『さらば銀河 1』を読みました。
本当は『さらば銀河』の1巻なのだけど、1巻で中断したまま永遠に2巻以降が上梓されないことが確定しているので、『さらば銀河 1』というタイトルの小説だと思うことにしました。『レディ・プレイヤー1』という映画もあることだし、いいでしょ、別に(よくない)。
著者は栗本薫先生(2009年逝去)。
表紙・口絵・本文イラストは、最愛なる美の絵神、いーのまーたむつみ先生。もとい、いのまたむつみ先生。
1987年発行。角川書店。
内容紹介:
主人公は、銀河政府が生み出したサイボーグ超戦士。名はブルー。
辺境星区における外宇宙生物との戦闘で、部隊を全滅させられ、ひとり生き残った彼は、ひとときの安息を求めて惑星クロノポリスに降り立った。
「ブルー。あなたを探してた」
忽然と現れたひとりの美しい女。オリヴィア・ハート。
ひとめで上級市民とわかる彼女が、武骨なサイボーグ戦士を求める理由とは?
二人は恋に落ちた。
しかし、彼女のついた、たったひとつの嘘が、二人の関係を悲劇へ誘うのだった――。
著者の言葉によると、
これは「銀河系でいちばん強い戦士」と「銀河系でいちばん美しい女」との、銀河系さえ破壊してしまうほどの、「この世でいちばん激しい恋」の物語になるはずです
――なのだそうだ。
2巻以降が未刊なので、「なるはずだった」が、今となっては正しいのですが。
昔、一度読んだのだけれど、結末に到る細部がどうしても思い出せず、モヤモヤしたので、古本を購入して再読。
ああ、そうか。
ブルーは嘘が許せなかったんだっけ。
文明から遠く離れた辺境星区で、命懸けでエーリアンとの戦闘をくり返す彼にとって、もっとも重要なのは〈真実〉である。
「嘘」は生命の喪失に直結しているからだ。
〈真実〉は、それが「最悪」であっても、彼を欺かない。欺かれなければ、生存に向けて、最良の判断と選択とが可能となる。
しかし、「嘘」はダメだ。「嘘」は「最悪」を隠蔽する。気付いたときは手遅れとなる。
だからブルーは〈真実〉を重視するのだ。
「嘘」をもたらす者との間に、信頼は結べない。
しかし、女は嘘をついた。
恋した女心のゆえに。
出会った瞬間から、ブルーは彼女に嘘を感じていた。
直観である。
しかし、恋に落ちた。
あらがえない引力――
それが恋というものなのだろう。恋とは、するものではない。落ちるものだ。
女の嘘が露見したとき、その引力によって、彼の魂は引き裂かれてしまった。
恋人のついた嘘でなければ、軽侮の一瞥をくれて背を向けられただろうに――。
哀しいね。
しかし、この結末が序章とは。
続きが書かれていたら、どのようなストーリー展開になったのだろうか。
どうして続刊が出なかったのだろう。売れなかったのかな?
ブルーの正体が不明のまま中断とは、何とも酷なことだよ。
超戦士は、サイボーグ手術を受けたとき、それ以前の記憶を封印される。戦闘に不要という理由でだ。
彼らの出自の大半は、社会不適合の犯罪者か、志願兵である。
しかし、ブルーの前歴は、そのようなものではないと、オリヴィアは告げた。
サイボーグ戦士の前歴の記憶は、銀河政府の管理する機密事項となっている。
当人ですらもアクセスできない。
オリヴィアは何故それを知り得たのか?
ブルーの秘密とは?
気になるけれど、物語の続きが書かれることは絶対にないと、わかりきっているんだ。
哀しいね。
