講演会などで、「2005年くらいから日本のアンチエイジングが変わってきている」というお話をします。それまでの日本においては、30代後半以上の女性をターゲットにした美容的な“若返り”を切り口としたアンチエイジングがほとんどであり、医療業界でも美容外科・皮膚科といった形態学的アプローチがアンチエイジング医療という捉え方をされていたわけです。
2001年に発足した日本抗加齢医学会(当時は日本抗加齢医学研究会)の活動が活発になるにつれ、内科的な体の内側からのアンチエイジング医療というものが認識され出し、昨年2005年には数多くのメディア、それもNHKや五大新聞の一面に、抗加齢医学としてのアンチエイジングの存在が大々的に取り上げられるようになったのです。
しかし、このアンチエイジング、医学である側面と美容を含めたライフスタイルのひとつである文化的な側面とがあるため、医学とは程遠い分野・領域でもアンチエイジングという言葉のみが、商業的に安易に利用されている現実もあるのがある意味、問題です。
オプティマル・ヘルス(各年代における心身共に最高の健康状態)を獲得し継続していくことで到達する真の健康長寿こそが、抗加齢医療の目指すところであり、その本当の意味や価値が見失われたままに、いい様に使いまわされ、終にはアンチエイジングがブームで終わってしまうようなことがあってはならないと思います。
現状のアンチエイジングのフィールドにおける問題点のひとつに産官学ならびに民が一体となった連携が取られていないことがあります(産学や産民はある)。しかし、今、ようやくこの現状を打破すべき動きが少しずつ起こってきています。昨晩もある会合でその件について、かなり具体的な方向性を持った話が出ました。
来年2007年は、いよいよわが国におけるアンチエイジングの真の意味での元年となるかもしれません。楽しみです。