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みなさん、おくればせながら、新年あけましておめでとうございます。今年ももう3日目となりましたが、今年の干支は「辰」ということで、辰は龍を表しますので、これを取り上げてみたいと思います。さて、十二支の干支の中で一つだけが
想像上の実在しない動物と言われ、それが辰なんですね。
 
この場合、西洋の翼の生えたドラゴンではなく、あくまでも中国由来の龍として考えます。西洋の竜との最も大きな違いは、龍は翼などがなくても空を飛ぶことができることで、その飛行能力はおそらく超能力的なものだと思われます。中国では、古来龍は皇帝のシンボルとされ、印璽の紐(つまみ)は龍をかたどったものでした。龍にもいろいろ種類があるんですが、
 
皇帝のシンボルとなるのは5本爪(指)の龍です。龍の伝説がいつ、どのように始まったかはっきりしませんが、かなり古い時代からであることは間違いありません。一説には、各地で発見される恐竜の化石が漢方薬の材料とされ竜骨と呼ばれ、そこから龍の存在が想像されたという話もありますし、
 
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もともとはワニであったという研究もあります。また、空を上る竜巻がもとになったというものも。龍の外見は、「三停九似」といわれ、鱗が鯉、角が鹿、腹が蜃、爪が鷹、掌が虎、頭が駱駝、目が兎、耳が牛、うなじが蛇に似ているとされます。このあたり、誰も実際には龍を見たことがなく、既存の動物から姿が想像されたのかもしれません。
 
さて、中国の道教では「4大竜王」の伝説があり、四方の海にそれを守護する竜王がいたが、これが仏教にも取り入れられ、8大竜王になったとされます。龍は天候をあやつることができ、日本でも日照りのときに竜王に雨乞いすることは定番でした。日本の龍伝説が中国由来なのはたしかです。また、龍の存在は東南アジアにも伝わり、身近な存在であったコブラをもとにしたナーガ信仰に姿を変えました。
 
龍の骨格標本 作りものです
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それでは、ここからは龍にまつわる数々の疑問に答えていく形で進めましょう。「龍が好むとされる珠とは何か?」これからいきましょうか。漫画のドラゴンボールのことですね。この珠は「宝珠」と言います。何でも願いがかなう宝の珠とされ、竜王の脳からできているとも言われます。
 
また宝珠はお地蔵さまが持っていることでも知られていますね。(下図)形としては擬宝珠(ぎぼし)によく似ていて、これがもとになったという説もあります。擬宝珠とは、回廊の手すりの欄干につけられた装飾的な雨除けのことで、橋などでもよく見られ、ネギの花に似ています。
 
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「龍と辰はどう違うのか?」これはけっこう難しい話で、「辰」は陰陽五行説からきていて「草木が整った状態」とされます。でも、このままだと動物として想像しにくいので、龍の姿が与えられたとされています。というか、それが決められた当時は龍は実在と考えられていたのかもしれません。
 
「龍は何を食べるのか?」これにはいろいろな説があります。まずは断崖につくられたツバメの巣、高級中国料理の材料ですね。ただ、小さいのでかなりの量を食べる必要がありそうです。あとはアズライトと呼ばれる青い鉱物。しかし栄養はないはずで、どっからこの話が出てきたのかわかりません。
 
「龍はどういう能力があるか?」龍は2つの領域を支配しています。空と海ですね。天を翔けるとともに竜宮城のある海にも潜ることができます。足があるので、陸上も歩けそうですが、陸を歩く龍の話はあまり聞いたことがありません。天候を操ることができ、嵐を呼び雨を降らせます。あと、上記した宝珠で人間の願いをかなえることもできます。
 
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では、最後に「龍は実在するのか?」これも難しい。多くの人は実在しないと考えているんじゃないでしょうか。たしかに、目撃例や写真などはあります。しかし科学的な証拠とされるものは存在してないと思います。ロマンがないと言えばそうですが、まあUMAとはそうしたものなんです。
 
だいぶ前、飛行機の窓から写した龍の写真という画像がありましたが、写っていたのはどう見てもカメラのヒモでした。現実にはいないと考えてもいいのではないでしょうか。そういえば、作家の阿佐田哲也(色川武大)氏の本に、ものすごく太い龍が空を上っていく姿を見たという話が出てきますが、
 
氏は一時期ヒロポン中毒だったこともあり、幻覚だったと本人もわかっているようでした。さてさて、ということで東洋の龍についてあれこれ見てきましたが、今年は年頭から地震だ航空機事故だと騒がしく落ち着いた年にはなりそうもありません。
 
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十二支というのは中国からきたものですが、日本は現在では公式に西暦を採用していて、つまり太陽暦です。で、中国での十二支は春節(旧正月)から始まるということになります。いつも言っていることですが、干支などは太陰太陽暦でこそ意味のあるものなので、どうなのかなあという気がします。もう本来の意味はほとんど薄れてしまっているんでしょう。
 
いずれにしても、今年はおめでたい年であることに間違いはなく、いい年になってほしいと思いますね。龍の精気を借りて、日本復活の1年にしてほしいと思います。ということで、今回はこのへんで。
 
おおおおお