2013年05月25日 日出の港にて
前日、昼からサボって釣りに行き、日中20センチ弱のメイタを二枚ゲットするも、夜は沙漠。きっと産卵に行ったに違いないと合点して、本日は産卵場(浅瀬で藻が生えている)の近くの小さな港に出撃!
浚渫しなくなった港なので、年々浅くなり、最近では干潮時に海底が丸見え。捨石にはびっしりと藻が生えて、干潮時には7メートルのタモでさえ藻の向うに届かない。そして、砂地であったはずの海底には、何と言う海草か分かりませんが、緑色の風船状の藻がびっしり。
最近は人気が落ちた防波堤で、夕方、エギンガーが来るものの、チヌ釣り人はめっきり減ってしまいました。
駐車場からの距離はさほどではないものの、重い荷物を持って狭い足場を落下の恐怖と戦いながら進むのは勇気がいるもの。そして、数年前にボート屋が道の途中にスロープを作り、落下の危険性が倍増。
主と言われた私でさえ、年に数回しか行かなくなりました。
さて、荷物を運び終えたのは午後の4時。干潮は3時でしたが、底は丸見えです。
先ずは、人間に給餌です。ゆっくりと飯を食い、のんびりと一服。
随分と日が長くなりました。午後の5時になっても、燦燦と日光が降り注ぎます。未だ、海底が丸見えですが、ボ~っと海を眺めるのにも限界があります。釣れない覚悟で仕掛けを入れ、撒き餌を撒きます。
30分もすると、小魚が群れています。おそらくは掌サイズのクロ(メジナ)です。オキアミではひとたまりもなく、練り餌にしますが、これも沈む途中で食われてしまうようで、全く当りが出ないまま餌はありません。
来る途中、別の場所で釣っていた仲間の釣りを少し見学しました。仕掛けを投げ入れ撒き餌を撒く。暫く浮子を眺めていますが、痺れを切らして仕掛けを回収。餌はありません。浮子はピクリとも動いていません。
「河豚に食われたかなぁ?」
「違うな」
「鯵とかやったら、当りが出るやろ?」
「河豚でも当りは出るやろ!」
「せやけど、河豚は板状の歯で餌を齧るから、浮子が動かんのとちゃうんかい?」
「あんた、これまで、散々、河豚を釣ったやろ?」
「釣ったよ」
「浮子は沈んだやろ?」
「沈んだよ」
「ってことは、河豚でも当りは出るってことじゃないの?」
「そりゃあ、まぁ・・・じゃあ、何が餌を食いよるんかえ?」
「たぶん、ゼンゴ(鯵の子供)じゃろ」
「ゼンゴ?ゼンゴじゃったら、それこそ浮子に当りが出るじゃろうが!」
「仕掛けが馴染む前に餌を突付かれたら当りは出らん」
「まさかぁ」
「嘘じゃと思うんなら、チモト(針の結び目)ん所にB位のガン玉打っちみんさい」
「そげな大きなガン玉を打ったら、浮子が沈んでしまうがね」
「そんだけ浮子トップが出ちょっち、どうしてBぐらいのガン玉で沈むかね」
釣り仲間、私の言葉には耳を貸さず、仕掛けを変えないまま、餌を取られ続けます。
ハッキリ言って、この人、下手糞です。海の中理論的に推理する事ができない。その上、ベテランと言うプライドが邪魔して、人の忠告を素直に聞けない。
だから、こう言う時は、間が必要です。
暫く、浮子に当りが出ることもなく、餌を取り続けられるのを眺めます。
彼の中では、私の言葉がどんどん大きくなって、ガン玉を打ちたくてたまらないのですが、それをプライドが阻止します。ここで、もう一押し
「騙されたと思うて、チモトにガン玉打ってみんさい」
「えぇ・・・」
「駄目なら、はずしゃあいいでしょうが」
「うん・・・まぁ・・・そこまで、言うなら」
末っ子は、二三回背中を押してやらないと、その気にならない。
渋々と言う体で、チモトにガン玉を打ち仕掛けを投入し・・・が、一向に浮子に動きがありません。
勝ち誇ったようにこちらをチラ見する釣り仲間。
しかし、ガン玉を打った殻と言って、必ず当りが出るわけではありません。魚の目の前に投げ込めば、沈む前に食われてしまいます。
「浮子に当りが出らんなぁ」と言いながら、仕掛けを回収します。
「あ!ガン玉がねぇ。ちゃんと付けたんじゃけどなぁ」
再び、チモトにガン玉を打ち、仕掛けを投入します。すると、仕掛けが馴染んだ直後、ひったくるように浮子が消えました。
「お!当りが出た」
それから、数回に一度は当りもなく餌を取られ(投入時に飛んで行った可能性もある)ましたが、格段に当りが出る確率は上がりました。
「当りが出ない、餌が無い。そう言う時は、刺し餌が沈む途中で魚に食われちょる。素針じゃあ魚は釣れん。チヌの目の前に餌を持っていく工夫をせにゃあ」
「でも、当りが出ても魚はゼンゴじゃ」
「沈む途中で餌を食われりゃあ、絶対にチヌは釣れんでしょうが」
「まぁ、そうやけど・・・」
御前の言う通りにしたけど、チヌは釣れんじゃねぇか!と、言いたいようだが、そこまで責任は持てない。
さて、日中は、クロ一匹のクサフグ一匹。まぁ、浅い所なので、夜が勝負!暗くなったら、産卵に来たチヌがバカスカ釣れるに違いない。
「・・・」
こちらも、夜の海は沙漠でした。一年中居るクサフグも、夜の常連ゼンゴもいません。
おかしい、何故だろう。
ん?、そう言えば、昼間は、クサフグもゼンゴも居た。夜になって居なくなるってのは・・・
そこで、はたと気が付いた!「酸欠だ」
昼間は、植物性プランクトンや海草が光合成で酸素を作るが、こいつらも夜は酸素を消費する。
温かくなって、植物性プランクトンが爆発的に増えた。そして、それを餌にする動物性プランクトンも爆発的に増えた。魚の産卵により稚魚も増えた。死んだプランクトンの分解には酸素が必要だ。
諸々の条件が重なり、いま、海は酸欠状態なのではないか?
そして、河口に集まる魚達。これまで、奴等はてっきり餌を求めて河口に集まっていたと思っていたんだが、その割りに食い気がないのを不思議に感じていた。もし、酸素を求めてやってきているなら、食い気が無いのも納得できる。
これは、あくまでも私の想像・・・いや、妄想に近いかも知れない。でも、
「可能性はゼロじゃない!」
さて、これを踏まえて、来週は何処で竿を出そうか!

