8月読了は16冊でした。
個人的な評価の星をつけていますが、
なかなか良かった、十分満足というのは…
村上春樹の『バースデイ・ガール』
イラストと文章が高め合っていて村上ワールドに浸ることができた。
『歪んだ波紋』 塩田武士
塩田作品は読んだことがなくて、本来ならば『罪の声』から読むべきなのかもしれないけれどなんとなく購入した。
新聞記者をめぐる短編連作で面白いし、タイムリーなんだけれど暗い気分になったな。
ずいぶん前から新聞って歴史的な使命を終えたんだろうなとさえ思っていたんだけれど、だからってネット記事よりはまともであってほしいと思う自分もいて…考えがまとまらない。
8月読んでよかった1ミリの後悔もなし、人に勧められると思ったのは…
『名画と読むイエス・キリストの物語』 中野京子
これは万人にお勧めできるくらいの素晴らしい出来でした。
キリスト教の新約聖書の部分を客観的に教養として名画を通してわかりやすく解説している。
読み終わるのが勿体無いくらいの感覚で読みました。
個人的には人間としてこの世に遣わされたイエス様の苦しみと覚悟に心を揺さぶられました。
ちょっと今のタイミングに宗教の話とはどうなの?っていうのがありますが、宗教には意義があると思っている。
仏教であれキリスト教であれ学ぶに値する、しかしカルトは別問題であってああいうものはただの詐欺であってマルチと同じでほぼ犯罪みたいなものなんです。
自分の頭で考えなくなるように導くものは全て間違いであって、騙す人も悪いけれど自分で考えるのを放棄する人の行動も私は賛成できない。
しかし人間とは弱い生き物なんですよね。
それはわかっている。
もう1冊大変気に入ったのは
『純喫茶』 姫野カオルコ
姫野さんの作品をまともに読んだことがなかったと思うのですが、
これはとても良かった。
タイトルから何か昔の文化を懐古するような感じかと思ったんですがちょっと違って、
幼少期の記憶を描きながら、その時に起きたことや感じたことの意味を大人の自分として振り返るというような短編集でした。
私小説的な意味合いも大きいような感じがしました。
一味違うという風格。
すっかり興味を惹かれたので他の作品も読んでみようと思います。
さて、もう9月になってしまいました。
今年もあと4ヶ月。
なんて毎年言ってるんですが、歳をとると時間の早さについていけないんですね。
私だけかもしれないけれど。
ここしばらく湿度が高くてしんどいです。
2022年あとどれくらい本で出会えるだろうか。