dserty (4)

今回はこういうお題でいきます。みなさんは、宇宙生命体と言えば
どんな姿を思い浮かべられるでしょうか。やはり、映画の『エイリアン』
『プレデター』に出てくる怪物のイメージが強いんじゃないかと思います。
ちなみに、この両作、どちらも配給会社は20世紀フォックスです。

『エイリアン』の1979年の第一作は名作でしたよね。SF映画なんですが、
ストーリーの組み立ては、かなりホラー要素が強かったと思います。なかなか

怪物の正体が明らかにならず、少しずつ小出しにしていくところなんかは、
まさにホラー映画の手法です。あと、ただ怪物におびえるだけでなく、
果敢に立ち向かっていく長身の女主人公のリプリーが斬新でした。



これに対し、1987年作『プレデター』のほうは、アクション映画と
言っていいかと思います。SF的なギミックは多くはなく、

人間型異星人プレデターと、肉体派俳優

アーノルド・シュワルツネッガーの対決に主眼が置かれた
ストーリー展開でした。こちらもなかなか面白かったですが、
『エイリアン』を観たときほどの衝撃はなかったですね。

で、自分はかなり早い段階から、おそらくこの2作のシリーズはどこかで
クロスするんだろうと思ってましたが、予想どおりというか、
意外に遅かったというか、2004年に『エイリアンVSプレデター』が

公開され、それぞれのストーリーが交錯していくことになります。

エイリアンとプレデターのハイブリット
キャプチャ

さて、この2作に登場する怪物、生態のモチーフがだいぶ違っています。
エイリアンのほうは、「知的」生命体と言えるかは難しいですね。
その生態の大きな特徴は4つあると思います。一つは「真社会性」を

持つこと。真社会性というのは、同種の中に生殖能力を
持たない個体がいる場合を指します。働きアリ、働きバチなどがそうです。

あと、エイリアンは強酸の体液を持ってますが、アリが蟻酸を持つところ

からの連想かもしれません。次が、おそらく単性生殖を行っていること。
『エイリアン4』で、エイリアンクイーンが他の個体と一切接触しないまま
産卵していました。3つめの特徴は寄生です。エイリアンの卵からは、
カブトガニのような形をした「フェイスハガー」が産まれます。

フェイスハガー
dserty (3)

これが宿主を見つけて体内に吻部を挿入し、幼生を送り込む。ここで

フェイスハガーは抜け殻になります。エイリアンの幼生は宿主の体内で
成長し、一定の大きさになると胸部を破って「チェストバスター」

が飛び出します。スプラッタ的な、映画の見所の一つでした。

まあ、ここまでは、地球上の生物にも見られる特徴ですが、
最後はちょっと違います。彼らは、遺伝子改変能力を持ってるんですね。
宿主の体内に入った幼生は、自分の遺伝子と宿主の遺伝子を合成させ、
それぞれの能力を受け継ぎます。『エイリアンVSプレデター』で、プレデターに
寄生して産まれたエイリアンは、両者の特徴をあわせ持っていました。

チェストバスター
dserty (1)

これはすごいことですよね。もしエイリアンよりも高い能力の生物が

いたとしても、いったん寄生することができれば、その特徴を吸収します。
進化に何代も時間をかける必要がないんです。チェストバスターはほぼ
成体と同じ形で、かなりの速さで脱皮して成長していきます。

一方のプレデターを見てみましょう。こちらは明らかに知的生命体で、
地球人類よりも科学技術が進んでいます。

モチーフは「ハンター+原始部族」でしょう。彼らは戦闘というより、

狩猟をしてるんですね。手強い異星人がいる星に単独で乗り込んで

狩る。基本的に、相手が武器を持っていなければ襲いません。

dserty (6)

このあたり、「丸腰の者は撃たない」という西部劇の掟が転用されているの

かもしれません。また、致命的な病気にかかっている者や、
妊娠した女性も襲いませんし、あと、エイリアンに寄生された者も
襲わなかったですね。そのことが後のストーリーに影響を与えています。

それと、大量殺戮兵器を使用しません。多人数と闘う場合も、さまざまな

武器を使って一人ずつ倒していきます。一度の大量殺戮を行うのは、
自分が自爆するときだけだったはずです。そして、獲物を倒した場合は、
頭蓋骨などを抜き取って記念品に加工します。人間のハンターが、
仕留めた鹿の頭を剥製にしているようなもんでしょう。

普段は迷彩を使用しても、1対1の戦いでは姿を現す
dserty (5)

『プレデターズ』では、ペット?の猟犬も出てきていました。
おそらく、プレデターの種族としての目的が狩りであり、それを中心に

社会が回っているんでしょう。もしかしたら、狩りで闘争本能を
発散させることで、同種間での戦いを防いでるのかもしれません。

プレデターには通過儀礼があります。人間でも、成人になるに際して、歯を

抜いたり、刺青をしたり、単独で動物を狩ったりしましたが、プレデターの
社会では、エイリアンを倒すことがそれにあたるようです。この他にも、
地球人であっても果敢に戦ったものは称賛する。戦いで仲間を助けない、
敗れた場合は自爆する、などの厳しい掟があります。

倒した獲物のトロフィー(記念品)


さてさて、有名な2つの例を見てきましたが、宇宙生命体といっても、
その生態のモデルは地球にあるものなんですね。これは娯楽映画ということを
考えればしかたがありません。相手が、絶対に倒すことができない
不死の怪物だったり、あるいは実体のない精神だけの存在とかだと、
映画であつかうのは難しいですよね。

せっかく高い出演料で出てもらった有名俳優の主人公が活躍できないまま、
人類が滅ぼされてしまうことになります。ですから、
エイリアンの場合は知的な策略をあまり使わないし、宇宙航行できません。
プレデターは大量殺戮兵器を用いない、などの制約が設けられているわけです。
ということで、今回はこのへんで。

dserty (2)