役柄を楽しむ | 男の滑走路

男の滑走路

日々の出来事を徒然に・・。

先日、とある出版社の方とお話ししていた時のこと。


「Dragonさん、この前、Sさんにお会いしてインタビューしたんですよ。Sさんがおっしゃってましたけど昔、一緒にお仕事してたんですってね。世間は狭いですね~。○月○日号の『~道~五年後の自分を描く』って特集にSさんのインタビューが出てますから、是非お読みになってください」と。


毎号読んでるけどSさんが出ているのは知らなかった。


会社にあるバックナンバーを読んでみたら確かにインタビューが掲載されていた。


Sさんは私が最も尊敬している方の一人。今はコンサルティング会社の社長になられている。


入社二年目から五年目までの間、私はSさんの下で会計パッケージの開発をやっていた。自分の仕事の礎はこの三年間にあったといってもいいだろう。そのうち一年半、Sさんをはじめ10人くらいの開発メンバーと南大井のオフィスで寝食を共にした事は今でも忘れられない経験だ。


本当に毎日、会社に泊まっていた。夜10時くらいにオフィス近くの銭湯にいって、11時からニュース23見ながらペヤング。その後、午前2時くらいまで仕事して寝て翌朝は8時半くらいに起床といった生活を一年半続けた。


見かねた当時の部長がすごく高価な寝袋をプレゼントしてくれたっけ。


自分たちで設計だけじゃなくプログラミングもしたんだけど品質はボロボロ、納期もタイトだから、リリースまではかなりきつかったけれど毎日合宿をやっているようですごく楽しかった。


だからSさんが会社を辞めるときはとてもショックだった。


インタビューには当時、管理職になるのが嫌だったから転職したと書かれている。「労務管理や予算管理に追われる人生は嫌だった」と。確かに管理職になるとそんな仕事に追われる毎日だ。今の自分は正にそう。


当時の自分は視野が狭かったとSさんは振り返っている。「管理と現場両方やればいい、結果が出れば自分流でいいじゃないか」と40歳手前で思ったそうだ。


そんなSさん、部下と接する上で、自分ならこうするんだけどなぁと比較しそうになる時はダメダメと自分に言い聞かせている。


俺ならこうするよ・・・これは自分もよく言ってしまう。


そしてSさんは部下に常々「Have fun」「何事も楽しもう」と言っているそうだ。困難にぶつかったとき下を向いていては余計に辛くなる、上司がしかめっ面で怒ってばかりじゃ社員はますます気が滅入る、だからみんなには楽しもうと言っていると。


自分は今週何回怒っただろう。怒る時はすごくエネルギーを消費するから何となく回数も覚えている。しかめっ面などはしょっちゅうだ。


何事も楽しもうと社員に言い続けているSさんは、ご自身も社長の役柄を楽しんでいるとおっしゃっている。そして5年後どんな役になったとしても、その役を楽しむことは忘れないようにしたいと結んでいる。


1ページのインタビューだけれども今の自分にはすごく響いた。直接自分に宛てたメッセージのような気がしてならなかった。俺は役を楽しんでいるだろうか?


ここ数年、Sさんとは一年に一度お会いするくらいなのだけれど、来週のイベントには来ていただけるのでお会いできるのがとても楽しみでならない。