今回はこういうお題でいきます。アメリカの都市伝説に
関するお話です。以前に何度か記事に書きましたが、
アメリカの都市伝説というのは、日本とは違って心霊的な
話はほとんどありません。現実の殺人鬼とか、その手の
ものが多いんです。

ベッドの下や車の後部座席に人がひそんでいるとか。
やはり犯罪が多いことと関係があるんでしょう。これに対し、
日本の都市伝説は比較的子ども向けのものが多いですよね。
中には、100kmババアとか、最初からギャグのものも
あります。伝説ですから、その国ごとの世情を反映している。

ちなみに、数年前、ニューヨーク在住の友人と話したとき、
日本では、ニューヨークの下水道には、飼いきれなくなって
トイレに流したワニが繁殖しているという都市伝説があって
それを話したんですが、知らなかったんですね。

大型のオーブン
キャプチャfgn

そのかわりと言うか、ニューヨークの地下鉄では、
ホームレスが勝手に駅から線路脇の空きスペースに入り込んで、
さらに、地下の毒素?で体が溶け出し、それでも生きて

住んでいるみたいな話を聞かせてもらいました。


さて、アメリカでオーブンと言えば「ヒッピーベビーシッター」
という都市伝説が有名です。hippie は1960年代後半にアメリカに
登場した、旧来の価値観に対抗するカウンターカルチャー を
体現した若者のことです。ただ、精神性をよく理解しないまま、
ファッションや麻薬関係のことだけをまねしている者もいます。

アメリカの社会には、子育てにより親がパーティーなどに出席する
のを妨げられるのはよくない、という考え方があり、両親が
そろって出かけられるように、近所のティーンエイジャーに
バイトでめんどうをみてもらうことが多い。また、
ベビーシッターの派遣会社もあります。

ヒッピーファッション 花柄、ヘッドバンド、パンタロン、大型のアクセサリーなど


ある夫婦が外出するため、1歳に満たないわが子をシッターに
見てもらうことになった。1時間後、若いヒッピー風の女性の
シッターが現れ、夫婦は不安を覚えたものの出かけていった。
パーテイ会場で妻が電話をかけると、シッターは「大丈夫、
よく眠っています」と言う。さらに数時間後電話すると、

シッターはろれつが回ってない。妻に向かって「七面鳥は
焼けました」などと言う。あわてて帰宅してみると、シッターは
ふらふらの状態でベッドに赤ちゃんはいない。キッチンで
焦げ臭い臭いがして、まさかと思いながら見に行くと・・・

キャプチャ

まあこういう話です。向うは大きなオーブンをそなえている 
家が多いですからね。このヒッピーを主人公にした都市伝説は
他にもあります。また、この話自体はフェイクなんですが、
殺害目的で起きた事件はあるんです。

1999年、バージニア州リッチモンドで、2つ折りになった
生後一月の幼児の死体がオーブンの中から発見され、犯人は
19歳になる男児の母親でした。育児ノイローゼによる
殺人は日本でもありますが、さすがにオーブンを使った
例はありません。

さて、次に電子レンジ猫の話もご存知でしょう。一人暮らしの
おばあさんが、子どもたちから電子レンジをプレゼントされ、
ミルクを温めるなど何にでも使っていた。ある日、可愛がっている
猫が外で濡れていたのを見つけ、電子レンジで温めた。
猫は当然死にますが、おばあさんは「猫を入れないで」と



注意書きに書かれてなかったとメーカーを訴えた・・・      
これもそういう事実はなく、注意書きには「猫を入れるな」
とは書かれていません。ただし、上の話と同じく殺害目的で
子どもを電子レンジに入れた例はいくつかあるんですね。

2005年、オハイオ州に住む25歳の女性が、生後1ヶ月の
娘を電子レンジに入れて殺害しています。おそらく長い時間では
なかったようで、死体の外見はまったくの無傷。
内部から温められたための高体温で死亡したとみられます。



また、2011年、やはり自分の2歳の娘を電子レンジに入れて
殺害した容疑で、母親が逮捕されています。母親は「てんかんの
発作中で意識がもうろうとしていた」と主張し、幼児は全身の
60%に火傷を負って死亡しており、2分半以上加熱されたと
みられています。裁判がどうなったかはわかりません。

さてさて、ということで、アメリカのそれ系の都市伝説を
みてきました。向うは日本より以前から核家族化が進んでいて、
三世代同居が少なかったので、こういう話ができたかも
しれません。さらに、上記したように子育て文化も違います。

あと、これらのことは、訴訟文化とも関係があります。
アメリカでは、この手の消費者訴訟には企業に対する懲罰の
意味も含まれ、巨額の賠償金が命じられるケースもあるんです。
ですから、それらの中にも都市伝説化しているものがあります。

では、今回はこのへんで。