今回はこういうお題でいきます。地球空洞説、これは英語では
Hollow Earthといいます。これ、今、すごく盛り上がってるんですね。
原因はもちろん、映画の『モンスターバース』のシリーズです。
あのゴジラとキングコングが共演しているやつですね。

この話はじつはだいぶ昔からあったんです。ヨーロッパのルネサンス期には
すでに基本的な考え方ができあがっていました。当時の有名な科学者
であった、エドモンド・ハレーや、天才的数学者のレオンハルト・オイラー
などもこの説を主張しているんです。ただし近代になるにつれ、
その主張や根拠はオカルトがかったものになっていきます。
 
この説を否定するのは簡単ですよね。みなさんは、地球の内部には
金属と岩石があり、それらが地球の核による熱で対流している
というプレート・テクトニクス理論を学校で勉強されたんじゃ
ないかと思います。地殻はそのドロドロのマグマの上に浮いており、
それがひずむことによって地震が起きる。

 



地震波の伝わり方や速度などもこれによってだいたい計算できますので、
疑問はないように思えるんですが、誰も地球の内部を見てきた人は
いないので、地球が空洞であることも可能性としてはありえます。
過去には、地球内部に行ってきたと主張する人も何人もいるんです。
ですが・・・確たる証拠が持ち帰られたことはありません。

では、地球空洞説ってどんな内容なんでしょうか。これは論者によって
いろいろなバリエーションがあるものの、共通している部分も
あります。まずは地球内部への入口ですが、これは南極と北極の
双方にあるとされることが多いですね。

それはかなり巨大な穴であり、宇宙からの写真で観測されているが、
アメリカ政府などによって隠蔽されているという陰謀論が付随して
います。それと地球内部はいくつかの同心円状の層になっているという
話もよく出てきます。

 



地球の中心には巨大な太陽のようなものが燃えており、そのために
内部は地上よりも温暖で、植物が繁栄している。動物は、地上では
絶滅したとされる恐竜やマンモス、サーベールタイガーなどが
生存している。

ただこれ、どうでしょうね。地球の内部に近づけば近づくほど、
万有引力の法則によって無重力になっていくはずです。太陽のような
火球があるとして、どうやってその形状を保っているのか、
大きな疑問があります。

 

地球内部の同心円状の層


地球内部の住人についても、見てきたと主張する人によって、いろいろな
話が出されています。いわく、地上と変わりない人が住んでいる。
巨人が住んでいる。地球内部に住んでいる人はムー大陸の生き残りで、
ムー大陸滅亡時にそこに逃れていったものだ・・・

この人たちの生活は、原始人レベルとされることが多いですね。まあ、
そうですよね。もし機械文明が発展しているのだとしたら、そこで
生じる熱や二酸化炭素などはどうなるのか? 火山からでも逃しているのか?

あと、オカルトとしては、ナチスは南極に深い関心を持っており、
南極探検で地底世界を発見し、秘密基地化している。
第二次世界大戦を有利に導くような発見をさがしていたなどと
いうものです。また、アドルフ・ヒトラーは死んでおらず、
少数の側近とともに南極にある開口部を通って地球の空洞内部に脱出した
などとも言われます。

 

地球内部の太陽



それから、地球内部は宇宙人が植民していて、UFOの発進基地になっている
とする説もありますし、それとナチスを結びつける話もありますね。
宇宙人から超科学を伝授してもらっていた。これもどうでしょうね。
もしそうなら、どうしてナチスは負けたのか?

さてさて、ということで、地球空洞説についてみてきました。この説が
出される少し前、大航海時代があり、地球の地理についての知見が
深まりました。地球はすみずみまで探検され、もう増やすべき領土は
地球上には見つからないのではないか。
そのことが、地球内部の空洞説とそこへの探検の可能性を生み出したと
いうこともできそうです。

 

最後に気球空洞説のバリエーションとして、
凹面地球説にも言及しておきましょう。地球は球形だが、
われわれ人類はその内部に住んでいるのであり、地球から見える星や
銀河は、すべて地球の内部にあるのだ、とするものです。
どんだけ地球は大きいんだよと思いますよね。世の中にはいろいろな
ことを考える人がいるものです。では、今回はこのへんで。

 

凹面地球説