11月3日放送予定のニッポン放送「森永卓郎 朝はニッポン一番乗り」(朝5時~8時半)という番組の中でアンチエイジングの特集を放送するとのことで、恵比寿アンチエイジングクリニックで取材があった。今回の放送を聴いていただければ、今の私とクリニックのアンチエイジングに対するスタンスがわかっていただけると思う。
今回の話のベースとなるのは以下の内容である。恵比寿アンチエイジングクリニック開院1周年を機にまとめてみた。
アンチエイジングは今、F2層(35歳~49歳)の女性を中心に“若返り”の美容法的なスタンスで捉えられていて、その意味ではブームともいえる。しかし、我々が今、学会を中心に作ろうとしているアンチエイジングは、体の内側からのアプローチを中心とした内科的医学のアンチエイジング。抗加齢医学(アンチエイジング医学)とは、不老長寿や「若返り」を目指す魔法の医療ではない。
抗加齢医学の定義は、「元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学=健康長寿を目指す医学」とされている。わかりやすく言えば、いつも『ごきげん』な心身ともに健康な状態を連続させ、質の良い加齢を目指すための全く新しい医学なのである。従来の病気・疾患を見つけて治す医療はマイナスを0にする医療といえる。
アンチエイジングの医療は0以上のプラスを出来るだけアップさせ、100点満点の健康状態をゲットし続けてもらうことにより、生活習慣病やがんなどに罹らないようにする究極の予防医学でもある。
実際に行っているアンチエイジングの具体的方法は、健康の状態や体の老化度を診断するQOL(Quality of Life)ドック、アンチエイジングドック(老化度判定ドック)を行い、現在の体の状態と弱点を診断。抗加齢医学の臨床の内科的アプローチの基本は食事療法(サプリメント指導を含む)、運動療法、精神療法の3つであり、これを中心に行っている。食事は管理栄養士が3日分の食事をすべて分析し、アンチエイジングな食に少しでも近づくようにサプリメント処方も含めて指導する。運動はクリニックの隣に併設された2つのフィットネススタジオで専門のインストラクターがアンチエイジングエクササイズを。精神療法は精神科医の副院長がアンチエイジングメンタルに関してサポートしてくれている。
私はドック診断とそれを元にしたアンチエイジングの具体的メニューを作成する。内分泌・代謝内科医の専門分野であるホルモン補充療法以外にも、サプリメント療法、アロマテラピー、カイロプラクティック、鍼灸、ホメオパシーなどの代替補完医療を取り入れた全人的医療である統合医療という方法で行われる。
アンチエイジング医学は歴史が浅い医学である。最新のものはエビデンスがないことがひとつの問題でもある。新しいものは未知のものが多くリスクが高い。また、美容外科、美容皮膚科などの外側からのアプローチは結果が早く出て、わかりやすいアンチエイジングといえるが、我々の提唱するアンチエイジングはすぐに効果が出るようなものではない。ここのところが従来の美容医療によるアンチエイジングのフィールドと異なる一番重要なポイントであろう。我々のアンチエジングの基本は『都市型原人』のライフスタイルをどうやって現代人に実践させるかというところにある。最終的には健康度がアップして、『ごきげん』に長生き出来るようになるということを目指している。
ユーザーの反応としては、最近ではドックへの反響が高くなってきて手応えを感じる。また、ダイエット外来は結果も出やすいので好評である。最近ではプチ病・プチ不調外来にも人気がある。また、サプリメント外来も体調がよくなった、肌トラブルがなくなったなどと好評だ。
“アンチエイジング”医療の将来性に関しては、美容的アンチエイジング医療も、今よりもより一層確立してくるであろう。と、同時に、我々が目指す体の中からのアンチエイジングが理解され、究極の予防医学としての内科的アンチエイジングも徐々に、一般に浸透してくると思われる。眼科、耳鼻科、泌尿器科、婦人科、歯科などの老化に関係した各科のアンチエイジング医療も並行して作り上げられていくであろう。
我々は、20年後には生活習慣病、寝たきり、認知症などで苦しむ高齢者が減ることを目指しているのである。
現状の問題点や課題点などについては、先にも述べたように、医学的にはまだ歴史の浅い分野なので、科学的実証に乏しく、イメージが先行してしまうことが大きな問題といえる。また、保険診療ではないので、コストの問題も無視できない。「アンチエイジングは結局、金持ちの医療か。」といわれてしまわれないように、正しい医学的な方法をベースにして、皆に満足のいく医療サービスとして提供され、それが適切に広まっていくことで安価になっていくように我々は日夜努力しているのである。