あらすじ


それぞれの理由で安楽死を望み、廃病院の密室に集まった12人の少年少女は、そこで死体を見つける。死体が何者で自殺なのか他殺なのか、集まった12人の中に殺人犯がいるのか。やがて、12人の死にたい理由が明らかになっていく。


原作は冲方丁さんで、実は本も買ったけれど挫折しました💦

買った本も買った食べ物も捨てないを信条にしている私でもどうしても無理なときがある。

そもそも冲方丁さんの作品はそんなに得意ではないということもあるし、このストーリーは自分にはきついです。

なので原作と映画の違いが分からないのですが、映画は世の中に(若い子にかな)ウケるような豪華な若手俳優陣だったと思う。

こういう登場人物多い系は豪華にする程に何故か薄っぺらく見えてしまう。ハリウッド映画なんかもそうだと思う。


『自殺』というおよそこの世でも1番重いテーマを扱いながらここまで表面的か…。


12人の自殺志願者が集まったところである事件が発生し、それをめぐり集団自殺を続行するや否や話し合いと謎解きが行われるという話。


もうある事(あらすじに書いてあるけど)が起きた時点で自殺しないんだろうなあと思うよね、大人なら。


自殺したい人の気持ちが私にはわからないけれど、全ての人間が1度や2度は死にたい、死んだ方がましと思ったことがあるんじゃないか?

そしてほとんどの場合はそういう精神状態の自分は本当の自分ではないということに後から気づくと思う。

もちろん今書いている事はかなり乱暴で死の願望から抜け出せない人間もいると思う。鬱病により自死に至るということは自分が見聞きするだけでもたくさんある。

自殺はダメという事は簡単だけれど、その場合はおそらく病死なんだろうと私は感じている。


なので一括りにするつもりは毛頭ないけれど、このストーリーを観る限りは本当に死にたいという、それ以外に選択肢がないという切実さが伝わってこない。中二病の自殺願望以上のものは伝わってこない。


一周して、だがしかし、こういう魔が差したような自殺願望者も世の中にはたくさん存在すると思う、なにしろ自殺大国日本ですから。

そういう若い人がこの映画を観てはっと我にかえれるのならば、それはそれで存在意義があるのかもしれない。


人の気持ちはどんどん変化していくわけで、その中で死ぬか生きるかの選択肢はやり直しのきかない究極の選択だ。後悔もなにも死んだところで人は終わる。

あの世で幸せに…と言いたいところだけれど、だれがあの世があると知っているのか?そうだったらいいなあという淡い思いであって、誰も確かめたことはない。


言い切ることは出来ないけれど、多分ほぼ99パーセントの絶望は時間が経てば絶望ではなくなる。その絶望のせいで人は強くなるからだ。

だからこそ若いまだ経験値の浅い状態でこんな大きな選択をしたらいけないと思う。

月並みなんだけれど、生きていればしみじみと幸せを感じることもきっとあるはずだ。好きな人とめぐりあったり、とてつもなく美しいものを見たり、何かをやりとげたり…そういう喜びを知らずに命を捨てる人達がいる事は本当に悔しく悲しいことだと思う。