さぶいよ~! 腹減ったよ~! | 士は己を知る者の為に死す

士は己を知る者の為に死す

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主従関係は、征服支配よりも理解


2014年11月15日 別府観光港にて



水温18.5℃



先週に、色々とありまして、僕としては珍しく、つるんで釣りをすることに。



前々から、港では顔を合わせ、見知った仲だった釣り人の一人が、「一緒に釣りをしよう」と言い出した。

「申し訳ない。僕は、三度の飯より好きな釣りでも、早起きはしない」
「もちろん、俺達が歩み寄る。夜釣りに行きます」
「わかった。じゃあ、一緒に夜釣りしましょう」


って、軽く約束したつもりだったのだが、相手は大真面目だったらしく、その知り合が「今日は何処ですか?」と電話。


場所と時間を伝えて「現地集合ってことで」



さてさて、当日は北東の風が、結構吹いてます。こう言う風のときは一番の場所があるのだが、その岸壁は今日水産庁の船に占拠されていて竿出し不可能。もうひとつ風に強い場所があるんだが、そこは大人数では入れないのでNG.



泣く泣く、向かい風のこの場所を選んだのですが、ここも沖側半分が防波堤の新設工事用資材の置き場になって立ち入り禁止。



それでも、僕が着いた時刻には誰も居なくて、十分なエリアだったのだが・・・



どん詰まりの角に釣り座を構えて釣りを始めると、ファミリーが一組、親子が一組やって来たかと思ったら釣りを始めてしまった。



他に、いっぱいファミリーが好みそうな場所があるのに、何で?



どうやら、僕が釣り人を引き寄せてしまったらしい。「あんな道具をいっぱい持ってきてる人が釣っているんだから、きっとここは釣れるに違いない」ってね。



自慢じゃないが、僕の釣り座は道具でいっぱいだ。いや、チヌを釣る人の一般的な道具の数なんだが、兎に角広げ散らかすので、道具の数が多いように見えるだけなんだが。




後からやってきた知り合い其の壱は、ファミリーと親子を挟んだ向こう側の端で竿を出すしかなかった。その次に来た知り合い其の弐は、ファミリーとアベックの間に入った。





メンバーが揃ったところで、僕の目の前に工事の潜水師を乗せた船が帰って来て係留。さすがにそれでは魚とやり取りをするスペースが無いので、そのポイントを捨て移動。丁度、ファミリーが諦めて帰ったので、知り合い其の壱と知り合い其の弐の間で釣り再開。




右斜め前から風は吹くわ、最初の場所は船に邪魔されるわで、出だしから躓きっぱなしの本日、これから先が思いやられる。





初っ端にチャリコを一枚釣って以来、たま~にウキが動き、たま~に餌を齧られる。水温が20℃を切った先週から、めっきり雑魚の姿が消えてしまいました。
















グレやチヌ、真鯛の幼魚は水温が下がると、深場に落ちます。冬の主な餌取りは、河豚とゼンゴ(鯵の幼魚)。こいつらは低温に強く、海水温が10℃くらいになっても、たまに食いつきます。




餌取りを極端に嫌がる人がいます。しかし、黒鯛がうじゃうじゃ群れている状況ではない現在、餌取りがいなかったら、一日に数回しか浮子が沈まない事になります。そんな退屈な釣り、ぼかぁ嫌だな。退屈すぎる。



餌取りが浮子を沈めるから、飽きずに釣りができる。



そして、其の時はやってきた。知り合い其の壱がメイタを釣って、そろそろかなと思っていたら、スッと浮子が沈み、海面から50センチ位の所でじっとしている。心の中でいつつ数え、道糸を巻き取り竿を立てると「キタ!キタ!キタ~~~~~~~~~~~!」ギリギリ30センチのメイタちゃ~ん。




いつもの足元よりちょい遠目。餌取りがギリギリ出ていかない距離を流して、一枚目ゲット。























知り合い其の弐は、僕と同じ位の距離を流しています。それは、過去に何度もその距離で僕が釣るのを見ているから。知り合い其の弐はかなり遠投しています。



釣り人には「沖の方が大物が釣れる」と言う概念があるようです。



それが正しいのか、間違っているのかは分かりませんが、場所により大物は足元に居る。と、僕は考えています。



沖では、360度。上下を考えれば、全方位を警戒しなくてはなりません。海は弱肉強食の世界ですから、油断すれば、食べられる。岸壁のコンクリート壁の近くであれば、警戒しなければならない方位が半分になる。コンクリートの壁の中からフィッシュイーターが顔を出して食べられるなんてことはありません。特に大型の鱸なんかは、壁の近くにはいないので。



大型のチヌってのは、それまで用心深かったから生き残れたわけで、その修正は一生抜けないと想像します。



従って、岸壁のチヌは、岸壁のコンクリート壁に沿って移動する。ってのが、僕の持論。その理論でこれまでたくさんのチヌをゲットしてきてるので、それは間違いないと思います。ただ、それを人に押し付けることはしませんがね。



