大雪海のカイナ(全11話) | 物語の面白さを考えるブログ

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『大雪海のカイナ』視聴完了!!

 

いや~、面白かった。

安心して見ていられるジュブナイルSF冒険ファンタジーでした。

いい意味でコンパクトにまとまっていて、よかったです。

 

主人公のカイナが、スーパーヒーローではない点が、個人的に好感触。

それでいて、きちんと決めるべきところでは決めてくれる。ちゃんとヒロインのピンチを救うしね。

彼自身に何か特別な力があるわけではないのに、ちゃんとヒーローしている。

文字が読めたり、「樹皮削り」というロストテクノロジーを所有していたりするけれど、それは彼をヒーロー足らしめる本質的な要素ではありません。

彼がヒーロー足り得る所以は、その心映えにあります。

「リリハが帰りたがっていたから」という理由で、彼は生まれ故郷に別れを告げ、二度と帰れないであろう旅に出たのです。

守るべきもののために、おのれの大事なものを差し出す――これこそがヒーローの要件です。

カイナは、特に悲壮感もなく、誇るでもなく、ごく自然に要件を満たしてのけました。

こんなことされたら、視聴者は彼を好きになりますって。

主人公の仕事は、視聴者に好かれることです。カイナは見事に仕事を果たしました。

こうなってしまえば、あとは、視聴者はカイナとともに冒険の結末を見届けるだけです。

 

ロボ! こっち見んな。怖いってばよ。

「建設者」の腕に、弐瓶勉ワールドでおなじみの「東亜重工」のロゴを発見したときは、クスッとした笑いと妙な感動が湧き上がりましたよ (∩´∀`)∩ワーイ

それにしても、フルパワー樹皮削りが役に立つだろうことは予想できましたけど、出力の大きさは予想外でした。ビーム太すぎだろ。

 

アトランドとバルギアとの戦争は終結したものの、「軌道樹」や「雪海」が存在する世界になった理由は解明されず――と残念がっていたら、劇場版の予告が流れてビックリ。

謎はそちらで明かしてくれるのね。これは観にいかねば。

10月の公開が楽しみです。

 

 

他の方の感想などをチェックすると、弐瓶勉版「ナウシカ」という評をチラホラ見かけますが、私はそれに加えて、「シュナの旅」味もあるかなと感じました。

「シュナ」では、土地が貧しくて作物が育たない故国を救うべく、穀物(小麦)の種を求めて、主人公が旅に出ました。

「カイナ」では、涸れゆく水を求めて、「大軌道樹」を目指します。

ちょっと似てる気がしません?

「シュナ」でたどり着いた「神人の土地」は恐ろしい場所でしたが、「大軌道樹」はどんな所なのでしょうか。

予告PVには「建設者」がいっぱい映っていましたね。ロクな場所ではなさそう……。

 

これ、監視装置であるような気がするんですよね……。

デザインの愛らしさに反して、ロクな仕掛けじゃなさそう……。

 

どういう結末になりますか。

ハッピーエンドだといいな。