どんどん本が読めなくなっている事に驚く。
6月は9冊読了です。
内容(「BOOK」データベースより)
満月の夜だけ開店するレストランで、焚き火を囲んでお月見をしたり、急遽思い立って、三崎港へのひとり大人遠足を計画したり。ベルリンでは、語学学校に通って予習と宿題に追われ、束の間の休みは、ご近所さんとホットワイン片手にクリスマスマーケットを梯子する。自分の気持ちに素直に、日々を自由に自然体で生きる著者による人気日記エッセイ。
人気作家の小川糸さんの日記エッセイです。
私は小川さんのエッセイは初読みでした。というのは私は特別の小川糸さんの作品が好きというほどでもなくて、むしろちょっと引っかかる感じがあるのでそこまで一所懸命は読んでこなかったんですね。小川さんの小説にあるクセが私にはピンとこない。
一般的に多数派に人気のある人は普通は意外とクセがないものです。エッセイでいきなり小川さんと母親の関係が語られていて、ああそうだったのかと思いました。私の勝手な感想だと思いますが、小川さんの小説の人間関係、たとえば『食堂カタツムリ』の主人公と母親の関係とか、なんとなくすんなり読めないものがあったんですが小川さんのバックグラウンドだったのかもしれませんね。
エッセイ自体はほんわかしていて非常に読みやすい作品です。食もたくさん取り上げられていてそれも小川さんの人気の秘密ですね。
『ぷかぷか天国』は結構な分量がドイツでの生活の話でそれがまたよかった。エストニアやラトビアへの旅行話もとても羨ましい。日本のような島国とは違って短時間で海外旅行できてしまうのがヨーロッパですね。たくさんある小川さんの日記エッセイですので他の作品も読んでみたいと思います。
〈振り向いてくれたけれども「がんばれ」はたぶん自分に言った言葉だ〉――。残業続きで恋人に会えない夏の日々、文芸部の美少女と何も起こらなかった高校時代、今も発熱し続ける叶わなかった夢……。短歌の背後にはいつも、淋しくて優しいストーリーがあった。日常の小さな感情を温かな筆致で描く、短い歌と短いストーリー。オオキトモユキの筆による、ユーモラスで少し悲しい絵物語も同時収録!
この本は昔から持っていたんですが、読んでみたらやっぱりいいです。枡野浩一さんの短歌は好きです。歌人と言えば穂村さんも好きですが、穂村さんはどちらかというと私は文章の方が好きで、升野さんは短歌そのものが好きです。
升野さんはなんとなく色々と問題もありそうでそばにいたら扱いづらいかもだけれど、センチメンタルさはピカイチです。
しかしこの本のタイトルですが、私はずっと『淋しいのはお前だけじゃない』なんだと思い込んでいてこの度初めて『淋しいのはお前だけじゃな』なんだと知って長年にわたる勘違いにびっくりしてしまいました。
内容(「BOOK」データベースより)
けん玉が上手かったあいつとの別れ、誕生日に自腹で食べた高級寿司体験、本が“逃げ場”だった子供の頃のこと…朝日新聞の連載で話題になったエッセイのほか、「受賞の言葉」や書評も収録。魅力全開の、初エッセイ集。
山崎ナオコーラさんの初期のエッセイ集です。とにかくタイトルと表紙が好きです。
内容はあおくて独りよがりなところもあるような気がしますが、そういう我がなかったらプロの作家さんなんかしてこれないんだろうなとも思います。
取り上げる題材の中では恋愛の話が好きだったな。あおさと独りよがりがぴったりなテーマだと思うし。
「小説は哀しみにくれる人を救うことはできない。ただ、寄り添うことはできる」。
2011年3月11日の東日本大震災で自身が被災した際に著者が語った言葉だ。大切な人を失い哀しみのただ中にいる人、人生の希望を失い悲嘆にくれる人・・・・・・そんな人たちの哀しみに寄り添う、伊集院静の傑作短編集。
物語の登場人物も連れ合いや我が子、家族を失いながらも、前を向いて歩こうとする。そんな姿が読者の心に小さな希望の光を灯すことを願って。
伊集院さんの以前発表されている短編を集めた一冊です。
私は伊集院作品が好きなので読んだことがあるのに買ってしまいました。いやいや古いだろ?とか今の人はこんなじゃないとか言われてしまえばそれまでですが、古い日本にも良いところはいっぱいあったんですよ。人の心の情に触れるとtwitterなんて汚らしいと思ってしまいます。
「家」はいつもそこにあり、なにも言わず受け入れてくれる
駆け落ち、逃亡、雲隠れ。訳アリの人々が住まう「家」を巡る連作短編集。
郊外に建つ古い借家。植物が鬱蒼と生い茂るこの家には、人生に行き詰まり、逃げてきた人ばかりが住み着く。年上の常連客との不倫の果て、駆け落ちした飲み屋の雇われママ。信者の死体を遺棄した罪で、公安に追われる新興宗教の元教祖。――安息を手に入れたはずの住人たちはやがて、奥底に沈む自身の心の澱を覗き込むことになる。傷ついた人々が、再び自分の足で歩きだすまでを描く連作短編集。
ある古い家を巡る連作短編集です。
これはめちゃくちゃタイプでした。彩瀬さんは何度か直木賞候補になっていますが文章を読むとすごく純文学の香りがする。
割と突拍子もない設定の話が続くんですが、ものすごく心を奪われてしまいます。
悲しいようなそれでいて再生の希望があるような、目に見えるものの話であるようでいて目に見えないものと繋がっている。
たまらなかった。読み終わりたくない感じ。
まだお若いし、これから絶対にもっと来るって感じがします。
さて7月8月と更に読書ができる気がしないくらい暑さに弱っています。
最近はエッセイとノンフィクション、ドキュメンタリー的な本ばっかり手元に揃えていますので、7月はそんな傾向で読むかなと思っています。
