久々の40オーバー | 士は己を知る者の為に死す

士は己を知る者の為に死す

男は自分を理解してくれる人の為なら命を懸けて尽くす

主従関係は、征服支配よりも理解


2012年11月24日 別府観光港にて







朝の10時過ぎ、携帯電話がメールを受信。その受診音で目が覚める。


「誰だ!こんな時間に」


メールの送信者は釣り仲間。
「今日は、観光港で竿を出します」



ふふ~ん、淋しいから、早く来い!ってか?



生憎、おいらは独身貴族。休みの日は洗濯やら掃除やら・・・ま、掃除はずっと放棄したままだが、洗濯はやらねばならない。と、言っても、前日に予約して寝ているので、起きた時、洗濯は終わっていて干すだけなんだけどね。



仏壇にお茶と線香を上げ、朝飯(カフェオレとカロリーメト)を喰い、新聞を読む。お腹がグルっと鳴ったら爆弾を投下し、洗濯物を干して、いざ出陣。



昨日、行く途中で雨が降り出し挫けたが、荷物は積んだままだったので、着替えたら、直ぐに出られる。




釣り場に着くと、仲間が満面の笑みで迎える。俺に会えたのがそんなに嬉しいのかと、ちょっとセンチになったのだが、指を四本立てた右手を突き出している。


「なに?」
「へへぇ~」
「どうした?」
「よ・・・」
「4匹?」
「違う」
「は?」
「40センチ」



ちょっと大きいのを釣ると、すぐに天狗になる。しかも、俺の先週の情報を聞いてここに来たくせに。



是非ともこの鼻をへし折ってやりたいものだが、サイズばかりは時の運。しかも、釣り仲間は一番いい場所に陣取っているので、これを攻略するには、かなりの幸運が必要だ。



まぁ、竿を出さないことには始まらないので、とっとと仕掛けの準備に取り掛かる。先ずは、最近マイブームの棒浮子全遊動仕掛け。至ってシンプルな仕掛けだが、投入時に仕掛けが絡まるのが玉に瑕。


30分ほど遊んでみたが、たまに餌がなくなるけれど、棒浮子に反応なし。


浮子が沈まないと、すぐに飽きてしまうおいら。使い慣れた2.0号の萱浮子半遊動に仕掛けを替える。すると、三投目に馴染んだ浮子が、す~っと沈んで姿を消した。リールを巻いて糸ふけがなくなると、巻くのに合わせて竿が曲がる。魚の体重を感じたところで、ゆっくり竿を立てると、竿を叩く独特の感触が伝わる。



めちゃめちゃ元気ででかいと思ったのだが、掬ってみれば33センチ。ナイスな型なんだが、今日はどうにも40オーバーが欲しい。



士は己を知る者の為に死す-2012_11_24  33センチ




横で、仲間がニヤリと笑う。自分のより小さかったので余裕の笑みってやつですかぁ?




続けて喰うかと思ったら、その後さっぱり。どうにも最近のチヌは群れてない。単独行動がお好きなようで。魚も人間界の影響を受けるのでしょうか?




「もしや、喰いが渋いのでは?」と、3Bも半遊動に変更するも、こちらは全く浮子が沈まず。



「やぱり、萱浮子の方が感度がいいよねぇ」と、2.0号の萱浮子半遊動の仕掛けに戻す。さっきまで3Bだったので、ブンと投げた仕掛けが、ちょいと遠めに飛んでしまったが、大雑把な性格故「まぁ、いっかぁ」ってことで撒き餌を被せる。



久し振りに煙草でも吸いますか!と、火をつけ、のんびり萱浮子の先端を眺める。



「嗚呼、何とのどかな昼下がり」



おいらが使っている萱浮子の先端は細い。細い細いプラスチックの棒だ、遠投するとよく見えない。



が、その細い細い浮子の先端が、ちょこんと沈んだかと思ったら、一度浮き上がった後に、ずぶずぶと沈んで消えた。



何度、目を凝らしても、海面上の浮子トップは見えない。



やわらリールを巻き、竿が曲がり、竿を立てる。ドラッグが軽快な音をたて道糸が引き出される。魚の行きたがる方向に竿を倒し、何度も何度も方向転換をさせて足元まで寄せると、魚は最後の力を振り絞ってケーソンの中へ逃げ込もうとするが、海中に竿の先端を突っ込んでそうはさせない。



やがて体力を使い果たした魚は、海面にポッカリ!



「でけぇ!」
「にゃはは」
「50オーバーじゃやね?」
「そんなに大きくはないでしょう!」
「いや~、でかいよ」



メジャーで計ってみたら44センチ。




士は己を知る者の為に死す-2012_11_24  44センチ







「ま、こんなもんでしょう」
「いつもの事ながら帳尻を合わせるなぁ」と釣り仲間がぼやく。




表面上は平静を装っているが、内面は嫉妬でめらめら燃えている。が、そこは二人とも大人を通り越した爺。笑顔で悔しさと余裕を表現する。




結局、それが最後の一匹となり、ちょいと夜釣りをしてみたが、いつもの穴子に針を呑まれて納竿と、相成りました。