森博嗣の撮る写真は、無機的で静謐(せいひつ)で孤独だ。しかし、寂しさはない。それらの写真は、撮影した視点、人間の存在を語っている。森博嗣の目で世界を見ることができる。その特異な視点からのインスピレーションで綴られた25の超短編からなる異色の作品集。2001年に限定版で出版された幻の一冊、待望の文庫化!
へー、限定版の文庫化だったんですね。
ちっとも知りませんでした。
森さんはじめ多くの推理作家には熱烈なファンがたくさんいらっしゃるようで、その上その熱烈さが目に見えやすい。
何事においてもものすごく熱烈な気持ちに触れると私はちょっと引いてしまいそうになる。
例えば私には推しがいるけれど、もう長年応援しているけれどそれでも超熱烈とは言えないと思っている。推し活動をする自分を別の自分がどこかから冷めた目で見ていてバカなの?って言っている気がいつもしている。
それが私がいろんな事に夢中になれない原因だと思う。どこかから私を見ているもう一人の私。
とはいうものの、それでも私も森博嗣さんが好きです。
森先生の小説はあまり読まないけれど、エッセイは読むし集めている。
一度くらいは森先生が動いているところも見てみたいなあくらいの気持ちはある。能力が高く、頭が切れて、その作品を多くの人に愛され、お金を稼ぎ、そして悠々自適に暮らしている(これは私の想像)そんな森先生を尊敬している。
さてこの作品は森先生の撮った写真と約1ページのショートショート(?)で構成されている。
そのために中身に触れる事は難しい。
へーこんなこと考えてるんだなって思うような上質な皮肉たっぷりの作品やガチガチの理系であろうのにエモい感じの作品など、森先生オンパレードという感じでした。
森先生はやりたくないことをする事があるんだろうか?きっとないだろうなあと想像する。
良い意味でやりたくない事をしない人間という気がする。
世の中は悪銭で好き勝手をしている人間はたくさんいると思うけれど、森先生はクリーンな稼ぎできちんと自分のやりたいことだけをする生活を築いているような気がする。
なんだか想像ばかりになってしまうけれど、森先生は私の憧れの作家さんだから仕方ない。
書下ろし人気エッセィ、ついにシリーズ第12作登場!
「楽園」とはどんな場所なのか?/
ついていないな、と思ったことはないが、運が良いなとは、いつも思う/
その人にとって満足できる金額を所有している人を「お金持ち」という/
AIは答えることしかできない
さて、森先生のクリームシリーズの最新刊です。
ついに第12作目ですね。
相変わらずそうなんですよと膝を打つような文章ばかりで少しも勢いが衰える事がない。
自分は弱い人間で壁にぶつかると絶望したり、嫌なことに感情的になったりとそんな事が多いのですが、絶望やメソメソすることになんの意味がありましょうか?
森先生は投げ出さないことを教えてくれる作家さんです。
冷静であること、客観的でいられることによって社会と折り合いをつけそして解決法を見つけベターな生き方をする。
それを私は森先生のエッセイから学びました。
色んな事を気づかなかった切り口から語ってくれる作家さん。
だから尊敬してやまないのです。