我が国のアンチエイジングもひと頃のブーム的盛り上がりも一段落し、次のステップに入りつつある流れになってきてています。


そんな中、知人から再生医療によるアンチエイジングについてどうなのか?という相談を受けました。アンチエイジング医療の本質やこれからのアンチエイジング医療(医学)を考える上でも、この質問に答えることは自分自身にとっても意義があることと考え、ブログに書いてみたいと思います。


日本抗加齢医学会においても再生医療はこれからのアンチエイジング医療において重要なポジションをしめるようになるであろうという考え方を持つ先生は少なからず、いらっしゃいます。


しかし、医療というのは医学とは違って、単なる研究ではなく患者さん(あるいはクライアント)という生きた人間を対象としていて、医療を受けるのはその対象者(大多数の方が医学的素人)であることを忘れてはなりません。


まず、特に明らかな病気・疾患を持たない健常者の場合、施された医療によって何か健康上の不利益があってはなりません。


これが、病気・疾患の治療であれば、患者さんは治療による副作用、合併症を理解・納得した上でそのマイナス面を上回る医学的治療効果を期待して受けるわけです。


それに対し、アンチエイジング医療というのは、基本、健康体である方が、+αを期待して受ける医療です。


この+αは、“いつまでも(外見が)若々しくいる”だったり、“いつまでも健康に元気でいる”だったり、“いつまでもキレイでいる”だったり人によって違います。



加齢(正常な加齢)という現象はこれまでは、宿命と考えられていました。今、抗加齢医学においては“加齢とは介入すべき、すなわち治療すべき病気である”という考え方もあります。


この+αをノーリスクでしかもできるだけ安価に手に入れられればそれにこしたことはありません。


しかし、この部分をもし再生医療でいうことになるのならば、今現在のところは残念ながら難しいと言わざるを得ません。


新しい医療である以上、再生医療のように自分の細胞を使って行うものであったとしても、それが本当にノーリスクであるとは言えないのです。


保険は効きませんので、それ相応かなりの費用もかかります。


アンチエイジング医療をまとめてみたいと思います。


1.美容医療としてのアンチエイジング(美容外科・美容皮膚科で行われる)はほぼ定着しているが、今後、再生医療をベースにしたしわやたるみ、男性型脱毛が行われていくであろう。長期的に見た際の安全性は不明であり、ノーリスクとは言い切れない。それを承知の上で従来のヒアルロン酸、ボトックス、フェイスリフト手術の延長線上にあるものと思って受けるのは個人の自由。費用はそれなりにかかる(場合によっては100万~数百万円以上!?)。


2.健康長寿を目指すことを目的とした抗加齢医療は2つのスタンスがある。再生医療などの最先端の医療の介入によるアンチエイジングとして、様々な病的老化関連疾患を治療するという本来の治療医療に近いスタンス。リスクもあり。一般的には受けにくく、今のところはあくまでも研究の延長線上にある。


3.もうひとつの抗加齢医療は、食事や運動、睡眠、休息などの日常生活をよりアンチエイジングなものにすることで、ノーリスクに近い形で真の(無理のない)健康長寿を獲得させるという予防医療に近いスタンス。ローコストだが、結果をすぐには体感できないので継続するには、強い動機付けが不可欠。


私が力を入れているのは3.の抗加齢医療です。そして、1.~3.のどれもがアンチエイジング医療なのです。