うさみみの話 | 怖い話します(選集)

怖い話します(選集)

ここはまとめサイトではなく、話はすべて自分が書いたものです。
場所は都内某所にある怪談ルーム、そこに来た人たちが語った内容 す。

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この間スーパーで買い物をしてたんです。
そしたら若い女性がカートを押していて、その前のところに
2歳くらいの女の子が乗って、足をブラブラさせてたんです。
それが目が青く、わずかに見える髪は栗毛色で、日本人では
ないようでした。女性のほうは純日本人だと思ったんですが。
それと、この暑いのにその子は白い毛糸のぼうしをかぶっていて、
それには10cmほどのうさぎの耳がついてました。思わず、
女性に向かって「まあ、こわいいですねえ」と声をかけてしまいました。
女性は一瞬とまどったような表情をしましたが、
「可愛いって、よかったねー」と子どもの首筋をくすぐりました。

子どもは笑みくずれ、帽子から額に一筋汗が流れてきて
目に入ったようでした。子どもはしきりに目をこすっていました。
それを見て「このぼうし、かわいいけどちょっと暑くないですかねえ」と、
よけいなことを言ってしまったんです。
女性は「ええ、そうですね・・・」と曖昧な表情をしました。
そのとき、子どもが顔をこすっていた手を上げ、
それにひっかかって、ウサギのぼうしがずれたんです。あごヒモで
留められていたぼうしが後ろ頭に脱げかかり、前頭が見えたんですが、
うさぎの耳の中から、つるんと何かが出てきました。

ツノ・・・だと思いました。5cmほどの大理石のような質感のツノが、
子どもの生え際のやや上に2本あったんです。
巻毛の髪の中から生えているように見えました。
女性はあわててぼうしをかぶせ直しましたが、うさぎの耳とツノがずれて、
毛糸の間からツノの先が少し見えていました。
ちょっとの間があり、後ろのほうで外国語の大きな声がしました。
とても背の高い外国人の男性が私を追い越していき、
買い物カートをつかむと、くるっと後ろ向きにして、
そのまま押して遠ざかっていきました。女性も外国語で何か言いながら
その後をついていきましたが、その外国人の男性は、Tシャツ姿なのに、
黒くて分厚い毛糸のぼうしを頭にのせてたんです。

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