釣りの楽しみ方は人それぞれ、好きなように釣ったらよろし。










夜になり、潮下の知り合い其の弐は、穴子を連荘しています。折り良くやってきた自転車のじっちゃんが、「ありがとう」と、レジ袋に入れている。



しかし、こちらと知り合い其の壱には全く食いつかない。



魚が、反時計回りで回遊しているか、穴子の巣は、陸近くにあるのか、原因は定かではないが、知り合い其の壱のみが入れ食いで穴子を釣っている。



そう言えば、昔、師匠に「北半球の魚は、反時計回りで回遊するらしい」と言ったら「そげなこたぁねぇ!」と即座に否定した。「して、その根拠は?」「根拠も何も、そんな法則があるはずがねぇ」と、根拠の無い反論。どちらも証拠が無いので延々の水掛け論。



どちらが正しいのか結論は出ないのだが、一言言っておいた「根拠も無く否定するのが師匠の悪い癖。それが、皆から疎ましく思われる原因やでぇ」「はい」




20時過ぎに、知り合い其の参が仕事を終えてやってきました。


「本当に竿と仕掛けだけ持って来たよ」
「かまへん かまへん 撒き餌も刺し餌もたっぷりあるがな」
「じゃあ、お言葉に甘えて」



と僕と、知り合い其の壱の間で竿を出す。




さて、21時を過ぎると、知り合い其の弐は時間切れ。「明日、仕事なので」と帰って行きました。




暫くしてのこと、今度は私が入れ食い。しかも獲物はゴンズイ。




棘で刺されたら、痛い痛い魚です。ハリスを切ってポイ!ハリスを切ってポイ!段々ハリスが短くなります。




ちょいと遠目を流すとか、餌を底から浮かせるとかすれば、ゴンズイや穴子をかわすことはできます。しかし、餌取りが少なく、当りが少ない今夜。ゴンズイでも穴子でも浮子を沈めてくれれば楽しい。




そんなドMっぷりを発揮しながら、ゴンズイと遊んでいたら、運命の出会い5分前。




それまでと同じように、時々数センチ浮子が沈みます。



「またまた、ゴンズイリーチですぅ」



なんて、冗談飛ばしていたら、スッと浮子が沖に向かって沈みました。



焦らず、騒がず糸を巻き。糸ふけが取れたところで竿を立てると結構な重量感。



「本命?」
「めっちゃでかい鯔かも?」
「まさか、赤いビッグママ?」
「まぁ、その可能性もゼロじゃない」



魚は、沖に向かってぐいぐい行きます。道糸3号、ハリス2.5号の太仕掛け。



「糸は出さんそぉ・・・」



ギシギシ



ギシギシ



竿が軋みます。




「いよいよチヌじゃねぇな」
「エイなんじゃない?」
「いや、それはない」




魚は、数分竿を軋ませてグロッキー。




直前に仕事を終えて見に来た知り合い其の四が、タモを持ち上げ「すくいま~す」




内心、「タモ入れまでが釣りなんやけどなぁ」と、思いながらも、するに任せます。



「思いっす。結構、デカいっす」
「おや、そうぉ?」




地面に下ろしたタモの中には、タモ枠一杯の御チヌ様・・・


「デカい!」
「デカい!」
「デカッ!」
「デカいっす!」



タモ枠が直径50センチなので・・・今年初の年無で~す!








写真がひどくてすんまっせん。













「やっぱ、際っすか?」
「際でしたねぇ」
「やっべ、俺も際流そう」





結局、夜釣れたのはその一枚だけでした。






勝ち逃げは御法度




ってことで、釣った人間は「帰ろう」と言ってはいけないのが、暗黙のルール。




僕は、今年初の年無を釣って、大満足なんだが、釣り仲間は「俺も釣りたい」と思っているに違いない。





まぁ、全身防寒着の僕はいいのだが、知り合いその参は、ブルブルと振るえ、時々岸壁の上を走り回っている。




が、彼も帰ろうとは言わない。




24時前にとうとう僕の撒き餌が切れ、「帰りましょう」と、禁断の一言を発してしまった。







足元で、ドカンと一発大物を釣る釣りを見て、彼らの考えは変わっただろうか?









大物は、沖じゃなくて足元。






もちろん、沖で上手に撒き餌の溜まりを作ることができれば、沖でも釣れるし、全てのチヌが壁際大好きとは限らないかも知れない。



選択肢のひとつとして記憶してくれればそれでいい。







余談ではあるが、今日の朝礼で社長が「釣りを始めました」と言っていた。何を釣っているのかは知らないが、「馬鹿にチヌは釣れないぜ」と心の中で呟いたのは他言無用に願いたい。