2024年春アニメ『終末トレインどこへいく?』を観ました。
評価に困る作品。
つまらなくはないけれど、面白いかと言われると、「う~ん」となります。
物語として破綻してはいないと思うものの、諸要素がカチッと嵌まっていない感じがします。
どうもスッキリしません。
放送開始前は、終末世界を電車で旅する女の子のヴィジュアルに、郷愁とワクワクの入り混じった期待感を抱いたのですが……。
ふたを開けてみたら、思ってたのとちがいました。
世界変容の原因と結果が予想外すぎました。
上か下かはわからないけれど、斜め方向にズレていたのは確実です。
ストーリーは、端的に言えば、主人公の女子高生が友達とケンカして仲直りする話だ。
そもそも論になるけれど、これをトンデモな終末世界を舞台にしてやる必然性があったのかという疑問が湧く。
終末世界は何かのメタファーになっているような気がしないでもない。が、小道具を上手に使えば、現実世界を舞台にしても、メタファーを散りばめることは可能なはずだ。
どうせ非現実的世界を舞台にするなら、『Sonny Boy』くらい意味不明な方が考察のし甲斐があるのだが、「終末~」の具合だと、中途半端な感じがして、考察意欲がそそられない。
メインキャラクターがストーリーを牽引する力が弱い気がする。
主人公が能動的に行動し、困難を乗り越えるところに、ドラマが生まれ、視聴者はそれを見て面白いと感じるものだ。
ところが本作の場合、電車で移動しているせいか、どうにも能動的に行動している感じが薄い。
電車は池袋までの一本道の線路を走っているだけなので、主人公たちは能動的に行動しているというより、受動的に運ばれている印象になってしまっている。
一番能動的だったのは、電車に乗って池袋に行く決断をし、出発するくだりである。
あとは成り行きの感が強い。
各駅で降りかかる困難に対しても、「受け身の対応者」として振る舞っている感じがつきまとう。その困難が、彼女たちが能動的に行動した結果として出現した困難ではないからだ。行く手をさえぎる対抗勢力との相克はドラマになるが、行く手をさえぎる倒木をどかす作業はドラマにならないのと同じ理屈である。
「敷かれたレールの上を走っているだけの、一見つまらない人生にも、予想だにしない波乱は起こり得るし、未来は確定していない」みたいなメッセージが、電車移動という設定にはこめられているのかもしれない、と思わないでもない。でも、そんなメッセージ、ないのかもしれない、とも思う。やっぱり、どうにも中途半端な感じが否めないのである。
とはいえ、心に響くシーンやエピソードがなかったわけではない。
ホラー演出はなかなかだったと思う。
キノコ人間やゾンビに襲われるところは怖かったよ。
小っちゃい自衛隊に捕まって、ガリバーよろしくヘリのローターに縛られて、回転させられるシチュエーションは、リアル寄りに想像したら、かなりの過酷さだろうに。JKになんてことするんだ! ドSの私はよろこ 心優しい私は胸が痛くなりました。
『練馬の国のアリス』の世界と化した大泉学園のエピソードにはハラハラさせられたし、エピソード単体としてみれば、よくできていたと思う。
「各論」では光る要素があるのに、「総論」になるとその光が霞んでしまうのが、本作の不可解かつ残念な点である。
あ、OPとEDの楽曲はよかったです。

