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今回はこういうお題でいきます。節分は太陽暦を基準にしています。1年を太陽の動きによって4つに分けた二分二至(春分・夏至・秋分・冬至)の前日のことをいいます。ですから年に4回あるわけですが、そのうち特に春分の日の前日のものが有名です。
 
また、それぞれの直前の18日間は土用と呼ばれます。節分とは字のとおり季節を分けるという意味です。一般的に春分の日は2月4日のことが多く、節分は2月3日になるんですが、そうでない場合もあります。
 
節分は4回とも季節の変わり目にあたり体調を崩しやすいので、古代から魔を祓う行事が行われてきました。平安時代から宮廷の行事として行われたんですが、現在の豆をまくなどの内容ではなかったようです。
 
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古代においては病気や災厄は邪気が起こすとされ、それを祓うためのさまざまな活動が行われていたんですね。その一つが追儺(ついな)の儀式で、毎年旧暦の大晦日に行われていました。これは翌日の1月1日を立春と考えたためです。
 
これは中国から伝わった行事で、4つの目を持つ方相氏(ほうそうし)が疫病神を祓うんです。ですが、中国由来のもののため、だんだんに方相氏の持つ意味が失われ、不気味な外見から方相氏がじつは鬼であるという逆の形に変化していきました。それがまた年々変化していき、現在は豆を投げて鬼を祓い福を呼び込むという形になっています。
 
最初は方相氏が邪気を祓う形
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また当日の夕暮れに、柊の枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立ててておく地域もあるようです。柊の葉は固くトゲトゲしていて、鰯の頭は目がギョロリとしており臭いも強く、どちらも鬼が怖れるとされるんです。
 
みなさんの中には香港映画の『霊幻道士』シリーズの中で、道士が米、小豆などの五穀をまいて邪を祓う様子をごらんになった方もおられると思いますが、日本ではそれが福豆(炒った大豆)に変わったんですね。なぜ豆を炒るかというと、まいた豆に芽が出ると、たいへん縁起が悪いからです。
 
さて、この場合、節分に使う豆は、前日に炒って枡に入れ神棚にあげておくのが正式。できればお祓いを行うと、なおよいとされていますが、家庭ではなかなかそこまでできないですよね。豆をまくのは家長の役目とされており、鬼は深夜(丑寅の刻)にやってくると言われるので、できるだけ夜にまくのがいいでしょう。
 
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豆をまく前に、鬼を追い出すために戸口や窓を開けます。そして豆をまいたら戸口を閉め、今度は福を呼び込みます。その後、家族がそろって福豆を年齢の数だけ食べます。だいたいこんな手順ですが、神社やお寺では神仏のおかげで鬼はいないとして「鬼は外」をいわない所もあります。
 
あと、最近は節分に恵方巻きを食べるのも流行ってますね。これは、その年の縁起のよい方角が決っており、7つの具材が入った恵方巻きを、その方角を向いて、話をせずに一気に最後まで食べるというものです。大阪で始まったんですが、クリスマスのケーキやバレンタインのチョコのように業者の宣伝の意味合いが強いものですね。
 
どうやってその年の恵方が決るかは複雑なので、ここでは割愛します。豆まきの行事はいろいろな寺社で行われていて、縁起がよいとして相撲の横綱を呼んだりするところもあります。
 
さてさて、節分について見てきましたが、中国由来の行事がかなり日本的に変形されているようです。迷信的な内容が多いんですが、昔は科学的な医療はないに等しく、平均寿命は30歳にもいかなかったと考えられます。
 
そんな中で、季節の変わり目は特に注意が必要でした。この時期を無事に過ごすとともに、1年間の平安を願う行事だったわけですね。ですから、単なる迷信と斬って捨てるわけにもいかないんです。では、今回はこのへんで。
 
恵方巻き
 
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