遇した。
そういう話をネットの掲示場などに書くと、「画像UP!」と言われて
しまうんです。まあ、怖くて逃げ出したので、それはできなかった
としてもいいんですが、複数人とかで行った場合、誰かが
撮ってたとしてもおかしくはないですよね。

たんに「目撃した」というのが難しくなってきてるんです。で、
画像を撮れば、またそこから話が広がっていく。撮ったはずの
写真には何も写ってなかった。変なものが写っていて、怖いと思って
消そうとしても削除できない。それは呪いの画像で、友人に送ると
呪いがどんどん拡散していく・・・などのケースが考えられます。

悪趣味


また、その画像を送って、すぐに知り合いの霊能者に相談する
などの展開もできなくはありません。あと、何かに襲われた場合、
すきを見て警察に連絡するなどのことができますよね。短縮ダイアル
設定もできます。夜中に部屋のドアノブが外からガチャガチャ
回されてる。「おいおい、怖がってないで早く通報しろよ」

そういったことを頭に入れて、怪談を書いていかなくては
ならないんです。さて、携帯電話がかかわる怪談と言えば、まずは
秋元康氏 原作のホラー、『着信アリ』のシリーズをあげなくては
なりません。小説だけでなく、マンガ、映画、テレビドラマなど、
多角的に発表されています。



怪異は、基本的にある人に電話がかかってきて、発信者は自分の
携帯電話の番号です。電話には、なぜか未来で自分が死ぬときに
発した言葉が入っています。メールで画像がくる場合もありますが、
その予言?からは逃れることができません。

さらに、被害者の携帯電話に登録されている電話番号から次の
被害者が選ばれる。伝播する呪いという形になっているわけです。
で、被害者が死んだ後、なぜか口の中から赤黒い飴玉や台湾製の
石炭が発見される。どうやって呪いを解くのかという
謎解きの要素も『リング』と似た形です。

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この他にも、都市伝説的に語られる携帯電話怪談はいろいろあります。
ただ、自分はあまり携帯怪談は書いてないです。うーん、これは、
AがBに連絡し、BがさらにCにと、話が複雑になっていくからですね。
自分は時間的に、長い話は書けないので、できるだけ登場人物を
少なくしたいんです。

さて、世界にも携帯怪談はあって、最初に出てきた「ブルガリアン
ナンバー」というのが、実話として広まっています。
ブルガリアの電話会社が発行していた「0888-8888-
8888」という覚えやすい番号。これがある事情で現在は
封印されている。

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最初にこの番号を使っていたのは、その電話会社の社長、
ウラジミール・グラシノフという男性。自分の会社だから自らきりのいい
番号を選べたわけですね。彼は2001年、48歳で癌のため病死して
いますが、その死因は放射性物質の中毒が疑われ、ライバル会社に
殺されたのではないかという噂がささやかれていました。

ロシアや東欧の旧共産圏では、放射性物質による毒殺は多いんです。
この番号は次の持ち主、ウラジミール・ディミトロフに引き継がれます。
同名ですが関係はないようです。この人物はじつはブルガリアの
マフィアのボスで、2003年、オランダで愛人との食事中に
射殺されます。31歳でした。犯人は見つかっていません。

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3人目の所有者は、コンスタンティン・ディシリエフ。やはり麻薬
密輸と販売にかかわる裏世界の人物。2005年に首都ソフィアで
銃撃により死亡。この後、電話は警察が証拠品として押収し、
捜査に使っていたが、やがて使用されなくなった・・・

その後、この番号が発行されることはなく、携帯電話会社に
問い合わせても、ノーコメントが返ってくるばかり・・・ でもねえ、
これ、呪いとかいうより、殺されて不思議のない世渡りをしていた
人物の間で番号が回っていたということでしょう。

怖い スマホの爆発
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ブルガリアといえば、日本人ならヨーグルトをイメージする人が
多いでしょうが、旧共産圏の国はどこも、ソ連の崩壊とともに
マフィアが幅をきかせるようになっており、闇の深い事件がいくつも
起きています。日本にはあまり紹介されてないだけですね。

さてさて、ということで、今回は携帯電話と怪談についての
やや軽めの話でした。この他にも、中国で携帯電話に関するじつに
恐ろしい実話があるんですが、まだいろいろとヤバいので、
もう少しほとぼりが冷めてからご紹介したいと思います。
では、今回はこんへんで。