
「健康日本21」という国家プロジェクトをご存知でしょうか?
2000年から厚労省を中心にスタートした政府が進める健康づくり運動が「健康日本21」。10年間のプロジェクトを終わってその結果が公表されました。写真は昨日8日の日経新聞朝刊の切り抜きです。
このプロジェクトでは、当初国としての健康目標を59項目掲げました。例えば「食塩摂取量を減らす」、「高血圧改善」、「歯科検診を定期的に受ける」、「1日の歩行量アップ」、「カルシウム摂取アップ」などなど。
さて、10年間の集大成は…
全59項目のうち、数値目標を達成したものは「メタボリック症候群の認知」、「歯科検診の定期的な受診」など10項目=17%にとどまりました。
反対に、目標設定時よりも悪化したものは、9項目=15%でした。一日の歩行量やカルシウム摂取量は減り、朝食欠食者や不眠対策に睡眠薬やアルコールを使う人は増えたとのこと。
喫煙に関しては中間発表のあった2005年くらいまでは悪化傾向であったのが、昨今の自治体レベルでの分煙、禁煙ゾーンの法制化、未成年者の喫煙防止対策強化などの効果が現れ5項目すべてで改善傾向に転じてきているのは朗報。
改善度合いが低いのは、「栄養・食生活」関連。15項目のうち9項目が「変わらない」、「悪化している」と判定されています。20~30代男性の肥満化が進んでいるのも問題です。
私はこのプロジェクト発足当時から、この結果を予測していて2004年くらいから講演会などでずっと言い続けてきました。
お題目だけの予防医療啓蒙活動は上手くいかないというのは、生活習慣病患者さんを見ていると予測がつきます。
誰だって不愉快な病気にはなりたくない。しかし、節制や我慢は嫌だし、面倒くさい運動もやりたくない。世の中があまりに便利で快適になってしまったが故に、増加の一途をたどる糖尿病。この病気の増加にストップをかけられるものこそ、アンチエイジング医学という新しいスタイルの予防医学だと思い、2000年からアンチエイジング一筋でここまできました。奇しくも、このプロジェクトと共にここまできたわけです。
この10年間で抗加齢(アンチエイジング)医学は医学界には大分その存在が知れ渡りました。しかし、一般市民レベルでは、若返りを主とした美容の意味合いでのアンチエイジングという名は定着しましたが、「健康長寿のための内科的医学」としてのアンチエイジングはまだまだ認知されてはいません。
あと、10年くらいかかるものと思っています。。。