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サイエントロジーの大会

今回はこういうお題でいきます。オカルト論ですね。
これねえ、けっこうオカルトの本質にかかわる話なんです。
まず、疑似科学とは何か。例によってWikiをみてみると、
「科学的で事実に基づいていると主張しているにもかかわらず、

科学的方法と相容れない言明・信念・行為のこと。
似非科学や偽科学などとも呼ばれる」こう出てきます。
つまり、科学という概念がまず初めにあって、それに
似せつつも科学ではないものが疑似科学。

で、科学という概念ができたのは、そう古いことでは
ないんですよね。科学とは、「一定の目的・方法のもとに
種々の事象を研究する認識活動。研究対象または研究方法の
うえで、自然科学・社会科学・人文科学などに分類される」
となっていますが、こういう考え方が出てきたのは

アイザック・ニュートン


19世紀のはじめ頃でしょう。それ以前は、科学も
疑似科学も、宗教も渾然一体となっていたんです。
みなさんはもちろん、アイザック・ニュートンをご存知でしょう。
17~18世紀に活躍した人物で、微積分法の発明、
万有引力の法則の発見で知られていますが、

彼の残された著作には、聖書の暗号解読とか、膨大なオカルト
関連のものがあるんです。ですから、「最初の科学者にして、
最後の錬金術師」と呼ばれたりもします。あと、
チャールズ・ダーウィンが進化論を発表したのが19世紀半ば。



それまで、西欧世界では人間をはじめとする生物は、すべて
神が創造したと信じられていました。当時の知識人の間で、
最初の人類であるアダムとイヴにはへそがあったかどうか、
などということが真面目に議論されていたんですね。

疑似科学の中には疑似医療というのもあります。例えば
そうですね。胃が痛くなったとします。そのときに
① 祈祷や呪文を書いた札を飲み込む。
② 薬草を煎じたものを飲む。 みなさん、①と②の療法の
どっちが信じられると思いますか。

おそらく②と答えられる方が多いんじゃないかと思いますが、
これはわからないですよね。厳密な治験を行って比較した
わけじゃないですから。①と②を1000人ずつに
行ってみて、どっちが治った人が多いのか、当然ながら
そういう研究はありませんでした。

ホメオパシー
dsっv

もしかしたら、薬草にはほとんど効果がなく、ありがたい
ご祈祷によるブラセボ効果以下だった可能性もあります。
何が科学で、何が科学ではなかったか、ずっとわからないまま
長い間やってきたのが人類の歴史なわけです。

ですが、科学という概念ができ、科学の要件は「反証可能性」
と言われるようになりました。「科学的理論は、自らが
誤っていることを確認するテストを考案し、実行することが
できる」といった意味です。また、追試ということもあります。
同じ条件で実験をして同じ結果が出るかどうか。

ダウジング
dcdc

これらをクリアしたものが科学であり、そうでないものは
科学のように見えても疑似科学である。こういう考え方が
出てきたのが、だいたい19世紀の終わり頃でしょう。
つまり、疑似科学というのは新しい概念だということです。

さて、では疑似科学にはどんなものがあるかというと、
まあいろいろあります。まずは錬金術、錬金術の目的が
卑金属から金をつくり出す、あるいは永遠の生命の
水を得るなどのことは、一般的な錬金術の方法論では
不可能だとわかっています。

永久電気の会見をするアントニオ猪木氏


それから医療関係ではホメオパシーなど。あとこれは
宗教に近いかもしれませんが、手かざしによって病気が
治るなどのこと。疑似科学全般には「波動」という言葉が
よく出てきます。これは、生命力エネルギーみたいな意味で
使われることが多いですね。

詐欺的なものでは、永久機関とかもそうです。プロレスラーの     
アントニオ猪木氏が、永久電気に投資していたことは
有名です。記者を集めての公開実験で装置は動かず、後に
機械のボルトが1本抜けていたためと説明されました。最終的には
従来より効率的な発電機ということで落ち着いたようです。

あcscs

みなさんは、「サイエントロジー Scientology」というのを
ご存知でしょうか。稀代の詐欺師とも言われるL・ロン・ハバード
が創始した宗教で、きわめて疑似科学的な内容を含んでいるのが
特徴。その強い営利性から、各国の政府や公安関係との
衝突をくり返してきています。

さてさて、疑似科学についてみてきました。これ、特に
医療関係では現在もたくさんあるんです。〇〇をすればがんが
治るとか。でも、本当にがんが治るのなら、大規模治験をして
その治療法が保険収載されるはずです。おそらくノーベル賞も
もらえるでしょう。では、今回はこのへんで。