内容(「BOOK」データベースより)
高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。ホリニンナこと山中十四子は、携帯電話を通して、逃げる少年ミミズとつながる。そしてテラウチ、ユウザン、キラリン、同じ高校にかよう4人の少女たちが、ミミズの逃亡に関わることに。遊び半分ではじまった冒険が、取り返しのつかない結末を迎える。登場人物それぞれの視点から語られる圧倒的にリアルな現実。高校生の心の闇を抉る長編問題作。
5月4冊目。
ひと月の中で2冊くらい読んだらしんどいものを入れて、それ次第で次に読むものを決めるようにしています。
そのしんどいやつが今月は『リアルワールド』です。
ちなみに以前に一度挫折しています。
桐野作品は本当に気持ちが安定していないと具合が悪いなっちゃうようなものがたくさんあって、怪談よりずっと怖いんです。
私はここしばらくは過敏になったり落ち込んだりはしていなくてむしろ心が弛緩しちゃっている気がするんですね。
そのせいか数ページ読んだら非常に刺激的でした。
アントニオ猪木のびんたみたいな感じ。
ちなみに2003年の作品なのでもう20年近く前になりますね。
主人公はホリニンナという女子高生です。
これは偽名で本当の名前は山中十四子。
十四子たちは自分たちが常に狙われているという感覚がある。
だから偽名を使う、搾取されないために。
うかうかとしていたら搾取される、されまくる…だからせめて武装する、と彼女たちは思っている。
みんなにこにこしているけど、心の中ではあたしのことなんかどうでもいいと思っている。お金のためにやっているからだ。あるいはニクタイが目的、とか。あたしはテラウチと違って、露骨にニクタイを目的にされたことはないけど、自分が常に何かに狙われているって感覚はよくわかる。うっかり他人の誘いや甘言に乗れば金を取られ、損をして痛い目に遭う。
それに対して十四子の母親はどうしてそんなに傷付くのを怖がるのかと聞くけれど、十四子は母親の世代が経験した傷付き方と今の子供が感じる脅威は全然違うと言う。
いきなりヒリヒリするし、グサグサ来るなあと思う。
もちろんリアル女子高生が書いているわけではないですが、そんな風に未成年者が感じるのであればこれは個人のストーリーではなくて社会の問題ですよね。
この後どうなっていくのかまだわからないのですが、無事読み終えられますように。
もしいけたら次は『路上のX』を読みたいかなと思っています。
内容(「BOOK」データベースより)
幸せな日常を断ち切られ、親に棄てられた女子高生たち。ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。かけがえのない魂を傷めながらも、三人の少女は酷薄な大人たちの世界をしなやかに踏み越えていく。最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を物語に結実させた著者の新たな代表作。