9月25日 日曜日の早朝に船舶事故で急逝したマイアミ・マーリンズのエース ホセ・フェルナンデス投手24才の追悼試合が、一昨日9月26日 月曜日におこなわれました。この日 Gordon 選手は正に神がかり的なことをやってのけました。彼はチームの一員でもあるイチロー選手に似た、コンパクトにバットを振り抜く安打量産型のリードオフマン (一番打者) です。ですからホームランはシーズン終わりの今になっても今年は一本も打っていませんし、最後に打ったのは去年のシーズンの初めでした。
Gordon 選手は、この試合のマーリンズの先頭打者として亡き朋友フェルナンデス投手に哀悼の意を表する意味で、彼のヘルメットを被り打席に入ります。他のチームメイト同様に16番の背番号と Fernandez と名前の入ったユニフォームを着ています。本来は左打ちなのにフェルナンデスと同じ右バッターボックスに一球だけ入りました。この初球を見送ると、おもむろにベンチに帰り自分のヘルメットに替え、今度は本来の左バッターボックスに入ります。さらに2球を見送った後、なんと自分の打撃練習でも打ったことがないというほどの、ライトのアッパーデッキ (2階席) に届く特大の先頭打者ホームランを放ちます。
この日の Gordon 選手は、この後3本のヒットを放ち4打数4安打。球場に駆けつけた人たちも Gordon 選手の言うように、神が降臨する様を見た気がしたのではないでしょうか。マーリンズは7対3で勝利。我らのイチロー選手も代打でバッターボックスに立ち、レフト前にヒットを打ってフェルナンデス投手に捧げることができました。
キューバから野球をするためだけに15才の高校1年生の時にアメリカに亡命して来たホセ・フェルナンデス投手。彼のピッチングはもう見られません。24才での旅立ちは、誰にとってもあまりに急でした。試合開始前に大型スクリーンに彼の何枚もの思い出の写真を映し出しながら、いつもの "私を野球に連れて行って" の曲がジャズっぽく流されました。マイアミまで私も出かけて行ってこの追悼試合に立ち会いたかったですね。