雨の土曜日に電話が鳴った。
「ついに壊れたわぁ・・・」
「あら~」
「電源入れたら、ピーピーって鳴って、それっきり」
「わかりました、後で見に行きます」
釣りの師匠の大きなお世話で、居酒屋の大将のパコソンをお世話することになったのは三年前だっただろうか?
マージンを取ると、責任が生じるので、金銭には一切絡まない。まったくのボランティアである。
さて、昼過ぎに居酒屋兼住居に行く。パコソンの電源スイッチを押す。ピーピーと内臓のブザーが鳴る。それからは、うんともすんとも。
「南無阿弥陀仏」
「そうですか」
「成仏されたようです」
「仕方ないですな」
「はい、覚悟はしておりましたので」
「で、どうします?」
「ネットで買った方が安いでしょ?」
「ですなぁ・・・じゃあ、適当なのを見繕って、また明日来ます。今日は、夕方から前の会社のOB会なので」
「宜しくお願いします」
雨の日曜日
「こんにちわぁ」
「ファイル、取っちねぇにぃ!」
「はい、はい!たまたま、僕も同じタイプのパコソンを買ったので、今日は、それを持って来ました。運が良ければ、簡単に取り出せるでしょう」
「お願いします」
壊れたパコソンのハードディスクを抜き取り、僕のパコソンに挿入。電源ボタンをポチっとな!
「おぉ!立ち上がりました」
「すげ~、そんなことができるんやなぁ」
「たまたま同じメーカーのパコソンを買っていたのでラッキーでした。で、どのファイルを取り出しますか?」
「娘がiポッドで聴いてる音楽が入っているのでそれを全部、あとはマイドキュメント」
「了解!では、これを、ここにドラッグして・・・ありゃ」
「どうかしました?」
「USBメモリーの容量がたりません・・・マイミュージックの容量は・・・13GB!」
「え!」
「こりゃあ、無理ですわ。入りません(圧縮なんかしたら、この人達はパニック)」
「じゃあ、買って来ます」
「行ってらっしゃい」
「16GBのがあったから、買ってきました」
「了解!では、再び、これを、ここに、ドラッグして・・・27分」
「え?」
「コピーに27分かかります」
「じゃあ、風呂に行ってきていいかな?」
「ど~ぞど~ぞ、留守番してますから」
「ただいまぁ!先生、終わった?」
「まだ、やってます」
「え~!!!!!」
「もうちょっとで終わります」
「終わったぁ」
「お疲れ様でした」
電源を切り、ハードディスクを抜き取り、元のハードディスクを挿入。電源ボタンをポチっとな。
「昨日、見た中で、これが一番いいんじゃないかと思いますが」
「あぁ、値段は、8万弱ですか」
「はい、これだったらCPUの処理能力も十分だし、画面もこれと同じ17インチですから」
「でも、この外付けのモニターも使えるんですよね?」
「使えますよ」
「だったら、本体のモニターは少し小さくても、値段が安いやつを」
「あぁ、なるほど。このシリーズだと、15.6インチと14インチがありますよ。値段は・・・」
「じゃあ、15インチの奴にしましょう」
「了解」
そこへ、娘さん、帰宅。
「あんた、これに入っちょる音楽ファイル、消したらいかんち、言いよったよな?」
「スマホに換えたから、もう、そのファイルはいらん」
「え!?」
「・・・」
「・・・」
チャンチャン!
「じゃあ、金曜日に届くので、来たら、セットアップに来ます」
「宜しくお願いします」
機械音痴の一家、毎回振り回されるけど、笑える。
さて、Windows8のスタート画面、スキップしてデスクトップを表示することができるだろうか?