『30デイズ・ナイト』をレンタルにて鑑賞。
吸血鬼映画。
2007年、アメリカ公開。2009年、日本公開。
ストーリー:
アラスカ州最北部の町、バロー。
人口152人のこの町は、冬になると30日間太陽がのぼらない極夜におおわれる。
その時期を狙って、獰猛な吸血鬼の集団が町を襲った。人間狩りの始まりであった。
狡猾な吸血鬼たちは、人間の手先を使い、あらかじめ通信手段と移動手段とを破壊しておく周到さを備えていた。
住民のほとんどが吸血鬼の餌食となったなかで、わずかながら生き残った者たちがいた。
町から脱出もできず、救援も呼べない状況で、彼らは極夜が終わるまでの30日間を生き延びることができるのか――?
設定がよかったです。
吸血鬼映画のラストって、朝日によって吸血鬼が滅びるというのが、定番のひとつとなっている感がありますが、極夜という設定が、それを最初から否定しています。
この設定ひとつで、オチが予想できなくなりました。
吸血鬼が一人か二人なら、これを退治して終わりですが、敵はザッと見た感じ、少なくとも十数人はいます。画面に映っていないだけで、実は数十人かもしれません。
これを全滅させて人間側が勝利、という展開も苦しそう。
どうまとめるんだろ、この話。
オチが読めないのは面白さの重要なファクターだと再確認しました。
本作の吸血鬼は、知能を持った猛獣といった印象。
魔力や超能力は使わず、フィジカルの強さでひたすら暴力的に人間を襲います。
紫外線ライトで火傷を負うので陽光に弱いのは確定ですが、十字架やニンニクが効くかは不明。多分、効かないんじゃないかな。
こういうキャラ造形だと、物語はホラーというよりはスリラー寄りになりますわな。
ヤバい奴に見つからないよう、隠れたり移動したりのドキドキ感が、視聴者が味わう感情のメインとなることでしょう。
物語に終始、緊張感がただよっているのは佳き。
主人公まわりの人間ドラマもあるにはありますが、そちらは薄めで、対吸血鬼に比重を置いた構成は成功だったと思います。
ラストが少々あっけなかったことを除けば、特に不満な点はなし。
面白かったです。