①これをこう揃える、という考えをきちんともたせる
②品揃えの枠組みを立てさせる
③会社や商品部の政策を噛み砕いて伝える
④こう揃え、こう裏付けさせる
⑤データと検証、この繰返し


(はじめに販売会議ありき)
①販売計画を担当ごとに、まず立てさせる
②何をいくつ、どこで売る、さらに動作レベルでつめる
③売上目標、販売計画に基づく売場づくり


(フェーシング、作業へと落としこむ。仮説→実施→検証の繰返し)
①失敗を恐れず、数字にチャレンジさせる
②根気よく前向きにやらせる、繰り返させる
③1度で正解は出ない、繰り返しつつ良くする以外にない


(分析のロジック)
①いつどのようなデータを、どのようなフォーマットで出すか
②どのような順序で数字を見るか教える
③いくつかのデータとの比較をさせる


(POSデータのみでは片手落ち)
①自店のデータのみで判断しては危険
②競合店調査を、
③POSデータと、商圏、競合店データを、必ずつけ合わせて判断する
売上目標、販売計画に基づく売場づくり


数字でつかみ、判断し、対策をといっても、ただ単にやっていたのでは励みにならない。


そこで売上目標を立てさせ、意識的に目標にチャレンジするようにしむけた。

①売上部門別の数字を、前年割れ、前年クリア、予算達成と分け、表にし、休憩室に掲示した。
②売上速報を発行。全社員が必ず通る位置に、その日、その時刻の速報をPOSから出し、掲示した。年末にはより細かく、1時間ごとの速報を出した。


これが皆のチャレンジ意欲を高め、あと5万で予算をクリアするぞ、というように前向きに取り組むようになった。
良い意味での部門対抗意識も出てきた。

数字で実績をつかみ、分析し対策を打ち、自ら立てた目標にチャレンジするクセをつけさせたのである。

このようなPOSデータを活かした対策が1年後には大きな成果となって表れてくる。
ワースト3に入っていた店の売上げが、前年比、子算比ともベスト3に入ってきた。
さらにより大きな成果は、社員一人ひとりが、データを使いこなし、前向きに自らの業績アップにチャレンジするようになったことである。
そもそもこの店の業績不振の原因は、地元の客に目を向けず、データをもとに品揃えや売り方を改善していなかったことにあったようである。
不振の原因をもっぱら競合店のせいにしていたのである。

POSデータ活用を機に、データを活かしつつ、白ら主体的にマネジメントするよう「人」を活性化したことが、店長の本当の成果だといえる。

使いこなす売場のマネジメントという切り口から捉えてみると、店長の活性化対策は、多くの教訓を与えてくれる。



(「数字」でマネジメント)

①数字で状況をつかむ、判断する、計画する
②計画→実行→反省に必ず数字を入れる
③POSデータ活用云々する前に、数字で見たり考えたり計画したりする教育を、十分やっておく必要がある。



(階層を追ったマネジメント)


①単品でつかむ前に、大→中→小と問題のレベルを追って分析していく
②部門→中分類→小分類と順を追いつつ、より細かく単品ごとに問題をつかむ
③分類をどうつくるかが、決め手となる



(データを使ったOJT)

①データを使った仕事や会議の場をつくる、状況を段取りする
②上司が先回りしてデータをつかんでおき
③くすぐる、気づかせる
④やってみせ、やらせて、データの解読方法を教える
⑤現場に出て、現物を見ながら分析する
⑥朝礼や速報発行などでコミュニケーションをよくする
⑦部門ごとに目標達成を競わせる


 

 



(データの意味と必用を指導。)

POSからのアウトプットデータはたくさんある。あれもこれも出ますというが、何をどのような場面で使ったらいいのか、その意味や狙いはとなると、よく理解されていないのが現状ではないか。

店長は自らデータをたたき出し、数字の読み方と分析のロジックを指導した。
この数字はこう見るのだ、このレポートはこういう場合にこう使うのだ、というように。

①単品売上げレポートは、分類ごとに売上順位、販売点数順位、前日と月初からの累計で出る。前日のデータは発注に、月間累計は品揃え、フェイシング、レイアウトに役立てる。

②催しファイル売出し商品の単品管理に使う。エンドごとの単品実績、目標販売点数、売上高をセットし、実績の推移をつかむ、販促や催事企画に役立てる。

③時間帯別売上げレポート指定した単品の時刻別売上げ、販売点数、値引、廃棄がつかめる。特定の分類でもとれる。その日の時刻ごとと、月間の累計でもとれる。これは大変役立つ武器になった。品切れ防止やロスの削減に、作業計画、発注予測、時刻別品揃えなどに役立てた。

