中国の人工月と光害 | 怖い話します(選集)

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今回はこういうお題でいきます。ただこれ、仮定に仮定を重ねた
ような話ですので、スルーされたほうがいいかもしれません。
ただ、自分のように晴れた夜には天測をしている占星術師に
とっては、大きな影響のある内容なんです。

当ブログでは、2018年10月に「人民日報」の記事を引用し
まして、中国の人工月計画について取り上げています。
中国南西部の成都市において、大型反射板を備えた人工衛星を
打ち上げ、太陽の光を反射して直径10〜80キロメートルの
範囲を誤差数十メートル程度で照らすという計画でした。

関連記事  『中国の人工月計画』

その明るさは本物の月のおよそ8倍とされ、夜の町を夕暮れ時
くらいの明るさに照らすことができるとなっていました。
つまり、夜空には、本物の月と人工の月、2つが出ているという
ことになり、夜間の街灯照明代が節約できる。

ISSの軌道
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これは観光資源にもなると期待されていたようで、2020年
打ち上げ予定となっていました。ですが、この2018年の
記事を最後に、後続の情報がぱったりと途絶えてしまいました。
日本のニュース記事だけではなく、中国語で検索しても同じでした。

ですから、ああ、やっぱり中国特有のほら話だったのか、
と思っていたんですが、6日前、ニュースサイト「Hotbak seach」
というところが続報を発表したんですね。ただ、ここからの内容は
機械翻訳で読み取ったものなので、間違いがあるかもしれません。

それによると、どうやら計画は延期され、2022年に3つの
衛星を人工月として打ち上げるということになったようです。
また、打ち上げ場所も成都市ではなく、別の四川省内の
どこかの場所に変更されているようです。

衛星コンステレーションのイメージ
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でもこれ、本当に実現できるものなんでしょうか。というのは、 
計画が発表された2018年当時には考えられていなかった
新たな問題が提起されているからです。ただ、自分は上記したように
天測をしていますので、このことには早くから気づいていました。

「衛星コンステレーション Satellite constellation」という言葉を
ご存知でしょうか。 constellation は星座(星の配置)のことで、
自分にとってはなじみの深い単語です。この語の意味としては、
「特定の方式に基づく多数個の人工衛星の一群・システム。

ISS(国際宇宙ステーション)
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個々の衛星はシステム設計された軌道に投入され、協調した動作を
行うことで、システムの目的を果たす」となっています。
例えば、効率的な通信システムの構築や、GPS衛星の精度を高める
ために計画されるものなんです。2019年からは、アメリカ
スペースX社が大量のスターリンク衛星打ち上げを開始しています。

こう書くと、いいことずくめのようですが、ここで新たな問題が
出てきました。衛星による「光害」です。みなさんはISS
(国際宇宙ステーション・きぼう)をごらんになったことが
あるでしょうか。高度約400km、サッカー場くらいの大きさで、
季節や時間帯が合えば肉眼で見ることができます。

アンドロメダ銀河
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スペースX社では、将来、3万基の第2世代スターリンク衛星を
追加で打ち上げる計画を持っています。その光により、天文観測に
大きな負の影響を与えるのではないかとの懸念が出ているんです。
高度1200km程度を周回する衛星コンステレーションの場合、
夏の季節は一晩中視認できる可能性が示されています。

アンドロメダ銀河や大マゼラン雲のように、比較的広い範囲に
見える天体だと、シミュレーションでは、30秒ごとに
衛星コンステレーションの軌跡が重なることになり、世界中の
天文台に深刻な影響を与えるだけでなく、アマチュアの天文学者
をはじめ、自然に親しむすべての人々にとっての星空を

ハッブル宇宙望遠鏡 これなら光害の影響は受けにくい
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だいなしにする可能性があると指摘されているんです。
うーん、みなさんこれ、どう思われますか。自分はさすがに
星雲の観測などはしていませんが、天測はしづらくなる
だろうと予測できます・・・

さて、最初の人工月計画に戻って、もしこれが打ち上げられた場合、
ある場所の上空にずっといる静止衛星になるだろうと思われますが、
これまでも、夜が明るいと、多様な生物の持つ概日リズムに
影響を与える可能性があると指摘されてきました。

もうすぐ稼働するヴェラ・ルービン天文台
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それに加えて、人工月の見える範囲では、天文観測にも大きな
影響が出ると思われます。はたして、それでも中国の
航空宇宙研究所は実行するんでしょうか。この続報は
出るのか、注視してきたいと考えています。

さてさて、宇宙における光害は難しい問題ですね。たしかに
衛星コンステレーションは便利でしょうが、一方で、多額の費用を
かけ、世界各地で今後何十年も活躍することになる大型望遠鏡の
建設が進められているんです。どう共存していくんでしょう。

では、今回はこのへんで。