リュウグウノツカイ


今日は科学ニュースからです。お題はこれ。
海魚の打ち上げと大地震の発生は関連性が薄く、防災情報としては活用できない
とする調査結果を、東海大の織原義明准教授らのチームがまとめた。
国内ではリュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚の打ち上げや、


捕獲を地震の前兆とする言い伝えが一部にある。
1968年に起きたマグニチュード(M)7・9の十勝沖地震では、
発生3日前にシギウナギが捕獲された記録もある。
海底のプレート(岩板)の微小な動きなどで電磁場が変化し、
深海魚の行動に異常が出るなどとする考え方だが、科学的には証明されていない。

そこでチームは、国内を・日本海側・北海道~関東の太平洋側
・東海~九州の太平洋側・南西諸島周辺・小笠原諸島周辺――の5地域に分類。
1928年11月26日~2011年3月11日で、
深海魚の打ち上げや捕獲が確認された事例を新聞記事や水族館の記録などで調べ、


同じ地域内で、海岸などを震源とするM6以上の地震が、
30日以内に起きたかどうか検証した。その結果、
深海魚が確認された事例は206件あったが、
同じ地域で地震が起きたのは約3%の7件だった。(yahoo news)


自分は、東日本大震災までは茨城県に住んでいて、
サンゴと海水魚を趣味で飼育していました。しかし、震災後の停電により全滅。
それ以後、大阪に引っ越したんですが、飼育は再開していません。
これは主には自宅に巨大な水槽を設置するスペースがないからです。
あと、サンゴの飼育にはたいへんお金がかかるのもあります。

 


サンゴの多くは褐虫藻という藻類と共生していて、
それらが光合成で得た栄養分を利用しています。
ですから、照明のための電気代がものすごく大きいんですね。
水槽クーラーやヒーターなども必要ですし。

それに、自然保護のためサンゴが手に入りにくくなったこともあげられます。
ただ、海水魚飼育だけならそのうち復活させてみたいですね。
海水魚フアンとして、深海魚であるリュウグウノツカイを飼育してみたい、
という夢を持っておられる方は多いと思いますが、


まあ実現は不可能です。水族館なみの超巨大水槽が必要ですし、
そもそも水族館ですら長期飼育に成功したという例はないのです。
(短期間泳がせた例はある)

 



リュウグウノツカイはアカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する
深海魚ですが、それほど深い海域に生息しているわけではありません。
日本の海岸にうちあがるものは3mクラスが多いんですが、
最大で11m、体重272kgの個体が報告されています。

このため古来から、シーサーペント(大海蛇)の誤認例の一つではないかと
考えられています。プランクトン食性で、オキアミなどを餌としており、
食べやすいように、折りたたまれた口が飛び出す構造をしています。
生態についてはほとんどわかってないものの、タツノオトシゴのように
海中で直立する形で浮遊しているようです。

さて、日本の妖怪ともUMAともつかないものの一つに、

「神社姫」または「大神社姫」というのがあり、
「文政2年(1819年)、肥前国のある浜辺に、全長2丈(約6メートル)の、
2本角と人の顔を持つ魚のようなものが現れた。
それを目撃した者に向かい「我は龍宮よりの使者・神社姫である。


向こう7年は豊作だが、その後にコロリという病(コレラのこと)が流行る。
しかしわれの写し絵を見ればその難を逃れることができ、

さらに長寿を得るだろうと語ったという。」(加藤曳尾庵『我衣』)

「神社姫」の絵姿


まあ魚が語ることはないでしょうが、この絵姿を見れば、
これはリュウグウノツカイだったんじゃないかという気がしますね。
細長い体や、頭に角があるところなど共通点が多いという気がします。


リュウグウノツカイの横顔は、海中では人間に見えないことはないですし。
なぜ神社姫という名がついたのかわかりませんが、もしかしたら、
リュウグウノツカイの赤い色が神社の鳥居などを連想させたのかもしれません。

この神社姫はコレラの流行と豊作を予言しましたが、
上記引用のニュースでは、深海魚の打ち上げは地震予知との関連は薄く、
防災情報としては役に立たないと結論づけています。


これは自分もそう思います。定期的に台風や海流の影響で打ち上がったり、
漁網にかかったりしていたのが、最近になって地震と関連づけて

語られるようになり、注目され始めたんじゃないでしょうか。

 



さてさて、古来から、ナマズが騒げば地震が来る、
ネズミなどの小動物が集団で移動すれば
地震の前兆になるなどとも言われてきましたが、
これを確実な地震予知に利用するのは難しいようです。

現在、予想される東海地震に対して、海底プレートのプレスリップ(前兆すべり)
が24時間体制で監視されていますが、それでも地震予知については、
現在の科学技術はそのレベルに到達しておらず、
日本地震学会は「現時点で地震予知を行うのは非常に困難」
という見解を発表しているんです。では、このへんで。