④分類別売上げレポート売上予算の遂行管理に使う。各担当者の目標意識づけ、数字へのチャレンジに役立てた。また売上速報を出し、部門間の競争意識を生み出した。



(鮮魚部門の品揃えと作業の立て直し)

店長は、まず最も不振部門であった鮮魚部門にて、POSデータ活用を積極的にやってみせ、やらせた。

★STEP 1

品揃えの組み立て直し現状まったく客の支持がない。
だから「現状の品揃えを否定しろ、今までを前提とするな」と言い、
まず商品部と担当者が扱いたいアイテムをすべておけ、適当にフェイシングしろ、と指示した。

その上で、毎日POSデータをとれ、見なくてもいいから、とにかく積んでおけ、と言い、まず自分からデータを見て、死に筋は何だ、ロスが多いのはどれだ、それはなぜだと担当者にしつこく聞き、考えさせた。

「何もかも同じように扱ったから、客の要望とアンマッチになったんだ」と言い、
売上げデータに基づくアイテムの絞り込みとフェイシングの見直しをやった。
同時に、分類別売上構成、尺当たり売上げ、尺当たり在庫をつかみ、スペース効率によるレイアウトの組替えも行った。

★STEP 2

商圏調査データと結びつける商圏調査の結果から、お年寄りが多い小家族である。午前中の構成比が高いことなどがわかっている。
そこで、何を特色にし、どう競合店との違いを出すか、担当者に考えさせた。

その上で、刺身の品揃え強化、個食パックの売込み、干物、シラスのアイテム拡充などを行った。このことが、売上げの拡大に大きく貢献した。

★STEP 3

陳列カラーチャートによる品揃え改善フェイシング図に、売上順位やABCランクに合わせて、色分けして塗らせた。
これでひと目で全体の売上げと陳列効果がつかめた。担当者の興味も出てきた。

これをもとに売場に出て分析し、上段、中段、下段ごとの棚割とアイテムを見直した。
さらに曜日ごとに、下段でのプロモーション計画を打った。

★STEP 4

時間帯別品揃え作業が計画的に行われていなかったため、品出しが遅く、午前中売り逃していた。
現状の品揃え状況を時間帯別に写真を撮り、チェックさせた。また、時刻ごとの作業の種類と処理アイテム、処理量を調査した。

その上で、時刻ごとの作業割当を決め、時刻ごとの販売数に合わせた商品づくりをやらせた。
作業指示書に、何を何パックつくれと指示させた。このことにより、午前中の作業が早くなり、品揃えが充実してきた。
客がついてくるから売上げにつながり、回転がよくなるから鮮度がみるみる輝いてくる。
こうなるとよいほうに回り出し、売上げが伸び、客の支持が上がってきたのである。
打った手が数字でつかめる。
実感として仕事のやりがいが出てくる。

このようなプロセスを通して、人が活性化してくる。


このように、デー夕を使って仕事をすることに部下が関心をもち、成果が出はじめると、活性化はスムーズに動く。
数字が上向き、前年をクリアし、予算を達成するようになってきた。

そこで店長は、次の手を打ちはじめた。

それは、直接ああせい、こうせいと指示しないで、データをもとにヒントを与えるようにしていったのである。


★方法その1

朝礼にて興味をもたせる話をする毎朝の朝礼で、○○が○個売れている。上位に○○が入りはじめた……などと、皆の関心を呼ぶ話をした。

例えば・・・・

「ウーロン茶は、伊藤園が5フェイスになっているが、POSだとサントリーが1位に出ている」
担当者は「エッ」と売場を見に行き、データをチェックする。
「しまった、店長に先を越された、店長はいつもデータを見てるな、気をつけねば…」
というように、誰もがデータを見る状況をつくり出していったのである。

★方法その2

売場でささやく、「エンドに○○と○○があるけど、いつまで出しておくんだ。売れていないよ」
「いつ変えるの、何にするの、デー夕を見たら……」と、このようなことを繰り返し言いつづける。
担当者は、店長に言われる前にデータを見るようになり、販売計画書をチェックして、エンドやコーナーの切り替えをするようになった。
「よし今度こそ、店長の先を越してやれ!」という、一人ひとりの意欲を引き出したのである。

★方法その3

データを見たり、分析するヒントを与える。
漠然と数字の羅列を見ていたのでは、問題に気づかない。対策も浮かんでこない。

そこで「曜日や天気に関係なくいつも上位にきているのは何?曜日や天気に関係なく」
「客数の多い日に急に動くのは何?」
「めでたい日によく動く商品は?」
「特売にかかると爆発的に売れるのは?」

というように、データを見る時のヒントを与えるようにした。