bbbbbbなk

 

今回はこういうお題でいきます。みなさんは哲学者ニーチェの著作『ツアラトウストラはかく語りき』を読まれたでしょうか? ここで出てくるツアラトウストラは、最近ではザラスシュトラと呼ばれることのほうが多いですね。

 

また音楽家リヒャルト・シュトラウスは、ニーチェの著作に触発されて同名の交響詩を作っています。ティンパニの連打が印象的な曲でした。さて、ニーチェはザラスシュトラの名前を借りて、彼が山から下りてきて自分の考えを語るという形で自分の論を述べています。

 

ザラスシュトラを超越的な賢人(超人)の代表として見ていたんですね。さて、ゾロアスター教は世界最古の宗教の一つとされ、古代ペルシア(現イラン)に起こり、当初はわずかな信者しかいませんでしたが、前6世紀頃にはペルシアで国教化されて急速に広まりました。

 

mmmき

 

創始者は前述のザラスシュトラ。前2世紀に聖典『アヴェスター』が編まれました。教義の大きな特徴は善悪二元論と終末論です。この世の始まりには、善の霊(アフラ・マズダー)が生命・真理などを選び、それに対してもう一方の対立霊(アンラ・マンユ)は死・虚偽を選びました。

 

アフラ・マズダーは、戦いが避けられないことを悟り、戦いの場とその担い手として天・水・大地・植物・動物・人間・火の7段階からなるこの世界を創造したんですね。これに対してアンラ・マンユは、大地を砂漠に、大海を塩水にし、植物を枯らして人間や動物を殺し、火を汚すという攻撃を加えます。

 

しかし。アフラ・マズダーはこれに対抗して世界を浄化し、ついに最終戦争に至るんですね。悪神アンラ・マンユは悪・苦痛・病気・死の根源とされましたが、アンラ・マンユがアフラ・マズダーと同等の立場にいるわけではなく、ゾロアスター教の主神はあくまでもアフラ・マズダーなんです。

 

mmんんbbvv

 

やがて世界の終わりが来て、善と悪の最終戦争が始まります。アフラ・マズダーの後には3人の救世主が現れ、3人目の救世主のときに大決戦をして、善の側が勝利し、その後、信者は新しい理想世界へ転生するというのが大きな特徴です。

 

 儀式としては、最重要のものとされるのが「ジャシャン」です。これは「感謝の儀式」とも呼ばれ、物質界・精神界に平和と秩序をもたらすと考えられています。ゾロアスター教徒は、この儀式に参加することで生きていることの感謝の意を表し、儀式のなかでも感謝の念を捧げるんです。

 

ゾロアスター教の祭司は白衣をまとい、伝統的な帽子をかぶり聖火を汚さぬよう白いマスクをして儀式に臨みます。火、白は光の神アフラ・マズダーを象徴するもので、火を燃やすことは善の勢力に味方することであり、絶やしたり汚したりしてはならないんです。

 

ヤズドの拝火神殿の火

 

これによってゾロアスター教は拝火教とも呼ばれます。さて、ここからは善悪二元論について考えてみましょう。ゾロアスター教においては、神は全知全能であるとされました。だから完全な世界を創ることができるはずなのに、この世に悪があるのは悪神がじゃましているからだ、という立場を取るんです。

 

このことは後のキリスト教などにも受け継がれました。またゾロアスター教では人間の自由意思を認めており、善の側につくか悪の側につくかは一人一人が決めることになります。そして善の側についた者は、悪の側に堕ちないよう戒律を守って、儀式を絶やさないことが求められるんですね。

 

これも便利な考え方なので、いろいろな宗教で利用されてきました。前にも書きましたように、こういう考え方をしないと、この世に悪があるという事実を説明できないんです。

 

ただし、この他にも人間の存在そのものが悪であるという考え方もあります。まあこれは、人間が悪かどうかはわかりませんが、愚かであるのは確かなことでしょう。温暖化の問題を見ても、自分で自分の首を絞めるようなことをやってきました。

 

2020050114154304b.jpg

 

さてさて、ゾロアスター教について見てきましたが、宗教的な要素がすべてそろっていますね。ここからいろいろな宗教が出発したという意義は大きいと思います。ただ、現代の日本人でこのようなことをつねに考えている人は少ないでしょう。まあこれくらいでしょうか。では、今回はこのへんで。