最近の女性誌(ファッション、美容系の)における「アンチエイジング」という言葉の使われ方が変わってきています。2003年~2004年においては、30代後半~50歳くらいの比較的アッパーな層に対して新しいトレンドとしてキーワード的に使われていたのが、2005年~2006年には20代の一般女性層向けの雑誌の表紙にも使われるようになり、いよいよ今年2007年には、完全にコモン・ワードになってきているようです。
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今月になっていくつかの新しい女性誌(3月7日に、集英社から「マリソル」、世界文化社から「グレース」)が創刊されています。対象は特に38歳~45歳くらいまでの女性をターゲットにしたもの。先行していたもの(光文社の「ストーリー」、小学館の「プレシャス」など)も含め、ここ3ヶ月間のタイトルや内容をチェックしてみると、これらの雑誌的にはすでに「アンチエイジング」という言葉は終わった言葉になっている気がします。エディターやライターにしてみると、「知っていて当たり前。何を今さらアンチエイジング?」という感じでしょうか。
そりゃ、そうかもしれません。2006年の流行語大賞の60語の中にノミネートされるくらいのレベルまで認知はされてきている(その本質を理解しているいないに関わらず)言葉です。常に新しいものを探し、それを情報として真っ先に紹介することが使命でもああるトップレベルの美容・ファッションの情報誌にすれば、もはや「アンチエイジング」は使えない言葉=NGワードにさえなっているのかもしれません。実際、昨日お会いした著名な美容業界の大御所の方も、そのようなことを仰っていました。
しかし、ここでの「アンチエイジング」は、抗加齢(アンチエイジング)医学の本質である「健康長寿のためにQOLの高いライフスタイル(食・運動・メンタル)を目指す」ということではなく、やはり「“若返り”的効果のある美容医療、美容法、化粧品」という意味あいで使われているということを認識しておかないといけません。
医学界ではようやく、多くのドクター達に「アンチエイジング」医学が認知されてきました。以前のブログでも書きましたが、まだまだ本質を理解していない、あるいは理解しようとさえしない医師が多いのも事実ですが、1~2年の間でかなり状況は変わってきています。反対派のドクターにしてみれば、こういった「アンチエイジング」という言葉の持つ二面性の問題とか、ここに来ての言葉の軽さ(安易にアンチエイジングという言葉を冠にしたビジネスの横行)がより悪い心象を与えているかもしれません。
この3月に発足した「日本エイジマネージメント医療研究機構」も、現状の医学界や国が抱く「アンチエイジング」という言葉のネガティブなイメージを払拭しようとして、「エイジマネージメント」という言葉を選んだ経緯があります。
こういったことを見ていると、やはりアンチエイジングは医学でありながら、文化でもあることがより一層はっきりとわかります。