性犯罪者たちの弁護をし、度々示談を成立させてきた悪名高き弁護士の小諸成太郎。ある日、彼の九歳のひとり息子が誘拐される。だが、小諸は海外出張中。警察は過去に彼が担当し、不起訴処分となった事件の被害者家族を訪ねるが……。この誘拐は怨恨か、それとも身代金目的か――。ラスト一行まで気が抜けない、二転三転の恐怖の長編ミステリー。
この続きがまだあるのかどうか知らないけれど、依存症シリーズです。
私は『殺人依存症』を読んでグロすぎてこれは精神的な拷問だと思ったので『残酷依存症』は裏のあらすじを見て無理だろうと購入しませんでした。
なので依存症という単語だけ繋がっているのかと思っていたら登場人物も続いていたんですね。『監禁依存症』を読んで初めて知りました。
しかしそれにしてもなんで『監禁依存症』を買ったのか自分の心が謎です。
『監禁依存症』は悪徳弁護士の息子の誘拐事件と、女子大生の架乃の話が交互に描かれていきます。
意外と淡々としていて盛り上がらないといえば盛り上がらないし、話が進まない気がしていたら最後の50ページくらいがすごかった。
そこまでがそのための助走みたいなものです。
それにしても悪徳弁護士が酷すぎて腹たつ。
もちろんフィクションなので誇張してあるにしても、現実でもこんな奴の刑がこんなに軽いってあり得ないって思う事件があります。
被害者がきちんと守られている感じがしない。
そういう悪徳弁護士の描き方が上手い。
弁護士も政治家もみんな善人だと思っちゃいけない、どっちかと言えば悪人だと思っていた方がいい。
こんなことがまかり通るならば私刑があっても仕方ないのではと思わされてしまう。
少なくても私はこいつはデスノートに名前を書いておこうと思うことは時々あります。
そんな気持ちにさせられた上でのラストなので自分の立ち位置がどこにあるのかとグラグラしてくる。
自分はどこに立ってご立派な事を言っていられるのかと思うし、架乃の気持ちもよくわかる。
そんな苦々しいラストでした。
それにしても『殺人依存症』が辛くて記憶喪失になって内容をほぼ忘れてしまったので、このシリーズは一気に3冊読んだ方がいいような気がする。(きついけど)
そして本の表紙がまた3冊ともきつい。