3月も終わって4月に突入してしまいましたね。

 

3月の読書は1冊目の『私の男』がきつかったので、その後ずっと軽めになってしまいました。

大体ブログにアップしていると思います。

 

 

 

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

 

私は本屋大賞にノミネートされているタイプの作品はあまりリアルタイムでは読まないのですが、

今月はこの『リカバリー・カバヒコ』を読みました。

実は青山美智子さんの作品を読むのは初めてです。

青山さんは最近はとても人気のある作家さんですよね。

 

新築のマンションの近くにある児童遊園のカバの遊具(カバヒコ)は自分の治したいところと同じところに触るとそこが治るという噂がある。

連作短編の形でカバヒコをめぐるストーリーです。

勉強に行き詰まった高校生や引っ越してきてママ友に馴染めない幼稚園ママ、ストレスで仕事を休んでいる女性などなど、

悩みのある人々が描かれています。

 

重すぎないところがむしろリアルというのか、こういう悩みの一つ二つはみんな持っているだろうと思う。だからこそ共感しながら読めるんだと思う。

こういう作風ならば多くの人に好かれるのもよくわかるし、昨今はこういう感じの作品って多いと思う。

癒し効果のある作品なんじゃないかと思う。

 

 

 

男が砂漠に見たものは。大晦日の夜、女が迷ったのは……。
彼と彼女たちの「生」全体を映し出す、一瞬の輝きを感知した33の物語。

男はその朝、サウジアラビアの砂漠に雪を見た。大晦日の夜、女は手帳に挟み込む緊急連絡先の紙片にどの男の名を記すべきか思い悩む。「今」を生きる彼もしくは彼女たちの、過去も未来も映し出すような、不思議な輝き方を見せる束の間の時……。
生の「一瞬」の感知に徹して、コラムでもエッセイでも、ノンフィクションでも小説でもなく、それらすべての気配を同時に漂わせる33の物語。

 

 

沢木さんの作品は大好きなのでこれも再読です。

かなり昔の作品なのだけれど、時が流れても人間の基本的な何かって変わらないんだなと思う。

紹介にもありますが、コラムでもエッセイでもノンフィクションでも小説でもない味わいがある。それは読んでもらえばきっとそう感じると思う。

基本的に有名人ではない普通の人々のことが描かれているのに、まるで小説のようにドラマティックに感じる。人ってみんなそれぞれのストーリーを生きているんだなって実感するような作品です。

沢木さんの取材対象に対する優しい眼差し、節度のある距離感がなんとも言えずに心地よいです。

 

さて、4月は何を読もうかな。

現実はなかなか私をワクワクさせてくれないけれど、本は芳醇な王国だと思う。

エンタメにはエンタメの良さがあり、純文には純文の良さがある。

何を読むかとっても迷う。