◇第11話◇ 暗示 | 物語の面白さを考えるブログ

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沼鬼との戦いが続きます。

この「沼鬼編」と、次の「珠世編」は、

炭治郎の戦いの〝基本設定〟を説明する章です。

 

冒頭、鱗滝さんの解説により、鬼舞辻無惨の名が初登場します。

人間を鬼に変えることが出来るのは、ただ一体のみ。

千年以上前、はじめて鬼になった者。

それがすなわち、炭治郎の家族の仇である。

 

この話により、炭治郎には、鬼舞辻無惨の捜索という

目的が与えられることとなりました。

それゆえに、単に沼鬼を滅すのではなく、

鬼舞辻の情報を聞き出そうとします。

 

三人の沼鬼が、すべて同じ匂いであったことから、

一人の鬼が三体に分裂していることを、炭治郎は看破します。

 

上弦の陸・堕姫は、着物の帯の姿をした分身を作っていました。

週刊連載で現在交戦中の半天狗は、頸を斬られるたびに

分裂し、分身を増やしていきました。

鬼は分裂・分身が可能である――

この設定は、上弦戦になって唐突に出てきたものではなく、

初期のこの時点で、すでに、読者の前に開陳されていたのでした。

読み返して味わうこの驚き。

 

そして、禰豆子の参戦。

眠っている間、鱗滝さんの暗示によって、〝人間を守れ〟と

教えられた禰豆子が、戦いの場に立ちます。

炭治郎は、妹を守って戦うのではなく、

禰豆子とともに戦う――基本フォーマットの完成です。

 

――物語の構成の解説はこのくらいにして、

この回の見どころを申しましょう。

 

ずばり、背後から炭治郎へ襲いかからんとした沼鬼を、

禰豆子が蹴り飛ばすシーンです。

背中の箱から、女の生足が生えている――

この妖しさたるや。これぞ伝奇物語。

箱から地におりた禰豆子が、少し前かがみなのも、いい。

妖々とした気が立ちのぼっているようで、大変よろしい。

それから、沼鬼の被害者である男女へ向けた眼差し――

男女の上に、亡き弟と妹の姿がかぶる。

妖しい雰囲気が一転、切ない哀しみで胸が張り裂けそうな

透明さに変わります。

炭治郎の〝長男力〟ばかりが注目されていますが、

禰豆子が長女であることを忘れてはなりません。

鬼舞辻に襲われた禰豆子は、末子の六太を守るように

覆いかぶさって倒れていました。

家族を喪った哀しみを背負っているのは、禰豆子もまた同じ。

 

禰豆子、いざ、戦いの渦中へ!

 

続く。

 

 

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