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こんな写真でも、その場にそんな人はいなかったと言い張れば・・・

今回は心霊写真についてのお話をしていきたいと思います。
さて、デジカメ時代になって心霊写真は増えたでしょうか、
それとも減ったでしょうか? これは実は両方の意見の人がいます。
で、自分としてはどっちの意見もよくわかるんですよね。

まず、減ったという人は、フィルムの巻き上げなどの機械的操作が
なくなり、撮影上の事故が減り、そのせいでいわゆる失敗写真が
減ったと考えている人です。確かに昔は、はっきりした2重撮影では
なくても、おかしな光や赤い筋が入った写真が多く、そういうのも
一種の心霊写真として取り上げられることもあったんです。
 

「アステカの祭壇」として話題になった画像、どう見ても失敗写真

台のように見えるのはインスタントカメラのフィルムを巻く部品

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テレビで騒がれた「アステカの祭壇」というのも、まあ、よくある
撮影ミスだと自分は思ってますが、ああいうやつです。
今のデジカメは手ぶれ補正、露出補正とかいろんな機能があり、
しかも現像の必要はないので、現像時の失敗もなくなりました。
ですから、「おかしな写真」は減っているわけです。

逆に、増えたという人は「ありえない写真」のことを言っていると
思います。つまり絶対にそんな場所に人の顔が入るはずがないのに、
はっきり顔としか見えないものが写っている画像。こういうのは
増えたと思います。もう、何を言いたいかおわかりでしょう。
画像加工ソフトの登場ですね。自分もフォトショを持ってて、

フィルムカメラの典型的な失敗例
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たまに時間があるときは画像の加工もやります。ちなみに、写真術が
登場したごく初期の頃から、心霊写真というのはありました。
これは写真というものの特性を考えてみれば当然で、ありえない画像を
作ることが技術的に可能であれば、やりたいと思う人は多いでしょう。
で、もし本物の心霊写真というのがあるとすれば、

デジカメ、フィルムにかかわらず写るんじゃないでしょうか。
これに特に根拠はありませんが、科学技術の違いによって、
霊が写ったり写らなかったりするというのも自分は変な感じがします。
冗談ですが、最初はVHSビデオで登場した『リング』の貞子も、見事に
デジタル化そしてブルーレイ化などに対応しているじゃないですか。

心霊写真作成アプリ
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さて、前にも書きましたが心霊写真の一般論を少し。
デジカメであっても、フィルム撮影であっても、どちらも対象物の光の
反射を写しているのは違いありません。では、心霊写真の霊は、
光を反射して写っているのだから物質なんでしょうか。

ここはさまざまな議論があります。物質だという人もいますし、
霊は光を反射しているのではなく自発光しているという人も。
さらには霊が出しているのは可視光線ではない、という人まで。また、
霊は「念」によって自分の像を写し込んでいるという説もあります。

写真の発明当初からあった心霊写真
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これは、その霊が撮影者に働きかけて「念写」させている、というのに
近い考え方です。ただし、霊が何らかの電波を出しているとしたら、
それにはエネルギーが必要ですね。撮影者に働きかけて念写させるとしても、
情報の伝達ですから、やはりエネルギーが必要と思われます。とすると、
やはり、物理学にかかる物質的な現象なんだと考えざるをえないんです。

さて、加工ではない心霊写真というのも昔からありました。
本当に「霊」とされるものが写っている場合です。実際に写っているので、
写真のプロがいくら調べても、そこにトリックの跡は見えません。
まあ、たまたま通りかかったオバサンが写っている場合もあれば、
意図的に幽霊の扮装をした人を紛れ込ませて写している場合もあります。

画像加工ソフトを使うと簡単につくれてしまう
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よく修学旅行スナップに見られる、手の数が一本多い写真や、
肩に謎の手がのっかっている写真なども、体の他の部分が写り込まない
ようにして、隠れて撮っているものも多いと思われます。これらはいくら
分析しても、光のあたり具合も、デジカメでいえば画素数などの諸条件も
他の被写体と同じなので、加工とする証拠はないんですね。

もしもです、ある人物らが集まって写した集合写真に、霊の扮装を
した人を混ぜておき、全員が口裏を合わせて、「こんな人は
絶対にこの場にはいなかった」と言ったらどうなるでしょう。
その写真に霊(というか、ありえない何か)が写っているという事実を
世間様が信じるかどうかはさておき、証言自体は覆せなくなります。

それは、被写体になっている人物を一人ひとり呼んで、
嘘発見器(最近のものは進歩しているようです)にかけるとかすれば、
その写っているものがニセモノである、とわかるでしょうが、
心霊写真を作って広めただけでは「犯罪とはいえない」ので、本人の
承諾なしに嘘発見器にかけることは、人権侵害となってしまいます。

TBSで捏造と話題になった心霊写真
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ここで一つ、他の霊的なことにも通じるキーワードが出てきました。
「犯罪とはいえない」の部分です。現状では、それで人を騙して金を
儲けるとかでないかぎり、(あとまあ他人の肖像権を侵したりしないかぎり
・・・これは守られてないものも多々見かけますが)面白半分に
心霊写真を作ることは、嘘であっても、とりあえずは犯罪の要件を

構成しません。ですから、世の心霊写真はなくなることはないでしょう。
逆に言えば、もし心霊写真を捏造することが犯罪(懲役20年とか)
になったら(故意ではない失敗写真はしかたないですが)、
少なくとも日本の心霊写真は激減するでしょうね。
その上でどれほどのものが残るのか? ということが問題です。

本物のアステカの祭壇 こちらは怖いです
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心霊に関することは、詐欺などの犯罪と紙一重の位置にあるものが
多いんです。かといって「魂とか天国とか成仏なんて嘘だから、
お寺や教会、神社は人を騙している。墓参りに行く必要はない。」
などと言ってしまうと、これはこれで世の顰蹙を買います。
それは極論であり、信教の自由は憲法で認められていて、
実際に世の中の役に立っている部分も大きいからです。

さてさて、これらのことは、オカルトに関わるものとして、自分も
つねに自戒しています。お釈迦様はたいへん大事なことを言われました。
極端を避け「中道を行く」ということです。
自分のオカルトに対するスタンスも、そうありたいと思っています。

では、今回はこのへんで。