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今回はこういうお題でいきます。自分はふだんこのブログでは経済の話は取りあつかわないんですが、これに関してはいろいろオカルト分野とも関係があるので、あえてやってみたいと思います。さて、みなさんは行動経済学ってご存じでしょうか?

 

これは人間の行動を経済学的な知見から予測するもので、さらにその行動が市場にどのような影響を与えるかを研究する学問です。なんとなく心理学に似ていますが、違う点としては、市場という概念が含まれていることですかね。

 

行動経済学は経済学の新しい領域として2002年に心理学者のダニエル・カーネマン、エイモス・トベルスキー、そして経済学者のリチャード・セイラーらによって創設されました。ちなみにカーネマンは2002年、セイラーは2017年にノーベル経済学賞を受賞しています。

 

おおおいう

 

行動経済学を説明する場合、よくこのたとえが使われますね。「ある賭けをすると50%の確率で1万円を得ることができるが、50%の確率で1万円を失ってしまいます。さて、あなたはこの賭けをやりますか?」ここで「やらない」と答える人が多いとされています。

 

チャンスは五分五分なのに、1万円を得ることより、失ってしまうつらさを感じる人のほうが多いということですね。こういうのを「損失回避性」と言います。ですから、株や投資に興味がないという人は、この損失回避性が強いといえるかもしれません。

 

こういうことを研究するのが行動経済学。さて、字数もかぎられてますので、ここからは行動経済学でよく出てくる行動傾向について見ていきたいと思います。

 

ハロー効果

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ハロー効果 「ハロー」というのはキリスト像や仏像の頭の後ろから差している光のことで、後光と訳されます。ある商品に対して、権威ある有名な人がそれを推薦した場合、たとえ効果がなくてもその商品を信じてしまう傾向をさします。うーん、これ、インチキ医療なんかでよく使われますね。

 

その医療の宣伝をする場合、退職した大学教授なんかに宣伝に出てもらうと、消費者はこんなえらい人が言ってるから確かだろうと思って、その商品の効果を信じてしまいやすいんです。この場合、元大学教授はお金のために雇われているわけで、必ずしもその商品の効果を信じてなくてもそうなってしまうんです。けっこう怖い話ですね。

 

サンクコスト効果

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サンクコスト効果 英語にするとsunk- cost effectですか。sunkは失うという意味。つまり、それまでにある物にかけた費用がもったいない、という心理が消費者に生まれるという効果です。
 
例えば何かに投資したとします。ところがいつまでもお金が増えない。だけどここでやめたら今までかけたお金がもったいない。そう思って詐欺じゃないかと うすうす感じていても、ダラダラお金を支払い続けてしまう。これも世間のいろいろなところで見られますね。
  
フレーミング効果
 
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フレーミング効果 「フレーミング」とは切り取るという意味で、写真や絵画でよく使われますね。商品の宣伝でも、どこを切り取るかによってその宣伝のよしあしが決ってきます。例えば「この製品は80%の人が満足したと答えています」と言われれば、ああ、いい商品だなと思うし、
 
「20%の人がこの商品には不満を持っています」と言われれば否定的な印象を抱く。これ、最近流行ってますよね。とくにテレビショッピングで「この業界では消費者満足度93%の商品です」とか。さらに最近は「30分以内にお申込みした人にかぎり」なんて言ってます。
 
アンカリング効果
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アンカリング効果 「アンカ」はanchorで船の錨のことです。この効果を一言でいえば、「人は最初に出てきた情報の内容を信じてしまう傾向がある」とでもすればいいか。「通常価格1万円のところ、特別に4999円です」こんなふうに言われれば、人は最初の1万円というところに強く印象ずけられて、
 
4999円が通常よりも高くても「安い」と感じてしまいやすいんですね。それと、人は後から否定的な情報が出てきたとしても、最初に接した情報にしばられやすいんです。ですからオカルト分野では、心霊でもUFOでもUMAでも、最初にそれを信じてしまった人は、あとから「そんなものいない」という話がいくら出てきても自分の意見を変えないんですね。
 
まだまだあるんですが、代表的なのはこれくらいですか。では、この行動経済学って本当に正しいんでしょうか。じつは最近、否定的な意見もかなり出てるんです。同じ実験をしてみたら同じ結果にはならなかった、と言われることが多くなりました。心理学もそうなんですが、再現性に問題があるんです。ですから、行動経済学は実際には使えないことが多いとされてきています。

さてさて、みなさんはここまで読んでどう思われたでしょうか。自分は行動経済学はある面ではいいところをついていると思いますが、それは個人レベルの話で、市場に影響を与えるまではいかないんじゃないかと思ってます。ともかく、企業はあの手この手を使ってみなさんに物を買わせようとしてますので、それにひっかからないように注意してください。では、今回はこのへんで。