今回はこういうお題でいきます。オカルト論で
昨日の話とも関係があります。さて、オカルトには
いろいろな分野がありますが、前回はアメリカで
UFO人気が高い理由についてふれてみました。

では、日本はどうかというと、これは一番は占いなどだと
思いますが、それ以外に、心霊もかなり高いんじゃないかと
みています。今は怪談ブームで、youtubeなどの
動画投稿サイトでも、すごく盛り上がっています。

以前から書いているとおり、自分がオカルトの各分野で
最も好きなのはUMAなんですが、これは特殊で、海外では
オカルトとは見られていません。何というか、変わった
趣味みたいな感じなんですね。以前、カナダ人で
オカナガン湖の近くに住んでいる人と会い、



ここぞとばかりに、その湖に棲むUMA、オゴポゴについて
質問をしたんですが、なんとその人は地元なのに知らなかった
んです。まあ、そんなもんなんです。さて、こんなことを
書いていると、それだけで終わってしまうので、
さくさく話を進めたいと思います。

日本で心霊の人気が高い原因、いくつもあると思いますが、
まず一つめは、古くからエンタメ化されていて、
日本人が「恐怖を楽しむ」ということを知っているからでしょう。
江戸時代には、『東海道四谷怪談』など、優れた歌舞伎の
怪談があり、エンタメ化されていました。

芸術性が高い能
「清経」

もちろん「恐怖を楽しむ」という考え方は外国にもあり、
ハリウッドでは毎年たくさんのホラー映画がつくられていますが、
日本のような純心霊は多くない。ゾンビ映画とが、怪人の殺人鬼、
あるいは悪魔が出てくるものがずっと多い。イギリスが
比較的日本と似ていて、幽霊の出てくる炉辺談話の伝統があります。

怪談は明治になって落語に取り入れられ、話芸として発達
していきます。いや、幽霊が出てくるものといえば、室町時代から
能がありますね。さまざまな歴史上の有名人の霊が現れ、
自分の身の上を語りながら舞を舞う。

ただし、これらの怪談が現代と違うのは、仏教の影響を
強く受けていて、因果応報、無常観などが話の軸になっている   
ことです。仏教はいくつもの宗派に分かれていますが、
その死生観は共通する部分も多く、だれもが理解しやすかった。

葬式仏教という批判
キャプチャccc

でも、現代は仏教はあまり信じられていませんよね。たしかに
お盆やお彼岸には墓参りをしますが、じゃあ、死後、
三途の川を渡って地獄や極楽に行くというのを、現代の
日本人のどのくらいが信じているでしょうか。

以前記事に書きましたが、現代の日本の仏教はきわめて
ヤバい状態にあります。葬式仏教という批判がありますが、
街中でどのくらいお坊さんの姿を見るでしょうか。
中には熱心にやってる方もおられるでしょうが、托鉢、
説法、布教・・・ 民衆からかなり離れてしまった気がします。

キャプチャ

さて、こういうアンケートがあります。2008年の厚労省の
もので、信頼度は高いと思います。1958年(昭和33年)
では、あの世を信じる人の割合は20%、死ねば終わりという
人が60%。まあ、この時代は敗戦によって、日本人の
精神文化がいったん破壊されてしまっているので、

この結果はわかります。敗戦時、神風は吹かず、天皇は     
人間宣言をしましたよね。それが2008年のアンケートでは、
あの世を信じる人が38%、ないと思う人が33%と
信じる人が大きく増え、信じないを逆転しています。

キャプチャcccc

で、死後は生まれ変わりをする、という輪廻を信じる人が
多くなってきてるんです。これはスピリチュアルの影響も
あると思われます。では、これが心霊の人気とどう関係が
あるのか。自分もよくはわかりませんが、現代の日本人は

死や死後の世界について語り合う場が、熱心に何かの宗教を
やられている方は別ですが、本当に少ないんです。
昔は、家族が亡くなるのは自宅が多く、一同でそれを
見守ったりしていましたが、今は病院の一室でひっそりと死ぬ。
死は悪いもののように口に出されず、みな語るのを避ける・・・

イギリスには幽霊が出る日本的な怪談の伝統がある
っこいう

一種のタブーとして忌避されるようになったんです。これが
キリスト教圏だと、身の回りに同じ死後のイメージを持つ
人がたくさんいて、ある意味、安心感を得ることができます。
現代の日本人はそうではありませんよね。ふだん健康なときは
死を忘れていて、がんで余命半年などと言われてあわてふためく。

さてさて、長くなってきたのでもう終わりますが、自分が
書いているのは創作怪談です。ところが、「創作なら読まない」
という方は多いんです。「実話」とついていたほうが本やビデオ
も売れます。やはり、死と死後の世界はどうなっているのか、
そういう興味を持つ人が多いんだと思います。では、このへんで。