昨日のYahoo!ニュースに『老化の有力な原因の一つとされてきた「活性酸素」が、実は老化に関与していなかったとの研究結果を、東大食品工学研究室の染谷慎一(そめや・しんいち)特任教員らと米ウィスコンシン大、フロリダ大のチームがまとめた。チームはさらに、細胞内小器官「ミトコンドリア」にあるDNAの損傷蓄積が老化の一因となるメカニズムを解明。15日付の米科学誌サイエンスに発表した。(共同通信)』というものがありました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
この研究の要旨は『ミトコンドリアDNAと呼ばれる、細胞核のDNAとは別のミトコンドリアが独自に持つDNAに着目し、このミトコンドリアDNAの損傷修復機能を失わせたマウスを遺伝子組み換えで作成。すると、このマウスは正常なマウスに比べて、DNAの損傷が加速的に進み、様々な老化現象が見られた。寿命も正常マウスが28ヶ月だったのに対し、15ヶ月と短かった。また、ミトコンドリアの活性酸素レベルなどを比べてみると両者間で差がなく、活性酸素や酸化ストレスの増加が老化に関与していないことがわかった。』ということです。すなわち、ある特別なマウスを実験的に作って観察したところ、老化現象は、ミトコンドリアの老化そのものが問題なのであって、活性酸素はあまり関係がなさそうであったということになります。
いくつか問題があります。マウスと人間では活性酸素や酸化ストレスの影響が根本的に違うこと。かなり特殊な状況下でのひとつの結果に過ぎず、活性酸素が人間の老化現象に関与しないとは言い切れないこと。これ以上はかなり難しい話になってしまうので、止めておきますが“悪者じゃなかった活性酸素 老化に活性酸素関与せず”というのはちょっと言い過ぎな表現だと思います。