今回はこういうお題でいきます。スピリチュアルは略語で正式には

スピリチュアリズムですね。心霊主義または唯心論と訳されることが多いです。

これを一言で説明するのは難しいんですが、魂および死後存続

 

(人は肉体と霊魂からなり、肉体が消滅しても霊魂は存在し、現世の人間が

死者の霊魂と交信できるとする思想)をその中心に置く、

とでもすればいいでしょうか。では、ここからはQ&A形式のほうが

わかりやすいでしょうか。

 

Q:スピリチュアリズムはどうして始まったの? A:これには2つの流れがあると

考えられています。一つは1848年にアメリカで起きたフォックス姉妹による

ハイズヴィル事件です。もう一つはイギリスでの1858年のダーウィンによる 

『種の起源』の発表です。

 

ハイズヴィル事件の家

 

Q:ハイズヴィル事件ってよく名前を聞くけど、どういう事件だったの?

A:アメリカ、ニューヨーク郊外ハイズヴィルに、メソジストの農夫

ジョン・フォックス一家が引っ越してきました。

間もなくフォックス家の姉妹マーガレット(15歳)と

ケイト(12歳)は、家で原因不明の不思議な物音がするという

 

ポルターガイスト現象を体験し、母親が子どもの年齢などを質問すると、

ラップ音によって回答があり、ラップ音は死者の霊の仕業であり、

姉妹は音によって霊と交信できるようになったとされています。

この他にも様々なことがありましたが、説明しているとそれだけで

終わってしまうため、割愛させてください。

 

Q:ダーウインの発表は生物学上のことなのに、どうして霊と関係するの?

A:いい質問ですね。スピリチュアル関係者でもこのことをわかってない

人が多いんです。それまで、霊や魂については、キリスト教会の専売特許

とされてきました。

 

ダーウィン

 

しかしダーウィンの発表と同時期にネアンデルタール人の化石が発見

されるなどして、キリスト教の権威は大きくゆらぎました。

聖書では神は同時にすべての生物をつくったとされるのに、人間は猿から進化した

(ダーウィンがそういったわけではない)という説が出されたのだから当然です。

 

それで、霊や魂についても科学的に解明できるのではないかという気運が生まれ、

多くの高名な科学者が参入してきました。また、それと同時に多くの霊媒師

(主に女性)が世に出てきたんですね。彼女らは降霊会を主催し、霊を

呼び出すなど活発に活動しました。

 

Q:スピリチュアリズムは日本には入ってこなかったの?

A:欧米に少し遅れて、明治期に日本に入ってきています。こっくりさんも

この時期に流入したウイジャーボードがもとになっています。また有名な

御船千鶴子らによる千里眼事件も、この流れの一環です。

 

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Q:スピリチュアリズムはその後、どうなったの?

A:アメリカでは霊媒師による降霊会が人気を博し、全米を巡回するショーも

開催されました。このときに霊は霊媒師が呼び出すものであるという

認識が広まり、アメリカでは今も各地に霊媒師が残っています。

 

イギリスでは心霊現象研究協会や神智学協会が結成され、神智学協会からは

霊性進化論が発表されました。これは、人は生まれ変わりをくり返す中で

霊格(霊による人格)が高まってゆき、やがて高次の霊になるというような

内容です。イギリスはあまりキリスト教が盛んではなく、あちこちに

スピリチュアル教会があります。

 

Q:「シルバーバーチの霊訓」って何?

A:イギリスのモーリス・バーバネルという心霊主義専門新聞の編集者が、

20世紀前半、シルバーバーチ(シラカンバの意、アメリカ先住民の体を

借りている)という高次の霊から受けたメッセージをまとめたものです。

詳しいサイトがいくつもありますので、参照されてください。

 

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Q:日本でのスピリチュアリズムは今、どうなってるの?

A:けっこうブームなのではないかと思います。死後に天国や地獄に

行くと考える人より、生まれ変わりをすると考える人のほうが

多くなってきています。

 

現代の日本でも有名なスピリチュアリストは多数おり、その人たちの多くは

スピリチュアルは宗教ではなく生き方であり、宇宙的な法則であると

言ってますね。カウンセリング的なことをする人も多いようです。

 

Q:スピリチュアルはこれからどうなるの?

A:その主張には万人を納得させる明確な根拠はありませんし、いくら

宗教ではないと言っても、信じることが大切になってくるのではないでしょうか。

 

さてさて、ということで、大ざっぱにまとめてみましたが、まだまだ言い足りず、

今後に続きを書いていくことにします。では、今回はこのへんで。